家族が増えてドライバーが複数いる場合、カーポートも2台分必要ですよね。しかし、スペースをどれくらい確保すればいいのか、カーポート本体と設置工事の費用がどれくらいかかるのかなど、疑問も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カーポート2台用に必要なサイズや種類、タイプ別の工事費込み費用相場を詳しく解説します。カーポート2台用の設置を計画している方は、ぜひ参考にしてください。
- 2台用カーポートは並列型や縦列型など種類がありサイズや特徴が異なる
- カーポート本体と標準工事費込みの費用相場は約25万~40万円
- 土地の形状や状況によっては、サイズ調整、基礎拡張、土間工事などの追加費用が発生
- DIYでの設置は難易度が高いため、専門業者に依頼するほうが安全
カーポートとは

カーポートとは、丈夫な柱と屋根とで構成されているシンプルな車庫を指します。ガレージとの大きな違いは、壁がないことです。
カーポートを設置することにより、夏の熱い日射しや雨や雪から車を守れます。また、ガレージと違って壁がないため、乗り降りが楽であることや駐車場のスペースが少なくて済むなどのメリットもあります。
住宅にスペースさえあれば、比較的簡単な工事で設置できることもメリットといえるでしょう。スタイリッシュなデザインのカーポートも数多くラインナップされています。車まわりをおしゃれにリフォームしたい場合には、カーポートの設置を検討してください。
2台用カーポートのサイズとは
カーポートの中でもっとも流通しているのが、2台用カーポートです。1台用カーポート2つ分よりも、駐車スペースが少なくてすみ、価格も安くなる傾向があります。
2台用カーポートの一般的なサイズは、間口3.6m~6m、奥行5m〜5.7m、高さ2m〜2.7mです。サイズに幅があるのは、並列か縦列かという車の駐車方法によって、必要になるスペースが変わるからです。
カタログに「ワイドタイプ」と表記されているカーポートがありますが、「ワイド」であっても2台分の余裕があるとは限りません。横に2台置く場合、幅5m以上が1つの目安になるため、注意してください。
2台用カーポートの種類とは
2台用カーポートには、いくつかの種類があります。
まず車の置き方により、並列駐車用と縦列駐車用の2つのタイプに分かれます。並列駐車用には、ワイド・Y合掌・M合掌・後方支持という4タイプです。縦列駐車用には縦連棟があるため、それぞれの特徴を知っておくといいでしょう。
もっともスタンダードなのは、屋根が一体になったワイドです。Y合掌は片流れ型カーポートの柱の部分が連結したタイプで、Y字の左右に車が駐車します。M合掌は片流れ型カーポートを屋根部分で連結しており、屋根がM字型に丸くなっている点が特徴的です。
後方支持は車の駐車スペースの後ろ側で屋根を支える構造になっており、側面の前方には柱がありません。縦連棟は縦に2台が駐車するタイプで、幅は広くないけれど、奥行きのあるスペースに向いています。
カーポート2台用の工事費込みの費用相場

カーポート2台分の本体と工事費込みの一般的な費用相場は、25万〜40万円です。しかし、これはあくまでも一般的な例であり、本体の種類や工事の内容によっても、費用は変化します。
工夫次第では20万円で抑えることも可能です。徹底的にこだわると、200万円かかることもあるでしょう。メーカー別やタイプ別でのカーポート2台用の本体と工事費込みの費用相場をご紹介します。
2台用カーポートはリクシル社がシェアNo.1
日本国内のカーポートは、「LIXIL(リクシル)」「YKK AP(ワイケーケーエーピー)」「三協アルミ」「四国化成」「タカショー」の5社で95%以上のシェアをしめています。国内最大手はLIXIL(リクシル)で、2台用のカーポートでもシェア第1位です。
LIXIL(リクシル)はカーポートの種類が多く、選択の幅の広さが人気の要因になっています。YKK AP(ワイケーケーエーピー)は細部のこだわりが優れている、四国化成と三協アルミはデザイン性が高いというのが一般的な評価です。
【タイプ別】カーポート2台用本体費用相場
カーポート2台用のタイプ別での本体価格の費用相場を、以下の表にまとめました。
| カーポート2台用のタイプ | 本体価格の費用相場 |
| エントリータイプ | 38万~68万円 |
| おしゃれなタイプ | 89万~170万円 |
| 2台用強度が高いタイプ | 45万~110万円 |
さらにくわしく、三協アルミ・LIXIL(リクシル)・四国化成・YKK AP(ワイケーケーエーピー)という4つのメーカー別での本体の費用相場をご紹介します。
①メーカー別:2台用エントリータイプ本体の費用相場
| メーカー名 | 2台用エントリータイプ本体の費用相場 |
| 三協アルミ | 38万円~ |
| LIXIL(リクシル) | 38万円~ |
| 四国化成 | 68万円~ |
| YKK AP(ワイケーケーエーピー) | 41万円~ |
エントリータイプでコストパフォーマンスに優れているのは、三協アルミとLIXIL(リクシル)です。四国化成はやや高めになっていますが、屋根がフラットでおしゃれで、屋根枠にカラーを入れることもできます。
強風に対する強度もそれぞれ、風速38m/s以上をクリアしており、台風被害のリスクを抑えることが期待できるでしょう。それぞれ耐雪も20cmであるため、豪雪地域でなければ、十分に対応可能です。
②メーカー別:2台用おしゃれなタイプ本体の費用相場
| メーカー名 | 2台用おしゃれなタイプ本体の費用相場 |
| 三協アルミ | 122万円~ |
| LIXIL(リクシル) | 105万円~ |
| 四国化成 | 89万円~ |
| YKK AP(ワイケーケーエーピー) | 106万円~ |
おしゃれタイプは、それぞれお値段も高めです。共通しているのは、各メーカーともにデザインがすっきりしていること、軽量でありながら、強度の高い素材が採用されていることです。
③メーカー別:2台用強度が高いタイプ本体の費用相場
| メーカー名 | 2台用強度が高いタイプ本体の費用相場 |
| 三協アルミ | 45万円~ |
| LIXIL(リクシル) | 58万円~ |
| 四国化成 | 57万円~ |
| YKK AP(ワイケーケーエーピー) | 58万円~ |
強度の強いタイプは、各メーカーともに強風や耐雪に対応しており、屋根の強度が高い特徴があります。耐積雪量80〜200cmに対応しており、豪雪地域にお住まいの方におすすめです。
カーポート2台用標準工事費用
カーポート2台用にかかる標準工事費用は、エントリータイプタイプに多い片側支持と背面支持の場合で約5万〜8万円です。おしゃれなタイプや強度の強いタイプは一般的に門柱を両側に設置するため、基礎工事の価格も高くなる傾向があります。約8万〜10万円と考えておけばいいでしょう。
ただし、この価格はあくまでも標準工事の費用です。カーポートを設置する場所の状況や形状によってはいくらか追加の費用がかかる場合もあるため、注意してください。
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カーポートを設置する費用の内訳

カーポートの販売価格は製品の性能や機能、材質によって変わります。見積もりを取る際には、予算だけでなく、機能性や耐久性も考慮しましょう。
また、設置費用も考える必要があります。全国に展開しているエクスショップなら、設置費用の概算が明確になっていることが多いです。
カーポートの設置には、標準工事以外に工事費用のかかる可能性があります。設置場所の土地の環境や建物の形状によって追加の工事が発生する場合で、一般的に考えられるは、以下の費用です。
- サイズ切り詰めの費用
- 基礎拡張費用
- ハツリ工事費
- 土間コンクリート打設費用
- 残土処分費
- オプション取付費用
- 現場調査費
これらの費用がかかる場合には、費用相場よりも高めの価格になるため、注意してください。
1. サイズ切り詰めの費用
カーポート2台用が敷地の範囲内に納まらない場合には、サイズを切り詰めるための工事費用が余分にかかるため、注意が必要です。屋根を切り詰める加工費として、間口のカットや奥行きのカット、斜めカットなどがあります。
たとえ、奥行きが足りない場合であれば、5mを4.5mにカットするなどの工事を行います。サイズ切り詰めの工事費用は、一般的に約1万〜2万円です。
2. 基礎拡張費用
傾斜地などにカーポートを設置する場合には、基礎拡張費用が発生する場合があります。緩やかな傾斜であれば柱の長さを調節することで対応できますが、勾配が急である場合には、災害時の安全対策のために拡張工事が不可欠となるケースがあるため、注意が必要です。
土地に問題がない場合でも、縦連棟タイプや後方支持タイプのカーポートでは、強度を維持するために基礎を拡張するケースもあります。費用は拡張工事の規模や内容によって異なります。
3. ハツリ工事費
ハツリ工事費とは、コンクリートやアスファルトなど、土以外の場所に支柱用の穴を掘る場合にかかる費用のことです。ハツリは漢字では「斫り」と表記されることもあります。ハツリ工事は、1ヵ所につき約3,000円というのがおおよその目安の価格です。
支柱が2本であれば約6,000円、4本であれば約1万2,000円と考えておけばいいでしょう。
4. 土間コンクリート打設費用
土間コンクリート打設費用とは、カーポートの敷地にコンクリートを流しこむ作業にかかる費用です。コンクリートを打設することにより、柱の強度が増す、車が汚れにくくなる、メンテナンスがしやすくなるなどのメリットがあります。
コンクリートの厚みによって費用が変わり、1平方メートルあたりで約1万〜2万円が目安です。カーポート2台用の敷地面積が約26平方メートルであるとすると、総額で約26万〜52万円の費用がかかります。
5. 残土処分費
残土処分費とは、支柱用に穴を開けた際に出る土の運搬および処分費用です。支柱の穴を掘る場合には、おおよそ50cmほどの深さに掘るため、1つの穴あたりで4〜5袋分の土が出ます。
支柱が2本ならば8〜10袋、4本ならば16〜20袋となりますが、費用は袋換算ではありません。一式まとめて約5,000円というのが、一般的な残土処分費です。
6. オプション取付費用
オプション取付費用とは、サイドパネルや脱着式サポート柱の設置費用などです。サイドパネルは横からの雨の防御、外部の視線からの目隠しなどの目的で設置されます。サポート柱は、風による屋根の吹き上げの軽減が目的です。
サイドパネルは、高さによって価格が異なります。一般的に高さ80cmタイプのサイドパネルの費用は約5万〜8万円、高さ200cmタイプの費用は約9万〜15万円です。サポート柱は2本セットで約1万4,000円~1万8,000円が目安と考えるといいでしょう。
7. 現場調査費
現地調査費とは、カーポートの設置工事に入る前の段階で、施行業者が見積もりやリードタイムを出すために行う調査にかかる費用です。現地調査を行わずに工事を行った場合には、工事の当日になって、追加の工事や費用が発生する場合もあります。
一般的に現地調査は、無料で行われる場合が多いといえるでしょう。事前に施工業者への現地調査の依頼をおすすめします。
カーポートの選び方と設置のポイント

カーポートには、ポリカーボネート製やスチール製など、さまざまな種類があります。具体的にはジーポートProやフーゴ、アリュースツインなど、機能性に優れた様々な製品がありますが、以下のポイントを考慮して選ぶと良いでしょう。
- 風圧への耐久性
- 耐積雪量
- 雨水の排出効率
- 熱線遮断性能
- 防犯性能
また、用途や台数によっても選び方が変わります。バイクや自転車を保管する場合、物置としても使えるカーポートを選ぶと便利です。バルコニー付きのカーポートにすることで屋外スペースを有効活用することもできます。
お家のエクステリアの見た目を美しくするには、フェンスや門扉との調和を考えることが大切です。全国の専門店で扱われるバリエーション豊富なシリーズやスタイルの中からお気に入りのものを選び出しましょう。
カーポートはDIYで設置できる?

DIYすることで工事費を節約できないかと考える人もいるでしょう。
しかし、カーポートには素人向けの自作キットはなく、条件や仕様を正確に理解し、正しく組み立てる必要があります。
「水道管」「汚水管」「雨水管」「ガス管」などが柱を埋めたい場所に埋まっていないかなど注意点が多く難易度が高いため、豊富な実績を持つ店舗やメーカーに任せた方が安心です。
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