新鮮ないかやたこのお刺身や、たこ焼き、バーベキューなどでのイカ焼きなど、人間にとってはおいしい食べ物ですよね。人間にとっておいしいからと言って、かわいいペットの犬にもおすそわけ・・としたいところですが、ちょっと待ってください。
いかやたこは犬が食べてもいいのでしょうか?犬にとっては有害な栄養素が含まれており、安易に食べていいとは言えないかもしれません。
(参照元情報:ふじわら動物病院、ブティックサロンDog DO、2017年9月現時点情報。医療に関する判断は必ず専門の医師の判断を仰ぐようにしてください。)
いかの栄養素
1.タウリン
疲労回復や、血液をさらさらにすると言われる成分、タウリンを多く含んでいます。心臓や肝臓の機能を高める、視力の回復、インスリン分泌促進、高血圧の予防など、さまざまな効果があるようです。
また、タウリンには肝臓細胞の保護の効果もあるので、するめなどにしてお酒のつまみになることが多いのですね。
2.コラーゲン
いかの皮には、豊富なコラーゲンが含まれています。お肌をぷるぷるにする効果があります。
たこの栄養素
1.タウリン
いかと同様に、たこにもタウリンが多く含まれています。魚介のなかでもトップクラスと言われています。もともとたこにはコレステロールが多いことから敬遠されがちでしたが、このタウリンにはコレステロール値をさげる働きがあることが分かり、健康食材として注目を浴びるようになりました。
2.ビタミンB2
たこには、美容のビタミンとよばれるビタミンB2が多く含まれています。この栄養素は、皮膚や爪、髪の毛などの生成に関係していて、美容によいとされる成分です。
なぜ食べてはいけないの?知っておくべきポイント4つ
1.あえて人間から犬に与えなくてもいい
いかやたこは、疲労回復や美容にもよく、健康に良いと言われる食べ物です。しかし、その成分の中には、犬にとってはあまりよくないものも含まれています。
加熱して少量をたまに与える程度なら悪くはないようですが、加熱させたからといってあえて食べさせなくてもいいでしょう
2.チアミナーゼがビタミンB1欠乏症を引き起こす
いかやたこに含まれるチアミナーゼは、多く摂りすぎると、ビタミンB1の吸収を阻害してしまう恐れがあるようです。加熱すればチアミナーゼは減りますので、加熱したものを少量食べた程度では大事には至りません。
しかし犬はビタミンB1を貯蔵しておくのが苦手な動物です。その犬に対してビタミンB1の吸収を阻害するチアミナーゼを摂らせないようにしましょう。
3.するめを食べると急性胃拡張になる
こちらはするめを多く食べてしまったときに起こり得る症状です。
するめは水分がない乾燥した状態の食べ物ですから、食道から胃などの臓器に進むにつれ水分を含んで数倍に膨らみ、急性胃拡張などになってしまうことがあるようです。犬の胃の中でこのようなことがあると、腸を通過することもできず、吐こうにも食道に詰まるリスクがあります。
また、するめは塩分を多く含んでいます。人間は活動すれば汗をかくので適度な塩分の摂取を要しますが、犬は汗をかきづらいため、過剰な塩分摂取は良くありません。するめは与えないようにしましょう。
4.致死量や中毒量は?
食べた瞬間に死ぬ、少量を食べると数時間で中毒症状が出る、という食材ではありません。犬は食べ物を丸呑みしてしまうため、よく加熱したものを小さく切って2,3切れ程度をたまにあげるなら問題ないようです。
しかし、いかやたこは人間が食べても消化不良を起こしやすい食材です。犬の消化不良にもつながるので、あえて与えなくていい食材です。
こんなところに含まれている!主なメニュー3つ
1.いか・たこそのまま
お刺身などで、そのまま生で食べますよね。
しかし生は消化にも良くありませんし、胃腸に負担がかかる食べ方なので、犬には与えないようにしましょう。
2.バーベキューなどの焼き料理
バーベキューに、犬を連れて行くときは注意してください。
よく焼けたいかやたこの匂いに、犬たちも興味津々になってしまうでしょう。落としたり、その辺に放置したりすることは極力さけるようにしておきましょう。
3.たこ焼き、イカ焼き
お祭りや花火大会などでよく、いか焼きやたこ焼きの屋台を見かけますよね。
屋台に味も濃いめにつけられているので、食べさせると塩分の摂りすぎになります。
さらにたこ焼きには、たこだけでなくネギも含まれています。ネギは絶対に犬に食べさせてはいけない食材のひとつです。自分があげなくても、落ちているものを食べてしまうおそれもあるので拾い食いしないよう犬の足元・口元に気を配りましょう。
お祭りなどは人ごみで足元を確保するのも大変です。聴覚が発達した犬を人ごみの喧騒や花火の音がやかましい場所にわざわざ連れて行かなくてもいいかもしれませんね。どうしても愛犬を連れて行くのであれば、目を離さないようにしましょう。
犬が食べてしまった時の応急処置3つ
1.どのくらい食べてしまったのかを確認する
食べてしまった!と、気づいたらどのくらいの量を、何を、食べてしまったのかを確認してみましょう。また、もし食べ残しがあれば早急に片づけましょう。
焼いただけを少量であればなら、問概ね問題はないと言われます。しかし何らかの症状が出た時に何をどのくらい食べたかを獣医師に説明できた方が早く適切な処置を行えるため、犬がいかやたこを食べてしまったことに気づいたら、どの程度食べたのか把握しましょう。
2.様子をみる
普段と変わらない様子であれば、しばらくは様子を見ます。いかやたこを少量食べたからと言って、すぐに死や重篤な状態になるわけではありません。ただし、吐いたり、下痢をしたりすることもありますので、トイレに向かう時などは注意深く見てあげましょう。
3.獣医師に相談する
いかやたこを食べたあとに、普段の様子とは違っている、苦しそう、元気がない、などの症状が出ている時は、獣医師に相談してみましょう。病院に連れていくのも良いですが、まずは電話で相談してみてもいいかもしれませんね。プロの目線から適切なアドバイスがもらえるでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。犬にとっていかやたこは、食べたらすぐに死に至る食材ではありません。しかし、なかにはアレルギーを持つ犬もおり、食べさせてから、うちの犬には合わなかったでは済まされません。また何らかの病気や症状が出てから飼い主が後悔する、なんて愛犬がとても可哀想です。
日本は島国で海辺に暮らす犬も多く、私たちも魚介類を食べる機会が多いです。しかし基本的には、いかやたこだけではなく、人間の食事は犬に与えないようにしましょう。