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  6. 夏場でも腐らないお弁当のおかずは?腐ってしまう原因と対策も紹介
2023/05/29 2023/06/19

夏場のお弁当は、気温の高さでおかずやご飯が腐りやすくなります。特に作ってから時間があく場合は、おかずの作り方や詰め方に注意しなければなりません。

本記事では、抗菌作用の調味料を活用するなど、夏場のお弁当が腐らないための対策について解説します。夏場のランチタイムでも定番のおかずを楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。

なぜ夏場はおかずが腐りやすい?

気温や湿度の高い夏場や梅雨は、おかずなどの食材が腐りやすい季節です。食中毒の原因になる菌の多くは20〜40度の気温で最も活発に繁殖しやすく、湿度の高さも繁殖に影響します。特に調理してから食べるまでの時間が長いお弁当は菌の繁殖で腐りやすくなるため、食中毒に注意が必要です。

夏場の食中毒を防ぐためには、まず食中毒の知識を身につけることが大切です。また、夏場の暑い時期でも菌を繁殖させない方法を知り、安全なお弁当を作るための工夫も欠かせません。

夏場のお弁当作りに必須!食中毒の知識

菌の増殖を防ぎ、安心してお弁当を食べるには、食中毒の知識を十分に身につけることが大切です。

ここでは、食中毒の原因などをご紹介します。

食中毒の原因

食中毒とは、食中毒を起こす原因となる細菌やウイルス、有毒な物質が付着した食べ物を食べることで腹痛や下痢、発熱などの症状が出る病気のことです。細菌による食中毒は気温が高く細菌が育ちやすい時期に増えやすく、6月から9月ごろにかけてが多くなる傾向にあります。

食中毒を起こす細菌には主にサルモネラ菌や黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌などがあり、症状の特徴や症状が出るまでの時間は細菌によりさまざまです。食中毒は命に関わる場合もあるため、十分に注意しなければなりません。

冷気が原因で食中毒が発生することも?

食中毒が起こりやすいのは、夏だけではありません。気温が高い夏に食中毒が起こりやすいのは確かですが、実は気温の低い12月に最も食中毒の発生が多いという統計が出ています

冬は気温が低いことから細菌が繁殖するイメージがなく、衛生面での注意を怠りがちになるためです。肉や魚を十分に加熱せずに食べたり、生の食材を扱ったあとに十分な手洗いをしなかったりして細菌が繁殖し、食中毒が発生します。

温度が低くても細菌が増殖することに変わりはなく、マイナス15度以下にならなければ活性が止まることはありません。ゆっくりではあるものの細菌の繁殖は進むため、不衛生にしていれば食中毒になってしまうでしょう

夏場のお弁当には避けたいおかず

夏場の時期に作るお弁当では、食中毒の雑菌が増えやすい食材を避けることが大切です。具体的には、生野菜など水分の多いもの、野菜の煮物などがあげられます。

ここでは、夏場のお弁当で注意したいおかずをご紹介します。

生もの

夏場のお弁当で避けたいおかずは、加熱しない生野菜や果物などの生ものです。果物はデザートとして必ず入れたいという方も、夏場のお弁当には避けた方がよいでしょう。これらの生ものは時間の経過とともに水分が出てくるため、食中毒の細菌が繁殖しやすい環境が作られてしまいます

たとえば、​​彩りや仕切りのためにレタスを使いたい場合、抗菌作用のあるパセリで代用しましょう。ミニトマトも夏場は避けたいところですが、切らずに丸ごと入れれば水分は出にくくなります。へたを取ってよく洗い、水分をしっかり拭き取ってから入れるようにしてください。

煮物

汁気が多い煮物も、夏場のお弁当には向いていません。水分が多いおかずは菌が繁殖する原因になります。また、煮物に多いじゃがいもなどの芋類は傷みやすい食材なので、こちらも避けるのが無難です。

煮物を入れたい場合はキッチンペーパーなどで汁気をよく切り、仕切りカップに入れるなどしてほかの食材につかないようにしてください

かつお節などと和えて汁気を吸わせるという方法もあります。残った煮汁を吸収しながら、より美味しさがアップするためおすすめです。

混ぜご飯

混ぜご飯も、夏のお弁当にはおすすめできません。いろいろな具材を使っているため水分量が多くなり、傷みやすくなります。特に、肉や魚、卵が具材になっているものは注意しましょう。チャーハンやオムライスなどは、夏場のお弁当に不向きです。

調理したご飯や混ぜご飯はお弁当にするのに便利ですが、夏の間は避けておいた方がよいでしょう。ご飯に具材を混ぜたいときは、ふりかけや海苔などを別に持参して食べるときにかけるようにしてください

半熟卵

栄養価の高い卵はお弁当の食材に人気ですが、完全に火の通っていない半熟卵は夏のお弁当には向いていません。卵には食中毒の原因になるサルモネラ属菌が付着・繁殖しやすく、半熟の状態で入れると食中毒になる可能性があります。

卵をおかずに入れたいときは、しっかり中まで火を通してから入れるようにしてください。また、卵焼きを作るときは、塩と砂糖のみの味付けをおすすめします。お弁当によく使われるだし巻き卵はだし汁が傷みやすいため、避けた方が無難です。

夏場のお弁当でも腐りにくいおかず

夏場のお弁当でも、傷みにくい食材を選んで調理を工夫することで、食中毒を防ぐことができます。たとえば、おにぎりの中に入れる具材は、殺菌作用のある梅干しにするとよいでしょう。

ここでは、夏のお弁当でも腐りにくいおかずをご紹介します。

唐揚げ

お弁当のおかずとして人気な唐揚げなどの揚げ物類は、夏場でも腐りにくいためおすすめです。高温で中までしっかりと火を通すため傷みにくく、安心して食べることができます。煮物や生野菜とは異なり、水分が出にくいのも安心理由のひとつです。

唐揚げ以外にもエビフライ、とんかつ、天ぷらなど揚げ物のレシピは豊富にあり、お弁当のおかずがマンネリになることもありません。

ただし、コロッケは傷みやすいじゃがいもを使っているため、注意が必要です。夏場のお弁当には、避けた方がよいでしょう。

濃いめに味付けしたおかず

夏場のお弁当は少し濃いめに味付けすることで、傷みにくくすることができます。塩や砂糖に防腐作用があるわけではなく、食材に含まれる水分が浸透作用によって塩・砂糖の方に流れ出るためです。食材の水分を吸収することで、食中毒の細菌が繁殖するのを抑えられます。

塩やしょうゆ、みそ、砂糖などの調味料を普段より多めに使った濃いめの味付けは、ご飯がよくすすむため、食欲がなくなりがちな夏のお弁当に向いています。夏場の塩分補給にもつながるでしょう。ただし、過剰な塩分・糖分摂取は健康に良くないため、適量を心がけてください。

汁気の少ないおかず

煮物など水分の多いおかずがNGなのとは反対に、汁気の少ないおかずは傷みにくいためおすすめです。たとえば和風のお弁当では、定番のきんぴらごぼうも夏場のお弁当に向いています。作るときは濃いめの味付けにすることで、さらに防腐効果が高まるでしょう。

きんぴらに入れる唐辛子には、カプサイシンという殺菌・防腐効果がある成分が含まれています。唐辛子をしっかり効かせることで、食欲が落ちやすい夏場の食欲増進効果も期待できるでしょう。

腐りにくい調味料を使用したおかず

唐辛子だけでなく、お酢やわさび、生姜、梅干しなどを積極的に使えば、食材を腐りにくくすることが可能です。これらの調味料には抗菌作用があり、おかずの調理に使うことで食中毒菌の繁殖を防げるとされています。

生野菜を入れたい場合は、酢を使ったピクルスやマリネにするとよいでしょう。さっぱりとしているため、食欲がなくなりがちな夏場のおかずに向いています。お弁当に入れるときは、しっかり水分を切るようにするのがポイントです。

夏場のお弁当作りにおける重要なポイント

夏場のお弁当作りでは、作り方やお弁当箱への詰め方など、腐らないために工夫したいポイントがあります。ここでは、重要なポイントを6つご紹介します。

しっかり火を通す

食中毒の原因となる細菌の多くは熱に弱いため、おかずは加熱して中までしっかり火を通すことをおすすめします。目安としては、75度以上の高温で1分以上の加熱が効果的です。

肉や魚などはもちろんですが、ハムやかまぼこ、ちくわといった加熱しないで食べられる加工食品でも必ず火を通してください。半熟にすることが多い卵も、夏場はしっかり固まるまで火を通しましょう。

レンジ調理は食材の中心から加熱されるため、夏場のお弁当作りに向いています。また、揚げ物は低温からじっくりと揚げてください。いつもより食材をやや小さめにすれば、火が通りやすくなります。

調理器具は清潔にする

食材だけでなく、調理器具にも注意が必要です。弁当箱や食器、調理器具など、食材が触れるものはよく洗ってから使用するようにしましょう。まな板や包丁は、口に入っても安全なタイプのアルコールスプレーで除菌をすることをおすすめします。まな板は2枚用意して、野菜とお肉で使い分けると衛生的にも安心です。

また、おかずを詰めるときは素手で行わず、菜箸を使用してください。おにぎりを握るときはラップを使いましょう。

調理を始める前に手を洗うのはもちろん、調理の途中もこまめに洗って清潔を保つようにしてください

冷めてから弁当箱に詰める

お弁当のご飯やおかずは、しっかり冷ましてから弁当箱に詰めましょう。十分に冷まさずに詰めると蒸気がこもって水滴がつき、食中毒の原因になる細菌が繁殖しやすい環境になります。お弁当作りの時間は調理とともに冷ます時間も計算に入れ、十分に冷ましてから詰めることが大切です。

また、煮物などのおかずは、しっかり水気を切ってから入れるようにしましょう。おかずを詰める際は、使い捨てカップ・仕切りを活用するのもおすすめです。使い捨てカップなどは、抗菌作用のある商品も販売されています。

詰める前の弁当箱は容器とフタをよく洗い、最後に熱湯をかけて消毒しておくようにしましょう。

保存容器内の温度を管理する

お弁当の持ち運びに使う保存容器の温度にも注意しましょう。食中毒菌は25度を超えると繁殖しやすくなり、10度以下であれば抑えられると言われています。職場に冷蔵庫がある場合は、出勤後に入れておくようにしましょう。冷蔵庫がない場合は、できるだけ涼しい場所に保管するのがポイントです。

持ち歩くときは保冷バッグに入れるか、保冷剤を入れておけば安心です。保冷剤は水分が出てくるため、タオルなどで包んで入れるようにしましょう。

作り置きのおかずはなるべく使わない

作り置きのおかずはできるだけ使わず、詰める直前に作るようにしましょう。当日にお弁当を調理する時間がなく作り置きしたい場合は、必ずレンジなどで再加熱して、中心まで火を通すようにしてください。

作り置きのおかずは、お酢など抗菌作用のある調味料を使ったり、濃いめの味付けにしたりするなど、傷みを防ぐ調理をしておくことも大切です。

お弁当を食べる場所に電子レンジがあれば、食べる前に加熱することをおすすめします。その際は、電子レンジに対応する弁当箱を使うようにしてください。

夏に最適な弁当箱をチョイスする

弁当箱も夏場に向いているタイプを選びましょう。菌の繁殖を抑えやすいのは、主に以下のタイプです。

  • ステンレスやアルミ製の弁当箱
  • 保冷剤と一体型の弁当箱
  • まげわっぱ

ステンレスやアルミ製の弁当箱は熱伝導性が高く、保冷剤と一緒に包むことで保冷効果が高まります。傷もつきにくいため細菌が傷に入り込む心配がなく、衛生的に使えるのもメリットです。

保冷剤と一体型の弁当箱には、フタに保冷機能がついているタイプと、フタに保冷剤をセットするタイプがあります。また、まげわっぱの弁当箱は天然の木材が水分を調節するため、細菌の繁殖を抑えることができます

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今回の記事では、夏場のお弁当でも腐りづらいおかずや食中毒を避ける方法をご紹介しました。雑菌が繁殖しやすい夏の時期には、お弁当の食材や調理方法に注意する必要があります。安心安全に食事をするためにも、調理が不安な方はプロに相談してみるのがおすすめです。

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