03/27/2017

【プロ直伝】水泳の消費カロリーは?METsによる計算方法も

年度の終わりを迎えるにあたってお仕事、学業の総決算をされている方も多いのではないでしょうか?忙しいからと言って、ここで運動をやめたらもったいないですよね。

ダイエットやシェイプアップのためには、効果を実感できるまで少しずつでも継続していくことが大切です。ここでは水泳のカロリー計算に関して、水泳のプロとして活躍している身としてご紹介していきたいと思います。

カロリー計算時の注意点

1.体重や泳ぐ時間によって変わる

Survivor / Pixabay

まずは、カロリー消費を考える上で外すことができないのが『METs(メッツ)』という単位です。では、そのMETsとはなんでしょうか?

METsとは、運動強度の単位で、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの。 – weblio辞書

では、このMETsの指標を利用して消費カロリー求めるとすると以下のようになります。

消費カロリー(kcal)=METs×運動する時間(時間)×体重(kg)×1.05

例えば、体重60kgの人が水中ウォーキング(METs:4.5)を30分間行った時の消費カロリーは

4.5(METs)×0.5(時間)×60(kg)×1.05=141.75(kcal)

となります。約150kcalですね。つまり、消費カロリーは体重や時間に大きく影響を受けます。

ちなみに約150kcalは白ご飯でお茶碗の3/4、カップラーメンなら2/3程度のカロリーです。

2.水泳は有酸素運動、新陳代謝をあげるなら無酸素運動

swimming1

ご存知の通り、水中での適度な運動は有酸素運動がメインになります。呼吸から取り入れた酸素を使って体内の脂肪を燃焼させエネルギーとしていきます。

これに対して、無酸素運動は体内=筋肉中に蓄えられているタンパク質をエネルギーにして体を動かすことを言います。この運動により成長ホルモンが分泌されると言われ、筋肉の成長には欠かせません。また、大きな筋肉は代謝を高めてくれるので体脂肪燃焼効果もあるし、美容の世界では若返りホルモンとも呼ばれていていて、肌をきれいにしてくれたり髪に艶をだしてくれたりという効果もあります。

ただ、全ての運動がこの成長ホルモンの分泌に効果的というわけではありません。筋トレをすることによって血中に乳酸が溜まったのをサインとして、脳から成長ホルモンが分泌され、主にその成長ホルモンの作用により体脂肪を燃やしていくのが無酸素運動。

それに対して呼吸することにより酸素を取り入れ、脂肪を直接エネルギーとして燃やしていくのが有酸運動です。これだけで比べると、単純に体脂肪を燃やしたければ有酸素運動だけでいいのではと考えてしまいますが、元々筋肉量が少ない人は、有酸素運動をピタリとやめたときにまたそこから元に戻ってしまいます。

これは有酸素運動だけでは筋肉が発達しにくいため、筋肉が発達しないということは基礎代謝量も増えないからことが原因です。

逆に無酸素運動だけでは筋肉は成長して、成長ホルモンが出て代謝もUPしますが無酸素運動自体は、直接体脂肪を燃やす運動ではないので、これだけでは体脂肪を減らしていくのに時間がかかるし不十分だったりします。

つまり、カロリー消費に効果的であろう運動方法は筋トレ→有酸素運動(水泳等)と言えます。

泳ぎ方別に見る1時間あたりのカロリー消費量

前述した通り、体重によって異なってくるのがカロリー消費です。ここでは、標準体型の方を想定して体重を60kgで計算します。

また、なかなか1時間泳ぎ続けるのは難しいかとは思いますが1つの目安にしていただき消費量をコントロールしてみてください。

1.クロール

Swimmer Triathlete

METs⇒8.0(ゆっくり 25mを33.3秒)と 11.0(速く25mを21.4秒)で計算します。

ゆっくり…8.0(METs)×1(時間)×60(kg)×1.05=504(kcal)

速く…11.0(METs)×1(時間)×60(kg)×1.05=693(kcal)

ちなみに逆算して、クロールで693kcal消費するためには、1時間で約4200m(!)泳ぐことが必要なようです。

2.平泳ぎ

Survivor / Pixabay

METs⇒10.0

10.0(METs)×1(時間)×60(kg)×1.05=630(kcal)

クロールで速く泳ぐよりは1時間泳ぎ続けるとなると平泳ぎの方が現実的ですね

3.背泳ぎ

skeeze / Pixabay

METs⇒7.0

7.0(METs)×1(時間)×60(kg)×1.05=441(kcal)

やはり、上向きで泳ぐ分呼吸がしやすいととらえられるのでしょう。強度は低めで算出されます。苦手な方が多いようですが…

4.バタフライ

Butterfly stroke swimming style

METs⇒11.0

11.0(METs)×1(時間)×60(kg)×1.05=693(kcal)

なんと、このMETsを指標に運動強度を調べると速く泳ぐクロールとバタフライは同程度の負荷ということになるようです。1時間、バタフライ泳ぎ続けるなんて到底考えられませんよね。

5.水中ウォーキング

kathrina5 / Pixabay

METs⇒4.5

4.5(METs)×1(時間)×60(kg)×1.05=283.5(kcal)

運動を続ける、という意味では最も現実的ではないでしょうか。1時間くらいプールを何往復も歩かれている方を探すのはそれほど難しくないですよね。

最後に

今回は消費カロリーのお話でした。体温より低い水中での運動は、それだけでカロリー消費を上げてくれます。また、水泳の技術によっても消費量に大きく影響するでしょう。(楽に上手く泳げる=効率的、カロリー消費しにくい)

某有名司会者のAさんは「俺には時間がないから、下手な泳ぎでとにかく消費カロリーを上げたいんだ」との考えでインストラクターのレッスンの誘いを断ったそうです。

泳ぐなら優雅にスムーズに、なんて思わなくても「消費カロリーを高めているんだ」と考えれば、プールに行くハードルも下がるのではないでしょうか。

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