09/04/2017

授乳中の食事・食材20選【栄養士が執筆 / レシピも紹介】

母乳育児赤ちゃんの心に栄養を与えるだけでなく、ママにとっても産後の体重管理や子宮の回復などの効果があります。そんな母乳をよりおいしく、赤ちゃんにたくさん飲んでもらうためにはママの食事が大切です。美味しく食べて母乳育児を楽しみましょう!

母乳で育児する?粉ミルク?母乳を乳児に与えるメリット

1.赤ちゃんの免疫力UP

母乳はお母さんの血液から作られており、免疫を赤ちゃんに受け渡す大切な機能があります。授乳中 食事 母乳 食べ物 赤ちゃん ミルク ケータリング クッキング教室 ゼヒトモ zehitomo

出産から2 – 3日の間に出始める母乳を初乳(しょにゅう)といいます。初乳には無菌状態の子宮から生まれてきた乳児を守るため、特に免疫グロブリンAと呼ばれる免疫物質が多量に含まれています。よく「母乳で育てた赤ちゃんは丈夫だ」 と言われますが、この初乳の働きが大きいと考えられているのです。

仮にミルクで育てる状況になったとしても、初乳を飲んでいた場合と最初からミルクのみの場合では違ってくることになりますから、初乳だけでも飲ませてあげたいものです。

2.栄養が大変優れている

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母乳には様々な栄養が含まれています。まずカルシウム・リン・マグネシウムや鉄分が豊富に含まれています。

母乳に含まれる成分で1番多い物が、ホエイと呼ばれるたんぱく質を含んだ良質な水分です。次に多いのが乳糖と呼ばれる炭水化物です。乳糖はカルシウムの吸収も助けてくれます。

また母乳に含まれる成分は乳児の成長に合わせ少しずつ変化をしていきます。赤ちゃんにとって母乳は、栄養素のばらつきや不足が少なく、完全栄養食品なのです。ママが赤ちゃんの為に健康的な食生活を心掛ければ、赤ちゃんも母乳を介して毎日健康的な食生活を送っていることになります。

3.母乳育児は産後ダイエットになる

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妊娠中にお母さんの体脂肪が増えるのは「産後の授乳に備えるため」と言われています。そのため授乳をすることで体がどんどん元に戻ろうとし妊娠中に溜め込んだカロリーを消費することができます。

完全母乳の場合は、700kcal/日のカロリーが消費され、これは水泳だと約1時間分の消費エネルギーに相当します。妊娠前でもなかなか消費できないカロリー量ですよね。妊娠中で少し体重が増えてしまった人でも、授乳をすることで体重調節が可能です。

粉ミルクで育児をすることのメリット

1.ママのストレス軽減

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母乳が思うように出ないとストレスが溜まりやすくなってしまいがちです。ミルクで育てると、母乳が出ないと悩んでさらに母乳の出が悪くなってしまう、という悪循環を繰り返しません。

母乳育児に比べると母親の食べ物や飲み物の影響が少ないためあまり厳しく食事制限をする必要がなく、精神的な負担も軽くなります。またママ以外の人でも授乳が行えるため、おばあちゃんやパパにミルクをお願いすればママは休むことができます。

2.ビタミンDが摂取できる

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ビタミンDとはミネラルの代謝や骨の成形に関係しているビタミンで、母乳にあまり含まれていないビタミンDが粉ミルクには含まれています。そのため不足すると起こる可能性のある骨の変形や成長不全の『くる病』の心配が軽減されます。

ビタミンD欠乏症は栄養状態が悪かった時代に多く見られていた病気で、近年日本においてあまり見られなくなりました。ですが母乳育児の赤ちゃんはどうしても不足しがちなので、ママが日光浴を行いビタミンDの形成を促したり、豊富に含む卵黄や魚を積極的に摂るようにしましょう。

3.赤ちゃんの摂取量が一目瞭然

ミルクを赤ちゃんに与えるときに哺乳瓶を使うため、目盛りを見ると赤ちゃんが飲んだ量が正確にわかります。母乳は赤ちゃんが飲んでいるように見えても体重が増えていなかったり、実は母乳の出が悪かったということもあります。またミルクは月齢により目安量が書いてあるので、参考にしながら与えられます。

授乳中に摂取したい食材一覧!食材とレシピ20選

1.白米

栄養素

母乳の主成分であり、体のエネルギーとなる炭水化物です。炭水化物が不足してしまうと、ママが低血糖になる恐れもあるので、毎食白米を1膳は食べるようにしましょう。

おにぎり茶漬け(1人分)

好きなおにぎり1個、A(本だし小1・醤油小2・塩小1/2・水300ml)、ネギや胡麻、わさびやのりなどお好みで

①Aを小鍋にいれ煮立たせる。

②おにぎりをレンジでチンしお椀にいれ、①をかけお好みでネギなどをトッピングして完成。

2.レバー

栄養素

母乳はお母さんの血液から出来ています。そのため授乳の度に血液が奪われるので、鉄分は書かせない栄養素です。そこで鉄分が豊富に含まれているレバーがおすすめ。中でも豚のレバーは100g中13mgと含有量が非常に高いので、積極的に摂りたい食材です。。

(日本人の食事摂取基準2015年版の鉄分の耐容上限量は女性で40mgになります。)

レバーの甘辛煮(2人分)

豚レバー250g・A(酒大5・砂糖大2・みりん大2・しょうゆ大2・しょうが1かけ)

①レバーは半分に切り血を洗い、冷水に20分つけておく。その後洗い流す。

②沸騰したお湯に①を入れ2分ほど茹で臭みを消す。

③Aを別の鍋にいれ煮立ったら②を入れ、中火で8 – 10分煮る。

3.あさり

栄養素

あさりはカルシウムやカリウム、亜鉛、鉄などミネラルが豊富に含まれています。またビタミンB12の含有量が貝類の中で最も多く、これは不足してしまうと悪性貧血や慢性疲労などが起こります。

あさりとキャベツのレンジ蒸し(2人分)

あさり200g・キャベツ3枚・パプリカ1/2個・酒大2・バター5g

①アサリは塩水に付け砂をしっかりはかせる。キャベツは洗って一口大にちぎる。パプリカは2cm角に切る。

②大きめの耐熱皿にキャベツ・パプリカ・アサリの順に置き、酒を回しかけバターを中心に置く。

③ふんわりとラップをかけ700wで7分レンジでチンしあさりが開いたら完成。

4.ほうれん草

栄養素

ほうれん草は豊富な鉄分を含んでいることで知られています。鉄分は赤血球を作る材料となり、貧血の予防や改善に効果的です。また多くの血液から母乳を作り出さないといけないママにとって大切なビタミンです。ただしほうれん草にはアクの正体であるシュウ酸が含まれているので、サッと茹でてから食べるようにしましょう。

ほうれん草の胡麻和え(2人分)

ほうれん草1/2束・A(すりごま大3・砂糖小1・みりん小1・醤油小1・本だし小1/2)

①沸騰したお湯にほうれん草はを入れサッと茹で、あら熱をとり食べやすい大きさに切る。

②Aを合わせておく。

③ほうれん草と②を和えたら完成。

5.卵

栄養素

卵には体に必要不可欠で食事からとらなければならない必須アミノ酸がバランスよく含まれており、私たちの免疫力をアップしてくれます。また良質なタンパク質も含まれています。

和風オムレツ(1人分)

卵2個・ツナ1缶・玉ねぎ1/4・大葉3枚・A(醤油小1・本だし小1)・サラダ油小1

①玉ねぎは薄切り、大葉は千切りにしておく。

②ボールに卵を割り入れ、ツナ缶・大葉・Aを加えておく。

③熱したフライパンに油を入れ玉ねぎを炒める。しんなりしたら②を入れ手早くかき混ぜる。

④全体的に固まってきたらオムレツ型に整え完成。

6.鱈(タラ)

栄養素

母乳育児の1番のトラブルは乳腺炎で、40度近い高熱が出て乳首に痛みが生じる病気です。母乳は血液からできているため高カロリー・高脂肪の食事をするとドロドロの粘った母乳になり乳腺の詰まりが生じ、結果乳腺炎になってしまいがちです。そこでおすすめなのが鱈です。鱈は脂肪分が少なく良質なタンパク質が含まれ、母乳育児には最適です。

鱈のホイル焼き(2人分)

たら2切れ・玉ねぎ1/2個・人参3cm・えのき1/2袋・A(酒大2・味噌小1・醤油小1)

①玉ねぎは薄切り、人参は短冊、えのきは3cm幅に切っておく。Aは合わせておく。

②アルミホイルに鱈を置き、野菜を上にのせAを振りかける。

③ホイルを上から被せ4辺を閉じフライパンにのせ蓋をして弱火で10分 – 15分蒸し完成。

7.納豆

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栄養

納豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンによく似た働きがあります。発酵食品で植物性乳酸菌なども含まれており、ご飯と一緒に食べたらバランスよく栄養補給ができます。

納豆キャベツ

納豆1パック・キャベツ50g・刻みのりやねぎ

①キャベツは千切りにする。

②タレを混ぜた納豆を乗せ、ネギやのりなどお好みでトッピングする。

8.ささみ

栄養素

母乳を与える上で肉のタンパク質は大切ですが、脂は控えめにしたいです。そこで優秀なのがささみです。高タンパク・低脂質で大変おすすめです。

ささみときゅうりの梅肉和え

ささみ3本・キュウリ1本・梅干し3個・醤油小1・ごま油少々・炒りごま少々

①ささみは筋を取り茹で、冷ましてから食べやすい大きさに裂く。きゅうりは千切りにする。

②梅干しは種を取って細かくし、①と和え醤油とごま油で味を整え完成。

9.わかめ

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栄養素

食物繊維とミネラルが豊富なわかめ。カルシウムも豊富で母乳分泌で失われがちなカルシウムを補うことができます。

わかめスープ

乾燥わかめ大1・長ネギ4cm・水500ml・A(鶏ガラスープ大1・醤油小1・こしょう適量・ごま油小1・いりごま適量)

①お湯を沸かしわかめ・長ネギを入れる。

②わかめが戻ったらAを入れ完成。

10.ひじき

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栄養素

ひじきはカルシウムや鉄分が豊富に含まれています。母乳には鉄分が大切なので、アレンジしながら毎日摂取していきましょう。

ヒジキとほうれん草の鉄分サラダ

乾燥ヒジキ大1・ほうれん草1/2袋・ツナ1缶・A(マヨネーズ大2・醤油小1・白すりごま小1・砂糖小1)

①ほうれん草はサッと茹で4cm幅に切る。ヒジキは水に戻す。ツナ缶は水分を切っておく。

②Aをよく混ぜ、①と和えて完成。

11.人参

栄養素

人参には豊富なカロチン、ビタミンA、カリウム、食物繊維が豊富に含まれており、抗酸化作用が強く、免疫を高める効果が期待されています。

人参とパプリカのポタージュ

人参1本・パプリカ1/2個・豆乳200ml・水150ml・コンソメ1個・塩こしょう少々・サラダ油適量

①人参とパプリカは千切りにし、水とコンソメを入れ鍋で柔らかくなるまで煮る。

②①をミキサーにかけ、豆乳を加え弱火で温め、塩こしょうで味を整え完成。

12.じゃがいも

栄養素

じゃがいもはビタミンC、葉酸、カリウムなどの栄養素が含まれています。ただし炭水化物が多い食材なので、食べ過ぎないようにしましょう。

じゃがいもきんぴら

じゃがいも中1個・人参1本・ごま大1・ごま油小1・A(酒大1・醤油小2・みりん小1・砂糖小1)

①じゃがいもは拍子切り、人参は千切りにする。

②フライパンにごま油を熱し①を炒め、じゃがいもが透き通ってきたらAを入れ水分を飛ばす。

③火を止めごまを絡めたら完成。

13.しょうが

栄養素

生姜は血の巡りを良くしを体を温める効果があります。また強い殺菌作用もあるため、風邪をひけないママは積極的にとりたい食材です。

タマネギと生姜のスープ

玉ねぎ小1個・生姜10g・コンソメ2個・水600ml・塩こしょう少々・サラダ油適量

①玉ねぎは薄切り、生姜は千切りにする。

②鍋に油を行き、①を入れひんなりするまで弱火で炒める。

③水・コンソメを加え15分煮込み、塩こしょうで味を整えたら完成。

14.さつまいも

栄養素

さつまいもは糖質が多めであまり食べないママも多いかもしれませんが、実はビタミンCやカルシウム、また食物繊維が豊富に含まれている優秀な食材です。便秘気味なママにはおやつなどに食べてもらいたいですね。

サツマイモの甘辛炒め

さつまいも小さめ1本・A(砂糖小1・醤油小1・みりん小1)・白いりごま適量

①サツマイモは一口大にカットし6分ほど茹でる。

②小鍋にAを入れ煮立たせ、①を加え馴染ませ火を止める。

③白いりごまをまぶし完成。

15.ルイボスティー

栄養素

ルイボスティーにはカルシウム、マグネシウムなどの豊富なミネラルが含まれています。そのため母乳の質(ミネラル分)を高めてくれます。またノンカフェインなので、赤ちゃんの体にカフェインが入らないので安心して飲めます。

ルイボスハニーミルクティー

ルイボス茶葉1パック・牛乳200ml・はちみつ大1

①牛乳の中に茶葉を入れ煮立たせる。沸騰させないように注意。

②はちみつをカップにいれ、①をそそぎよく混ぜる。

最後に

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赤ちゃんを育てるママにとって、母乳は大きな問題です。悩むことや苦しくなる時があるかもしれませんが、それは一生懸命に育児をしている証です。ママも赤ちゃんも毎日を楽しく過ごせるよう、健康的な食生活を心がけましょう。

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