言葉を話せない犬が尻尾で感情を表現することは、よく知られています。しかし犬は耳でも、その状態を教えてくれます。よく見ていると、耳をピンと立てたり、ペタッと頭の後ろの寝かせてしまったり。これらの耳の状態は、犬のどんな気持ちを伝えているのでしょうか?
(参考元情報:ユーミー動物病院、もとらスマイル動物病院、直井動物病院、2017年4月現時点情報。医療に関する判断は必ず専門の医師の判断を仰ぐようにしてください。)
1.健康な犬の耳はこんな状態

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犬の聴力は人間の3倍とも言われ、自然界の危険をいち早く察知する大切な危機管理能力のひとつです。その愛犬の耳、抱っこした時に「あれ、ちょっと臭い」と感じたことありますか?健康な犬の耳は、匂いもなく薄いピンク色をしてさらさらした毛に覆われています。
もし犬の耳にネットリした耳垢や悪臭、赤く炎症を起こしたような様子が見られたら要注意です。外耳炎や内耳炎の可能性もありますので、早めに獣医さんに診てもらってください。
2.健康な耳を保つための耳掃除のポイント4つ
ポイント1:耳掃除をする

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人間も耳掃除は不要と言われるように、犬も基本的に耳垢は自浄作用で排出されます。しかしこれも、犬種によって微妙に違います。柴犬やチワワなどのように耳が立っている犬種は、ブルブルッと体を震わせることによって耳垢を飛ばし、蒸れ・汚れなど付きにくくなっています。
しかしトイプードルやラブラドールのように耳が垂れた犬種は、耳が蓋され蒸れやすいため、たまにお手入れしてあげた方が良いでしょう。ただしやり過ぎは禁物。耳はとてもデリケートな部分なので、10日~2週間に一度くらいで十分です。
ポイント2:耳掃除で使うもの

通常であれば異物は自然と内耳から外に押し出されてきます。そのためベビーオイルを浸した脱脂綿や、イアークリーナーを染み込ませたウェットシートなどで、軽く耳を拭いてあげるだけで十分です。
インターネット情報では、綿棒を使った手入れが紹介されたりしていますが、獣医さんに寄っては綿棒は禁物とおっしゃいます。素人が綿棒で犬の耳の中まで掃除してしまうことは、かなり危険を伴います。綿棒を犬の耳に入れているタイミングで犬が嫌がって動いてしまったら、内耳を傷つけたり、耳垢を内部に押し込んでしまう可能性もあるのです。怖いですね。
ポイント3:耳掃除のコツ

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通常犬はデリケートな耳をいじられることを嫌がります。犬の耳をお掃除するときは、犬を抱っこして安心させてあげてください。そして話しかけながら、耳を撫でるように優しく拭いてあげてください。決して無理にしてはいけません。リラックスして気持ち良いと感じるように、お掃除してあげてください。1人で抱っこして耳掃除をして、という動きが難しければ、複数人で遊ぶようし、しかし危なくないように固定しながら行うよやりやすいです。
ポイント4:動物病院でしてもらう

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動物病院で耳洗浄をお願いすると、点耳薬も含めて平均3,500円くらいです。点耳薬は3か月に一度の購入で良いので、それほど高いものでもありません。犬を飼っている方であれば、愛犬の掛かりつけ病院があると思います。もし定期的に耳掃除が必要だと思われるのであれば、普段は耳の周囲をウェットシートで軽く拭くなどに留め、耳掃除はお医者様にお任せしてはいかがでしょう?
3.犬は耳に触られるとどんな気持ちになるのか

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耳は犬にとって急所とも言える大切な場所。そこを触られるのは怖いことなのです。普通の犬であれば、なかなか触らせてくれません。人間でも、急所を触られるのは怖いし逃げたくなりますよね。無理強いすれば、耳掃除自体がトラウマになってしまい、道具を見ただけで恐怖を感じてしまうかもしれません。どうしても耳掃除をしたいのなら、耳掃除をしたら良いことがあるというように、ご褒美を与えてみるというのも良いかもしれませんね。
4.見ていて飽きない!犬の耳の動き
嬉しい、楽しい、喜んでいる

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犬は嬉しい時や楽しい時、耳がリラックスしたように自然な動きになります。頭を撫でられると「気持ちいいよ~」というように、耳をペタッと頭の後ろに寝かせる姿、見たことありますよね。また公園などで遊んでいる時も、耳を自然と斜めに立たせていたりします。
悲しい、落ち込んでいる、心配している

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悪戯をして飼い主に叱られた時、耳を力なく垂らし、なんとも情けない表情をします。これは不安や悲しい気持ちを表しています。「怒らないで」というように、耳を斜め後ろに寝かせて服従を表したりもします。犬の耳はいろんな表情をしますが、大きく分けて耳が前を向いている時は気持ちも前向き、下を向いている時は不安や悲しみを表していると言われます。
怒っている、威嚇している

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警戒したり威嚇する時、犬は耳をピンと立たせて緊張を表します。大きな物音がした時など「ん?何か音がしたぞ」というように耳をピーンと立てている姿、見たことありますよね。それが大好きな飼い主が帰ってきた音だったり、仲良しの犬の声だったりすると、耳を安心したよう後ろに寝かせ喜びを表現したりします。しかし不審な物音と感じた時は、更に耳をピンと立てて警戒するように、キョロキョロ周りを見渡したりしています。
最後に

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犬の耳は不安や喜びによって、様々な表情を見せてくれます。一概に耳だけで感情を判断することは難しいですが、大切な愛犬であれば喜ぶ時どんな耳になるか観察していれば自然と理解できるようになります。犬にとって耳は、周りの気配を感じる大切な器官です。
耳のお手入れは無理をせず慎重に行ってください。やり方がわからない、どうしても嫌がる、どうしても触らせてくれない、そういった時は動物病院で獣医師に相談したり、トリマーやペットシッターに相談すると犬とのうまい付き合い方を教えてくれるかもしれません。