なかなか寝付けないときにホットミルクを飲むと、身体が温まりゆっくりと寝付くことができますね。個人的にはミルクココアが大好きです。銭湯に行ったときには、牛乳やコーヒー牛乳がとても美味しく感じます。
私たち人間には良くても、犬にはなぜ飲ませない方が良いとされているのでしょうか?今回は犬×牛乳についてご紹介します。
(参照元情報:まな動物病院、有限会社日本ペエツグループ、よこやま動物病院、しらかば動物病院、つづき動物病院、松戸うがた動物病院、カナザワ動物病院、2017年5月現時点情報。医療に関する判断は必ず専門の医師の判断を仰ぐようにしてください。)
牛乳の栄養素

1.たんぱく質(カゼイン)・脂質・炭水化物(乳糖)
これらは3大栄養素といわれています。生命活動するための欠かせないエネルギー源であり、必須アミノ酸が含まれ、消化吸収性が高くなります。
細胞膜やホルモンの大切な構成要素を持ち、ビタミン吸収を高める作用や、カルシウム、鉄分の吸収を助け、カロリー源となります。整腸作用により便秘が改善され、疲労回復や、免疫力を向上させ血圧も安定します。
2.ミネラル・ビタミン
身体の機能を調整する栄養素です。血液や細胞液の量を調整し、骨や歯などを丈夫に保ちます。ビタミンA、B群、ナイアシン、葉酸、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKも含まれています。皮膚や粘膜の細胞を正常に保持する機能があり、活性酵素の働きを抑えるため、美容にも良いですよ。
3.カルシウム
リン、マグネシウムと同じように歯、骨などを丈夫に保ちます。ホルモンの分泌を促し、神経伝達機能があるので、精神を安定させる作用もあります。
犬は牛乳を飲んでもいいの?

犬に牛乳を飲ませないで!
牛乳には乳糖(別名:ラクトース)が含まれていて、母乳以外では摂取することができない甘味成分が含まれていて、この成分を体内でうまく消化できる仕組みが、体内の消化酵素であるラクターゼです。
赤ちゃんのときの犬は、母犬から母乳を飲み大きくなります。子犬は体内にラクターゼがたくさん存在しており、母乳もきちんと消化することができます。ただしだんだんと成長して大きくなると、このラクターゼが減ってきます。そうなると、体内で乳糖をうまく消化することが出来なくなるのです。犬の母乳に含まれている乳糖は、3.1%に対し、人間の牛乳は、5.0%と多く含まれているため、犬が牛乳を飲むと体に不調が起こるのです。
なぜ食べてはいけないの?食べることによる理由とデメリット

1.乳糖不耐症
私は冷たい牛乳を一気に飲むと、お腹が痛くなりゴロゴロしてトイレに駆け込んでしまいます。このような症状を、乳糖不耐症といいます。乳糖を分解できずに小腸にとどまってしまうため、人間と同様に、犬も下痢をしてしまうのです。
2.牛乳アレルギー
妊娠をしている犬に飲ませると、お腹にいる赤ちゃんにアレルギー反応が起きてしまいます。太っている犬にも、カロリーが高いため、コレステロール値が上がってしまいます。
皮膚を痒がったり、血便や震え、嘔吐、痙攣をおこす可能性もあります。
致死量や中毒量は?
カルシウムとシュウ酸などの成分が結石を作ることによって、尿結石になってしまいます。肝不全や、膀胱炎、脱毛やヘルニアになってしまったり、重症な場合は死に至る可能性が高まります。
獣医師によっては「下痢をしないのであればあげてもいい」というように、「あげたら死ぬ!絶対にダメ!というわけではない」という意見もあります。しかし「人間用の牛乳を飲むと下痢をするかもしれない」「下痢をして苦しむ、かわいそうな様子を見ることになるかもしれない」のであれば、人間用の牛乳は与えずに最初から犬用の牛乳を与えてあげたほうが、愛犬の健康にはいいのではないでしょうか?
こんなところに含まれている!主な3つ
1.牛乳

パン食の人は、食パンと牛乳、目玉焼きに、ソーセージ、サラダなどの献立で朝食を食べますよね。飲料用としては、お茶よりもパンには牛乳が合うので、毎日の食卓に上がるのではないでしょうか?
2.家でお菓子やパンケーキを作るときに

クッキーやパンケーキを作ることも好きです。牛乳が欠かせないですよね。料理中に腕がぶつかり、あわや牛乳パックを落としてこぼしてしまうことがありました。
犬は「今だ!」と言わんばかりに飛んでくるのです。ペチャペチャと美味しそうに舐めている姿を思い出しました。
3.スムージーやプロテイン

牛乳と凍らせたバナナ、リンゴ、きな粉、フルーツグラノーラなどをジューサーに入れて、スムージーを飲むことが多いのですが、ごはんを作れない忙しい日には栄養たっぷりで、持って来いです。とっても美味しいので、犬の水代わりに少し舐めさせてあげようかなと思ったことは何度もありました。筋トレをするときに飲むプロテインを、水で飲まず牛乳で飲む人も多いかと思います。犬はいつでも見ていますよ。可愛い視線に負けないでください。
犬が食べてしまった時の応急処置
下痢を起こしている時は水分補給をしてあげる

下痢の症状が多く見られるのをそのままにしておくと、脱水症状を引き起こす可能性があります。水分がどんどん失われていくので、その分きちんと補給をしてあげなければいけません。
犬用の下痢止めの薬を飲ませる

人間には下痢止めの薬がいろいろありますが、犬用の下痢止めの薬も売られているのです。殺菌作用があり、細菌の増殖を抑える働きや、胃の炎症を抑える働き、腸のぜん動運動を穏やかにする作用があります。
動物病院に連れて行く

あきらかに、体調がぐったりしていたり、いつもと違う様子をしているときは迷わず、動物病院で専門家に診てもらいましょう。
最後に

犬は飼い主が食べているもの、飲んでいる物はいつもうらめしそうに見つめています。「飲みたいワン」と上目づかいで見つめられると、可愛くて何でもあげちゃうのもダメなんです。
赤ちゃんのころから牛乳を与えている場合は大丈夫な場合もありますが、個体差がありますので過信は禁物ですよ。
ヨーグルトやチーズは製造段階の過程で、乳糖が分解されているために下痢は起こす心配はありません。犬に与える場合は牛乳ではなく、ヨーグルトやチーズにしましょうね。