大切な飼い犬が風邪をひくと心配ですよね。犬の風邪症状から原因、またどのように対策したらいいのか、詳しく紹介します。犬の風邪について理解を深めて、大切な飼い犬には毎日健康でいてもらいましょう。
(参照元情報:公益財団法人 日本獣医学会、一般財団法人 J-HANBS、マスダ動物病院、2017年4月現時点情報。医療に関する判断は必ず専門の医師の判断を仰ぐようにしてください。)
これは風邪?犬の風邪の症状

1.嘔吐
「犬はよく吐くものだから」という認識でいてしまうと、いつものことだと気付かず風邪の症状を見逃してしまう場合が多々あります。風邪のウイルスが体内に侵入して嘔吐している可能性があります。普段と変わった食べ物を与えていないのに嘔吐を繰り返している時は、風邪の症状と捉えてください。
2.震え
犬が震える原因には様々なものがあります。よくある原因は寒さですが、寒さが高じて風邪をひいていることも。室温を適温に保っている、犬用の服を着せているなどきちんと暖かくしていても震えが続いている時は、風邪を疑ってみてください。
3.咳
人間と同じく犬も体内にウイルスなどの異物が入ってくると、咳やくしゃみをして体外に排出しようとします。室内を定期的に掃除してハウスダストを取り除き埃っぽくもないのに咳を繰り返しているときは、風邪をひいていると考えるのが自然です。特に「ケッケッ」と言った乾いた咳は、風邪を疑いましょう。
4.鼻水
犬の鼻水が垂れるほど出ていたり、連日くしゃみをして鼻水を飛ばすような様子が見られるときは気をつけてください。風邪をひいているかもしれません。犬の鼻水が黄色かったり、ベタベタしたりという症状も風邪の際に見られます。通常時から犬の鼻は濡れており少しずつ鼻水も出ていますので、毎日の鼻水の変化を健康のバロメーターとして観察してあげるとよいでしょう。
5.発熱
犬も熱が出ると、人間と同じように元気がなくなるものです。発熱していると急に動きが鈍くなったり、いつもは欲しがるおやつをまったく欲しがらなくなったり、行動が変わってきます。行動に変化が見られる時には念のため検温をしましょう。発熱が見られると風邪の可能性があります。
犬の風邪における5つの原因

1.他の犬からの感染
お散歩中やドッグランなど、あらゆる場面で他の犬と接触することがあります。他の犬が風邪をひいている場合、自分の犬にも感染する可能性があります。逆もあり、自分の犬が風邪をひいていると、他の犬にうつしてしまうこともあるので注意しましょう。
2.室内ウイルス
室内の換気が行われない状態が長く続けば、ウイルスが室内に滞留することになります。風邪の原因となる病原体は飛沫感染と呼ばれるくしゃみなどで空中にばらまかれ、その病原体を吸い込むことで広がります。定期的な換気を行わないと病原体を室外に追い出せず、風邪をひいてしまうこともあるのです。
3.気管への負担
呼吸器が弱っていると風邪をひきやすくなります。もともと呼吸器の弱い犬だけでなく、お散歩の時に引っ張り癖がある犬にも要注意です。首輪で首が圧迫され、気管に負担がかかるのです。また無駄吠えなども気管への負担になります。しつけを心掛けましょう。
4.温度変化よる免疫力低下
犬も人間と同じで、急激な温度変化でストレスを感じます。ストレスを感じると免疫力が低下し、風邪をひいてしまうことがあるのです。外が寒い時のお散歩が終わり暖房の効いている部屋に入る、夏のお散歩が終わり冷房の効いている部屋に戻るといった状況は温度差が大きいので、室温調整をしてあげましょう。
5.空気の乾燥
どうしても冬は空気が乾燥しており、ウイルスに感染しやすくなります。空気が乾燥すると呼吸器系の粘膜が弱ってしまい、風邪などのウイルスが体内に侵入しやすくなるのです。1年の中で最も空気が乾燥する冬は、犬も風邪をひきやすい時期です。気をつけて見てあげましょう。
犬の風邪における5つの対策法

1.ワクチン接種
動物病院で風邪予防のワクチンを接種できます。風邪をひきやすい冬が来る前に、動物病院で相談をしてみましょう。基本的に多くの感染症は、混合ワクチンの接種で防ぐことができます。
2.環境を清潔に保つ
お散歩から帰ってきて、ウイルスが体についたままでそのまま感染することもあります。お散歩から帰ってきたタイミングで体を洗ってあげる、足を拭いてあげるなどを心掛けましょう。また餌やりの器やゲージなども定期的に掃除をして、バイ菌が繁殖しないようにするとなおよいでしょう。
3.気管への負担を減らす
お散歩の時に引っ張り癖があると首が圧迫され、気管に負担がかかります。引っ張り癖がなくなるようにしつけましょう。なかなか癖が抜けないのであれば、首輪ではなく胴輪の使用はいかがでしょうか。無駄吠えも気管に負担がかかるので、しつけてやめさせます。飼い主のしつけと工夫で気管への負担を減らしましょう。
4.温度を適切に保つ
急激な温度変化は風邪の原因になるので、暖房や冷房のつけすぎや温度には気を付けましょう。暖房や冷房を切ってから、お散歩に出かけるようにして、帰宅時の温度変化を緩やかにしてください。短毛で寒さに弱い犬には洋服を着せてあげるとよいでしょう。
5.湿度を適切に保つ
乾燥すると風邪をひきやすくなるので、湿度を適切に保ちましょう。特にエアコンの効いた室内では空気が乾燥しやすいです。加湿器を利用するなど、湿度を一定に保つように気を付けましょう。
最後に

犬も人間と同じように風邪をひきます。ですが人間と違い、喋ったり自分で予防行動をとることはできません。今回紹介したような症状が出ていたら「風邪かな?」と気にしてあげてください。
なるべくそのような症状が出ないように、原因を排除して予防をしてあげてください。愛犬が毎日健康でいられるように、飼い主さんが気を付けてあげましょう。