06/30/2020

「スピードマッチを始めてからお客様からのお問い合わせが増えた」インテリアコーディネーター梅本 靖子さま

梅本さんは、インテリアコーディネーターとして様々な企業や人を繋ぐポジションで働き続けていらっしゃる女性です。とても柔らかな雰囲気をお持ちですが、お話を聞くと、仕事と女性としての生活の狭間でパワフルにキャリアを積み重ねていらっしゃったことがわかります。

これからインテリアコーディネーターとして仕事をしたい人、インテリアが好きでキャリアを考えたい人に参考になるストーリーばかりです。

Zehitomoを活用していただき、「営業の必要がなく、お客様から問い合わせが来るようになった」と言います。

また、「女性」という性をもって生まれた場合、どうしても「パートナーとの間で、子供を持ちたい」と考える時には女性側がその大部分を担うことになります。

梅本さんのストーリーはその点でも、「女性」としてのキャリアを積むことに思いを巡らせる女性の皆様にとっては、参考になるのではないでしょうか。ぜひ読んでみてくださいね。

インテリア業界に入ったのは31歳

「新卒で大手鉄道会社の商業部門採用で入社しました。百貨店のような、空間をきれいにする夢のあるところで働きたいなと思っていました。新入社員研修後、小売業の関連会社へ出向。ひとりでお店を回せるようになりなさい、という趣旨でした。」

社会人で最初に覚えたのがタバコの銘柄だった、と話す梅本さん。

「最初は全くわかりませんでしたが、研修の最後には銘柄を言われたら『ソフトですか?ボックスですか?』とお客様に質問できるようになっていました(笑)」

「ただ、色々なことが重なり体調を崩して、このまま続けるのは健康的に難しいのではないかと2年で退職しました。入社時の同期の仲間とは今でも仲が良いです。」

インテリアコーディネーター資格との、出会い

「第二新卒でメーカーの人事部で働きました。仕事のやりがいもあり、当時は景気も良く、出張で上海や香港にも行かせていただきました。しかし慣れてくると自分自身がずっと事務で働くイメージを抱くことができませんでした。」

「その頃、学校と習い事の間のようなところに通い始めました。日曜の昼に数時間、半年ほど通いましたが、そこでの勉強がとても楽しくて。その時の先生に『より深く学びたい』とお伝えしたところ、インテリアコーディネーター資格を教えていただきました。」

資格取得のための紆余曲折

「この資格は年に一度の試験なので、次の試験が開催される時にぜひ取得したい、と。」

「しかしその時に働いていた会社では、資格取得の勉強と仕事の両立が難しいなと思い、仕事は辞めて派遣会社に登録しました。目的は『資格試験の受験のための勉強ができること、そのために定時で帰れる職場で働くこと』。」

「そこでの仕事は残業もほとんどなかったため、週2のペースで資格取得のための学校に通い始めました。

通信教育などの教材で自学自習で勉強する人もたくさんいらっしゃるのですが、わたしは当時、年齢からくる焦りもあって必ず合格した買ったため、モチベーションなどを保つために学校に通うことにしました。結果、一度で合格することができました。」

資格取得と同時に、インテリア関連の仕事に就くための就職活動を実施

「インテリアコーディネーターの資格試験は『一次試験は合格率が低く、二次試験は合格率が高い、一次試験を通過したら二次試験は通過しやすい』と言われています。一次試験と二次試験の間に約2ヶ月間期間が空くため、私は一次試験に合格した時点で就職活動をスタートしました。」

本当はインテリア全般に携われる仕事がしたかったけれど、未経験者の求人は少なく老舗のカーテンメーカーへ入社したと言います。

「伝統のある企業で美しい生地を身近に感じることができる環境で働かせていただきましたが、少し違うなと感じていました。もともとインテリアコーディネーター資格を勧めてくださった先生はインテリアコーディネーターとしてフリーで働いており、講師業などもなさっていました。

その先生に倣う形で、その時の仕事はやめて、インテリアコーディネーターの資格を持っている人が正会員になれるフリーランスの協会団体(以下、協会)に入りました。

私が所属した団体の上層部の方たちは、有名なリフォームのビフォーアフターを魅せるテレビ番組などの仕事を手がけるようなレベルの人たち。私はその方達のお仕事の手伝いなどをさせてもらいながら、平日は事務の仕事をして、土日はカーテン販売の仕事などをしました。

少しずつインテリア関連の仕事が増えて、『平日の事務の仕事は、辞めてもいいのでは?』という仕事量になりました。」

そしてその頃にご結婚、ハウスメーカーの業務委託の仕事が決まりかけたタイミングでご懐妊。しかし「決まりかけていた業務委託の仕事が、妊娠出産の兼ね合いで一旦無くなった」と話す梅本さん。

「引き続き協会には所属してトレンドなどを日々アップデートしていたものの、実態は専業主婦でした」

第一子が生後10ヶ月の時の転機

「子供を産んでしばらくは、友人からのインテリア相談などをサポートしながら、子育てをして過ごしました。」

一人目のお子さんが生後10ヶ月の時、カーテンの縫製会社にアシスタントをしてみないかと打診され、一時保育で預けることができる日だけ通うことになったそう。「その職場は自宅からも近く、嬉しいお誘いでした。ショールームで働いて、カーテンの知識はもちろん、世界のトレンドにも触れさせていただきました。子育てにも理解があり、今でも当時の上長には本当にお世話になっています。」

そこでは、第二子を産む1ヶ月前まで(!)、働かせてもらったと言う。

「今も、良いお付き合いをさせていただいています。」

個人事業主として

zehitomo インテリアコーディネーター 梅本靖子さん

(ワークショップの様子。無断転載厳禁)

梅本さんは個人事業主として独立を決意。そのタイミングで、ワークショップ講師などで呼ばれることのある会社から「カーテンのセミナーを開催してほしい、北欧について語ってほしい」と、依頼を受けたと言います。

「北欧について、というテーマだったので、私はマリメッコの壁紙を扱っている会社に行きました。マリメッコ柄の壁紙、あるんですよ。しかしなかなか知られていなくて。」

「マリメッコのライセンスを持っているイタリアの壁紙メーカーが作っている壁紙を日本で輸入している、日本の会社です。海外の有名なブランドカトラリーの正規代理店や並行輸入販売もしている会社さんです。その会社に『マリメッコの壁紙の写真を提供していただけませんか』と依頼したところ、普段、あまりにもマリメッコの壁紙の引き合いがなかったそうで驚かれて。会社にも実際に見に行きました。」

zehitomo インテリアコーディネーター 梅本靖子さん

(ワークショップの様子。無断転載厳禁)

「その会社はこれまで商品をインターネット通販サイトなどで販売していましたが、壁紙は建築商材になるので、一般消費者にダイレクトに販売するよりも、住宅メーカーなどにアプローチをして販路を拡大させたほうがいいんです。

そのようなお話をしたところ、『営業で入りませんか?』とスカウトしていただいて。もちろん驚きましたよ、『実は私、先月第二子を産んだばかりなんです』って。」

夫婦での協力体制

その話を聞いたご主人が、「君は家庭にいて主婦だけをしていると具合が悪くなるでしょ?託児所も近いから、子供は預けよう」と賛同してくださったのだとか。梅本さんは、業務委託で営業の仕事をすることに。上のお子さんがすでに託児所に通っており、安心してお任せできる環境だとわかっていたことも背中を押した理由です。

「大手住宅メーカーに壁紙を紹介する仕事をしました。マリメッコの壁紙を扱ってくれる代理店の開拓です。

営業だけのつもりが、その当時は壁紙を紹介するカタログもなかったので、カタログ製作の監修もしました。でもこの経験を通して、私はインテリアコーディネーターだけれど、色々な人と人を繋げたり、人と会うのが好きだということに気づきました。」

人と人を繋げて、梅本さんも大きな出会いに恵まれる

zehitomo インテリアコーディネーター 梅本靖子さん

(セミナーに登壇する梅本さん。無断転載厳禁)

「新宿のインテリア産業協会で、マリメッコの壁紙を扱ってくださる会社さんからお声がけをいただき、業者さん向けの『マリメッコの壁紙のワークショップを開くことができるようになるための、ワークショップ』を開催することになりました。しかしそこでは、1社だけのブランドだけを扱ってイベントを開催するのはNGということで、他社の輸入壁紙の会社さんにも協力してもらい、共催という形をとりました。」

「その会社さんは、一般消費者の方にはあまり知られていない会社ですが、インテリアコーディネーター達には大人気の会社です。有名な輸入壁紙なども多数扱っていらっしゃいます。

私はその会社の創業者の方の本を読んでいました。その後、その会社に挨拶に行き、創業者の方もご一緒にランチに行くことになって。

私は『石橋が割れていても、試しに渡ってみるタイプ』です。やってみないとわからないことは、ありますよね。私はそのランチ会の時に、創業者の方の書籍も持参しました。せっかく本を執筆された方にお会いできるのだからと、『本にサインをいただきたい』とお伝えしたところ先方も私のことを面白いと思ってくださったようです。ありがたいことに、創業者の方と改めて食事に行くことになりました。」

「インテリアの話やビジネスの話だけでなく、私の子供の教育の話や、偶然見つけた共通点などの話など、たくさんお話をさせていただきました。その時に背中を押していただき、私は個人事業主として働いていましたが、法人化することにしました。」

「夫は、自営業の理解もリスクも理解してくれています。夫の仕事と私の仕事の内容は全く違いますが、実家が自営業だったことなどから、自営業の大変さも、私が仕事をすることも理解してくれています。」

Zehitomoとの出会い

zehitomo インテリアコーディネーター 梅本靖子さん

(お客様とじっくり選んだカーテンの納品事例。無断転載厳禁)

「法人化してからも、とにかくよく働きました。会社を維持するために仕事をしなくてはならない、子供の世話もしなければならない。夫婦の方針で、娘は幼稚園に転園し、民間の学童に通うことになりました。Zehitomoに出会ったのはその頃です。」

知り合いがインターネットのマッチングサイトで大きな仕事を獲得して、その仕事を手伝った時に知り合いに教えてもらったんです。こんなサイトがあるよって。」

「Zehitomoに登録をしてみたものの、最初は怖かったです。Zコインなど、使い方がよくわかりませんでした。しかし法人化したものの、自社で宣伝広告などを出しているわけでもなかったので『Zehitomoも、宣伝広告の一環として必要な投資かな』と思って始めてみました。2019年の夏です。」

zehitomo インテリアコーディネーター 梅本靖子さん

(お客様とじっくり選んだカーテンの納品事例。無断転載厳禁)

「Zehitomoは、いつも電話をくれるのですが、正直最初は『今幼稚園に向かっているのに!』などタイミングが悪いときに電話がかかってくることもあって、わずらわしいなとも感じていました。ただ、電話をくれる担当の方に、なんだか人間味があるなと思って。

いつも電話をかけてくるけれど、買わせようとしないと言うか。『Zehitomoは梅本さんのお仕事に役立っていますか?最近、お仕事はどうですか?』と連絡をくれました。」

初めてお客様を獲得したのは2019年の12月頃だったそう。梅本さんは、スピードマッチを始めてからお客様からのお問い合わせが増えたと言います。

「それ以来、これまでにZehitomoで獲得した仕事は10件程度です。」

Zehitomoを使うと、自社の仕事の方針で、仕事を進めることができる

zehitomo インテリアコーディネーター 梅本靖子さん

(水平にレーザー光線ができるため、壁紙を貼るときなどの準備に必須の機械。造作家具・エアコン工事・電気工事・壁紙の太鼓貼りなどの作業が発生する、Zehitomoを通じて施工が決定したお客様。無断転載厳禁)

「現在は2人体制で仕事を進めています。インテリアコーディネーターの学校に通っていた時のクラスメイトと一緒に仕事をすることになったんです。」

「私は営業や事務、そして相手は施工。流れができてきました。これからも、現場などで2人共同席しなければいけない場合でも、密にならない状況を作りながら役割を分担して、仕事を進めていく予定です。」

「仕事のスタンスは『底値でやります』という価格勝負ではなく、お客様、自社、職人さん、関わる全員が嬉しい結果になるお仕事をお受けするようにしています。そのため、価格ありきで低価格を最重要視なさるお客様のお仕事はお受けしないこともあります。」

「お客様に対しては、私のほうからお客様に『これは違います』『これはやめましょう、こうしましょう』など、お客様のご意見やご希望を否定するようなことはならべく言わないようにしています。

インテリアコーディネーターはインテリアを愛するからこそ、知識があるからこそコーディネーターの持つこだわりや我を通したくなりそうですが、私はなるべく、お客様のご希望に添えることを心がけています。」

zehitomo インテリアコーディネーター 梅本靖子さん

(先の写真とは異なる、Zehitomoを通じて仕事が決定したお客様。ブラインドを10台以上設置予定。無断転載厳禁)

「また、『大手家具量販店の製品を使ったらこのくらいの値段でもできますよ、この内容や値段がご希望なのであれば、大手家具量販店を活用してもいいんじゃないですか』というアドバイスも率直にお客様に伝えます。そのスタンスを気に入ってくださったお客様が、私にお仕事を依頼してくださっているのではないかと思います。ありがたいことに、お客様からお客様を紹介してもらうことも多いです。」

「Zehitomoからの問い合わせが来るのは土日が多いです。先週末も4〜5件ありました。お客様にとっても私たちにとっても、条件の合う人を選ぶことができるので便利です。こちらからの営業をせずにお客様からの問い合わせを集めてくれるので助かっています。

私からは電話はかけない方針ですが、Zehitomoを見てお客様からかかって来る電話には必ず応答します。」

「まだ使いこなせていないところもありますが、助けてもらっていてありがたい」と言ってくださる梅本さん。売り上げの半分ほどをZehitomoで獲得できており、Zehitomoから来る『考えていなかった、急なお問い合わせや仕事』と、他社や他のお客様から来る『定期的にご依頼をいただいているけれど、量が多いわけではない仕事』と、をうまく組み合わせることができていると言います。

新型コロナウイルスと、仕事と、家族

「新型コロナウイルス感染症の自粛期間中は、仕事もままならない、保育園、幼稚園もないため子供たちも家にいる、いう状況でジレンマはありましたが、家族も家事をしてくれました。」

「これまでも、土日や平日の夜でも夫に子供のお世話をしてもらうことも多くて。平日の夜に飲みに行くのは私の方が多いのかもしれない?と思ったこともあるくらいに、家事育児に関わってくれます。

夜に食事会が多いシーズンは、秋です。インテリア関連の展示会なども多い季節です。他の季節は、お母さん友達と出かけます。」

「周囲に頼らないと育児はできない」と言いきった梅本さん。「下の子は、自分で育てていないと言ってもいいほど周囲に助けてもらいました。助けてもらわないと無理です、仕事をしながら1人で育てるなんてできません。」

「私は、仕事や生活に対して『両立』と考えていません。両立って少し重い言葉だと思います。人間には、既婚でも子供がいても独身でも、仕事も仕事以外にも、病気や介護など、色々なことがあります。その中で現在私は、子育てをしなければならない状況なんだと捉えています」

「教育は盗まれないから、子供の教育には投資をしてあげたいと思っています。

私自身はやりたいことを仕事にできて、子供に対しても自分の考え方で今導いてあげることができているので、毎日の中で辛い苦しいようなものはありません。と言いつつ、仕事の後には、毎日髪を振り乱して子供のお迎えにも行っていますよ。」

最後に

個人事業主として働いている人も、これから個人事業主としての独立を考えている人も、梅本さんのお話が参考になる部分は多いのではないでしょうか。

梅本さんは節目節目に色々な出来事に出会いながらも、その時の流れを掴んでうまく波に乗りながら方向を見極めてこられたのだな、という印象を受けました。自然と周囲から色々なオファーを受け取っていらっしゃる、しかしそのオファーが来るのは梅本さんがその時々のお仕事や人間関係で努力なさってきたからこそなのだろうな、と感じました。

梅本さん、ありがとうございました。

梅本 靖子さま(ボヌール・ブッソール株式会社)

zehitomo インテリアコーディネーター 梅本靖子さん

10年ほど様々な企業や団体インテリアコーディネーターとして活躍後、2019年1月に独立。インテリアコーディネーター 色彩検定2級 照明コンサルタント 学芸員資格保有

「お客様にとっての羅針盤のような存在になれるように」との想いから、現在の社名はフランス語で「羅針盤」を意味する。

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