捨てるなんて言語道断!意外と食べられる野菜のある部分とは
野菜の中には、実は食べられるのに捨ててしまっている部分が意外と多いことをご存じですか?そこで今回、捨ててしまいがちな部分の栄養価や、美味しく食べるためのレシピを紹介します。
目次
■とうもろこしのひげ根■ピーマン・かぼちゃ・ゴーヤのワタ&たね■スイカの皮■外皮やヘタなどの「野菜くず」だって活用できる!?■捨てる部分を美味しく食べてフードロスを減らそうとうもろこしのひげ根
皮付きのとうもろこしを購入すると、もれなくついてくる「ひげ根」。
ひげ根の正体は「めしべ」で、ひげ根一本にとうもろこしの実(粒)が一つついています。ようは、ひげ根の数=実(粒)なので、ひげ根がたっぷり付いたとうもろこしを選ぶと、実もぎっしりと詰まっているはず。
まず、ひげ根の茶色い部分は硬く口に残りやすいので、気になる場合はその部分は除きましょう。薄緑の部分は、ざく切りやみじん切りにして実と一緒に使います。ほんのりと甘く、とうもろこし独特の味わいもしっかりと感じられるので、とうもろこしのかき揚げやとうもろこしごはんなど、とうもろこしをメインで味わう料理に使うと、より風味がアップし、美味しくいただけますよ。
ちなみに、とうもろこしのひげ根は、漢方や薬膳では、南蛮毛(なんばんもう)・玉米鬚(ぎょくべいじゅ)と呼ばれ、生薬の一つとして使われています。特に、カリウムが豊富に含まれていることから、体内の余分な水分を排出させる効果が高く、むくみ解消やコレステロールを下げる効能があります。
【とうもろこしごはん】
お米の上に、とうもろこしの実・細かく刻んだひげ根をのせたら、いつも通りに炊飯するだけ。味付けはシンプルに塩・酒のみ。とうもろこしの甘みが引き立ちます。
【とうもろこしのかき揚げ】
とうもろこしの実と細かく刻んだひげ根、さやから出した枝豆に、天ぷら粉+水で作った衣をまとわせて揚げるだけ!揚げたてのアツアツをいただきましょう。
【とうもろこしのトロトロ卵スープ】
お湯を沸かし、鶏ガラやコンソメで好みのスープベースを作ったら、とうもろこしの実・細かく刻んだひげ根を入れ、さっと煮ます。片栗粉でとろみをつけてから、溶き卵を流し入れれば、ふわふわ卵が美味しい、胃腸に優しいスープの出来上がり。
ピーマン・かぼちゃ・ゴーヤのワタ&たね
調理の際に真っ先に取り除く、野菜のワタやたね。ゴミが出る・取り除くのが面倒だけど、食べられないから取るしかない、もしくは取るのが当たり前だと思っている人も多いのではないでしょうか?結論からお伝えすると、ゴーヤ・かぼちゃ・ピーマンともにワタもたねも美味しく食べることができるんです。
ピーマンの場合
実際に見るとよくわかりますが、ゴーヤ・かぼちゃと比べると、たねが小さくやわらかく、ワタの部分が少ないピーマンは、実はまるごと食べるのがおすすめです。
ヨーロッパでは、煮込みやスープ、グリル料理などに丸ごと使うのが主流なのだとか。丸ごと使えば、ピーマンの栄養を余すことなく取れる上、調理の手間も省けて一石二鳥ですね。
ちなみに、緑黄色野菜であるピーマンは、実の部分同様ワタやたねにもビタミンが豊富に含まれています。さらに、たねには実には含まれない希少な栄養素も含まれているそう。
炒め物など実の部分だけ使いたい場合は、ワタ・たねは細かく刻んで汁物の具にしたり、後から紹介する「ベジブロス」に使うのがおすすめです。
【ピーマンのまるごとくたくた煮】
ピーマンを洗って鍋に入れるだけ。ひたひたのだし汁(めんつゆ+水)でピーマンがくったりするまで煮込みます。一度しっかり冷ますと、味がよくなじみますよ。
【まるごとピーマンのさっぱりレンジ蒸し】
さっと洗ったピーマンを耐熱皿にのせ、ラップをかけたら600Wのレンジで4分。加熱している間につけ汁を作れば、あっという間に一皿完成です。
かぼちゃの場合
かぼちゃのわたは食物繊維がたっぷり!そのまま食べると口に残りがちなので、細かく刻んで使いましょう。かぶちゃサラダやスープ、コロッケなど、果肉をペースト状にする料理の際はそのまま混ぜ込んでしまえばOK。
かぼちゃのタネは、硬い外側の皮をむいてから食べます。まず天日で1〜3日ほど乾燥させ、フライパンで香ばしく炒り、粗熱が取れたら皮をむきましょう。かぼちゃのタネは、南瓜子(なんかし)・南瓜仁(なんかにん)と呼ばれる生薬でもあります。ビタミンEや亜鉛、マグネシウムの他、良質な脂質も含まれているのが特徴です。塩やスパイスを振りそのまま食べたり、サラダやスープのトッピングにしたりするほか、ナッツのようにグラノーラやコーンフレークと一緒に食べるのもおすすめですよ。
【かぼちゃのサラダ】
わた付きのままレンチンで加熱&マッシュしたかぼちゃに、クリームチーズと調味料を混ぜるだけ!かぼちゃが温かいうちに手早く混ぜれば、味がよくなじみます。
【かぼちゃのポタージュ】
火が通るのに時間のかかるかぼちゃこそ、レンチン調理が手軽です。ワタの部分も果肉と一緒にレンチン。ペースト状につぶしたら、好みの量の牛乳を加え、味をととのえたら完成!
ゴーヤの場合
ふわふわのゴーヤのわた&わたに包まれているタネは、ビタミンCをはじめ、カリウムやカルシウムも含まれており、緑色の果肉よりも栄養豊富なほど。独特な苦味が特徴のゴーヤですが、わたの部分は苦味が少なく、熱を加えるととろりとした柔らかな食感になります。タネのそのまま食べられるので、ワタと一緒に食べるのがおすすめです。
最も手軽な食べ方としては、果肉ごと輪切りにしそのままフライやソテーに。わた&タネだけならスープや味噌汁などの汁物の具にしたり、卵とじにしたり。すぐに火が入るので、手軽に食べられます。
【ゴーヤのピカタ】
ワタ&たねごと輪切りにしたゴーヤに卵液をつけ、フライパンで香ばしく焼き付けます。
きつね色の焼きめが食欲をそそる一品です。
【ゴーヤの天ぷら】
ピカタ同様、丸ごと輪切りにしたゴーヤに衣をつけて揚げるだけ。果肉部分はサクッと、ワタの部分はふんわり。食感の違いも楽しめます。
スイカの皮
暑くなると食べたくなるスイカ。でも、食べた後の皮の処理が面倒だという声もよく聞かれます。実はスイカで食べられないのはヘタの部分と、外側の硬い皮だけ。薄緑の部分は美味しく食べられます。しかも、そのまま生でも加熱してもOK。色々な食べ方で楽しめるんです。
また、スイカの皮には、果肉にはほとんど含まれていないアミノ酸のシトルリンが含まれており、シトルリンには血流促進や抗酸化作用があるんだそう。今まで捨てていたのがもったいなく感じますね。
【スイカ皮の和え物】
薄切りにしたスイカの皮を塩・ごま油で和え、クコの実を添えた一皿。赤い果肉の部分を残すと彩りもきれいです。シャキシャキの歯ごたえは、箸休めにもぴったり。
【スイカ皮の中華漬け】
スイカの皮を食べやすい大きさにカットしたら、調味液と一緒にポリ袋に入れ、冷蔵庫で休ませておくだけ。にんにく&ごま油の香りが食欲をそそります。
【スイカ皮のひき肉あんかけ】
ひとくち大にカットしたスイカの皮とひき肉を一緒に炒めます。肉の色が変わり、スイカの色が透き通ってきたら、調味料を入れてさっと煮ればOK。冬瓜のようなやわらかな食感が楽しめます。
外皮やヘタなどの「野菜くず」だって活用できる!?
料理をする度に出てしまう、野菜くず。さすがにこれは捨てるしかないと思いますよね。そんな野菜くずを美味しく活用する方法が「ベジブロス=野菜だし」です。両手一杯分(250g)くらいの野菜に対し、水1.3Lと酒小さじ1ほどを加え、弱火で30分ほど煮込むだけのお手軽さ。火を止めてざるで濾せば完成です。
野菜の旨味&栄養がたっぷり溶け込んだベジブロス、ぜひ一度作ってみてください。塩を足すだけで、スープとしても美味しく飲めますよ。
捨てる部分を美味しく食べてフードロスを減らそう
今回の記事では、代表的な夏野菜の中で、捨ててしまいがちだけど、美味しく食べられる部分について紹介しました。これまで捨てていた部分を美味しく食べ切るようになると、食費の節約はもちろん、フードロスの削減にもつながります。紹介した野菜以外にも捨てがちだけど食べられる部分は色々あります。「これって食べられないのかな?」と、捨てる前に少しでも意識してみるとよいでしょう。
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