愛犬がカカオやチョコレートを食べた時に重症化させない4つのポイント
口の中で、甘くとろけるチョコレート。美味しいチョコレートを食べると、幸せな気分になりますね。日常のほっと一息からバレンタインデーの贈り物としても食べられるチョコレート。甘い香りがなんとも癒されます。飼い主が食べているところに興味を示す愛犬もいます。
ちょっと待ってください。そのチョコレート、本当に犬にあげて大丈夫ですか?私達には美味しいおやつでも、犬にとっては危険です。犬にチョコレートをあげるとどうなるのか、誤って食べてしまった時はどうすればいいのか。犬にチョコレートをあげてはいけない理由と対処法をお伝えします。
(参照元情報:あいむ動物病院、エフ・筑紫通りペットクリニック、アニマルクリニックフロンティア、ハーツアニマルクリニック、アイ・ペットクリニック、山田動物病院、もねペットクリニック、、、2017年4月現時点情報。医療に関する判断は必ず専門の医師の判断を仰ぐようにしてください。)
カカオの栄養素
1.カカオポリフェノール
チョコレートの主成分であるカカオには、様々な栄養素が含まれています。その中でも有名なのがカカオポリフェノールです。血圧低下、動脈硬化の予防に効果があります。
2.ビタミン類とミネラル
五大栄養素に含まれるビタミンEなどのビタミン類、カルシウムなどのミネラルも豊富に含まれています。身体を構成する上で必要な栄養素がたっぷりと含まれており、カカオがスーパーフードと呼ばれるゆえんです。
3.テオブロミン
カカオにはテオブロミンという成分が含まれています。脳に作用して、集中力や記憶力アップ。自律神経を調整して、リラックス効果もある成分です。でもこのテオブロミン、人間にとっては有効成分ですが、実は犬に与えてはいけない有害成分です。
犬はチョコを食べてもいいの?
1.絶対にダメ
犬にチョコレートをあげるのは、絶対にやめてください。理由は、カカオに含まれるテオブロミンの代謝速度が非常に遅く、栄養として吸収できないためです。よく似た成分に、カフェインがあげられます。カフェインも犬などの動物にはNGです。大量に食べると中毒症状を引き起こし、深刻な場合は死に至るケースもあります。
2.なぜ食べてはいけないの?食べることで出る症状とデメリット
下痢・嘔吐
中毒の初期症状として、下痢や嘔吐という症状が起こります。その他にも、興奮やふらつきなどの症状が出ます。
痙攣
中毒が進行すると、痙攣や発作、意識の混濁など、深刻な症状が現れます。重症化すると、死に至るケースも少なくありません。
舐めたなど少しだけ食べたとき
少しだけ舐めた、食べたけどほんの少しだった。その様な場合でも、安心とは言えません。犬の体格、食べたチョコの種類などでは、少量でも中毒を起こす事があります。
一般的なミルクチョコレートではカカオ成分が低いため、舐めたぐらいでは問題ないでしょう。しかし、最近よく発売されているカカオ成分が高いチョコレートは、ひとかけら、ひと舐めでも中毒を起こす可能性があります。
チョコレートを食べて、すぐに中毒症状が起こるわけではありません。吸収される速度が遅いため、直後は平然としていても後になって症状が現れるケースがほとんどです。個体差はありますが、24時間程度は安心出来ません。そのため、食べた量、チョコレートの種類、犬の体格などを考慮して、かかりつけの獣医師に相談するなど、適切な処置を行って下さい。
3.こんなメニューに含まれている!チョコが使われているメニュー
市販のチョコレート(カカオ成分が高いもの)
一番危険なのが、カカオ成分の高いビターチョコレートです。一般的に、中毒症状を起こすテオブロミンの量は体重1kgに対し、50~500mgと言われています。
ビターチョコレートに含まれるテオブロミンは非常に高く、カカオ99%のものでは100gあたり1000mgを超えるものもあります。保管場所には十分に注意を払いましょう。
市販のチョコレート(カカオ成分が低いもの)
ミルクチョコレートなどは、カカオ成分が低いのでテオブロミンは約200mg程度です。少量であれば問題はありませんが、大量に食べてしまった際は注意が必要です。
チョコチップクッキー
チョコチップクッキーなどは一枚あたりのチョコレートやカカオの含有量は少ないです。ただし袋や箱に沢山入ったチョコチップクッキーなど、量が多いチョコレート菓子の保管場所には注意しましょう。
チョコレート味のパン
同じく、チョコを使用したチョコパンなども含有量は少なめです。ひとくち程度なら問題はないと判断できますが、与える必要がなければ食べないにこしたことはありません。
チョコレート味の飲み物
ココアなどは、テオブロミンの含有量は高いですす。ちょっと目を放した隙に飲まないよう、カップの置き場所や保管には十分気をつけましょう。
4.犬が食べてしまった時の応急処置〜動物病院にすぐに向かえない場合
食べてしまったことに気づいたら
誤って食べてしまったら、犬の体格、食べた量やチョコレートの種類を考慮してかかりつけの獣医師の指導を仰ぐなど、すぐに適切な処置を行いましょう。中毒症状がで始めると治療法はありません。苦しむ犬を黙って見ているだけしかなく、お互いに非常に辛い思いをします。
食塩と水で吐かせる
すぐに病院に向かえないときは応急処置として、ご自身でチョコレートを吐かせます。家庭で催吐処置を行う際は、スプーン1~7杯の食塩を舌の上に乗せ、水を飲ませ嘔吐を促す方法がありますが、獣医師によっては飼い主の自己判断で食塩を飲ませる方法は危険だという意見もあります。
薄めたオキシドールで吐かせる
薄めたオキシドールを飲ませて、胃の中で酸素を発生させて吐かせる方法もあります。ただし、塩もオキシドールも犬の身体に大きな負担となります。まずは遠方でも24時間対応の獣医師に電話で相談を仰ぐなど、飼い主の判断で動く前に専門家に相談しましょう。
最後に
私達が普通に食べている物でも、動物に与えると害になる食べ物は他にも沢山あります。今では犬用のチョコレートもありますが、他にも沢山のおやつがある中で、あえてチョコレートを選び食べさせなくてもいいのではないでしょうか。
犬の食中毒は飼い主の不注意が主な原因。日頃からしっかり気をつけて、快適なペットライフを送りましょう。
ついつい愛犬に与える食べ物やお菓子、愛犬の生活習慣に対して甘やかしてしまう、これではいけないとわかっているけれど、という方はペットシッターなど専門家に、現状と今後の相談をしてみてはいかがでしょうか。有効なアドバイスをもらうこともできますよ。
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