外壁リフォームで塗装を検討する際に見落としがちなのが、「塗り替えに適した時期」かどうかという点です。気温や湿度などの環境条件によって、仕上がりや耐久性に大きく影響します。
本記事では、外壁の塗装工事に最適な季節・時期について解説します。避けたほうがいい時期やベストシーズンの気温・湿度の目安などを詳しくまとめていますので、施工後のトラブルを防ぎ、長く美しい外壁を保つためにも、ぜひ参考にしてみてください。
外壁塗装・塗り替え工事に適していない時期・季節

まずは、外壁の塗装工事を避けた方が良い時期や季節について、メリット・デメリットをみていきましょう。
ゲリラ豪雨や台風が頻発する夏場
ゲリラ豪雨や台風が頻発しやすい夏場は、外壁塗装においてリスクを伴う季節です。夏は、太平洋高気圧や偏西風の影響により天気が崩れやすく、工事の中断やスケジュールの遅れも懸念されます。飛来物で足場や外壁が傷つくリスクもあり、安全面への注意が必要です。
また、台風の影響で湿度が高い日が続くと、塗料が乾燥するまでに時間がかかり、塗装ムラが発生しやすくなります。
【メリット】
- 気温が高く、塗料が乾きやすい
- 日照時間が長いため、作業時間を多く確保できる
【デメリット】
- 強風・大雨で足場の安全が確保できず、工事が中断する
- 飛来物による外壁や足場が損傷するリスクがある
- 湿度が上がると、乾燥不良やムラの原因になる
雨がちな梅雨時期
梅雨は長期間にわたって雨や湿度の高い日が続くため、外壁の塗装工事に最も不向きな時期です。水分が塗料に混入すると、塗膜が密着せず、早期の剥がれやひび割れといった施工不良を引き起こす原因となります。
また、塗装した面がしっかり乾かないまま次の工程に進むことで、耐久性の低下にもつながります。
【メリット】
- 梅雨の時期は施工を避ける傾向があり、比較的業者を確保しやすい
- 費用を安くおさえられる
【デメリット】
- 塗料が乾きにくい
- 雨で外壁や足場が濡れているため、塗料がうまく密着せず剥がれやすくなる
- 急な雨で作業を中断せざるを得ず、工期が長引く
寒波が続き、雪に見舞われる冬場
冬場は気温が低く塗料の乾燥に時間がかかるため、工期が長引きやすいのが難点です。塗料の中には気温5℃以下では塗装できない種類もあり、天候次第で工事日数が増える可能性があります。
特に、降雪量が多い地域では外壁に水分が残り、塗膜の剥がれや膨れといった塗装不良や手直しの原因になりかねません。積雪や足場の凍結などで作業員の安全管理も難しくなるため、冬季に塗装工事をする場合は、余裕を持った施工プランを立てましょう。
【メリット】
- 空気が乾燥しているため塗料が早く乾く
- オフシーズンにあたる冬場は施工費用が安くなる
【デメリット】
- 気温が低く、塗料の乾燥・硬化に時間がかかる
- 雪や凍結で外壁が濡れた状態が続く
- 路面や足場が凍結しやすく、作業員の転倒や事故のリスクが高まる
外壁塗装・塗り替えに最適な時期は10月・11月
外壁の塗装工事に最適な時期は、10月と11月です。日中の平均気温が20℃前後、湿度85%未満と、塗料の硬化に適した環境が整いやすい時期だからです。厳しい暑さや極端な寒さが少ないため、施工の効率も高まります。
季節別で見る外壁塗装・塗り替えのメリットとデメリット

外壁の塗装工事は、どの季節に実施するかによって、メリットとデメリットが異なります。それぞれまとめていますので、工事を検討する際の参考にしてください。
3月~5月
【メリット】
- 気温が比較的安定するので、塗料の乾燥・硬化が進みやすい
- 日照時間が長くなり始める時期で、施工スケジュールを組みやすい
- 真夏や梅雨のような極端な高温・多湿ではないので、仕上がり品質が安定しやすい
【デメリット】
- 4月は春雨前線の影響で天候不良が増え、工事の中断や工期延長の可能性がある
- 花粉が多く飛ぶ時期は、塗装面に花粉が付着することで仕上がりに影響が出る可能性も
- ゴールデンウィーク前後は業者も繁忙期になりやすく、スケジュールの確保が難しい
6月~8月
【メリット】
- 夏の高温期は塗料が早く乾燥し、工事をスムーズに進めやすい
- お盆前や大型連休を避ければ、比較的業者のスケジュールを調整しやすい
【デメリット】
- 6月~7月前半にかけて梅雨が続く地域では、長雨や湿度の高さが原因で塗装不良や工期延長のリスクが高い
- 7月~8月は台風や夕立の影響で突然の天候変化があり、作業が中断しやすい
- 猛暑日が続くと職人や作業員の体調管理が難しく、安全面への配慮が欠かせない
9月~11月
【メリット】
- 台風シーズンが収まると天気が安定しやすく、塗装に理想的な環境が整いやすい
- 気温・湿度が適度に落ち着き、塗料の硬化が進みやすく仕上がりへの影響が少ない
- 早めに計画すればスケジュール確保が可能
【デメリット】
- 9月頃まで台風や大雨の影響が続く場合もあり、工事日程が延期されるリスクがある
- 秋雨前線による断続的な雨が工期を伸ばす可能性がある
- 10月以降は朝晩の気温が急激に下がり、塗料の乾燥が遅れるケースがある
12月~2月
【メリット】
- 空気が乾燥して晴天が続く地域では、湿度による影響が少なく施工しやすい
- オフシーズンとなることが多く、比較的業者のスケジュールを押さえやすい
- 条件が揃えば塗膜の仕上がりが安定する場合もある
【デメリット】
- 気温が5℃以下になると対応できない塗料があり、工事ができない日が多くなる
- 雪や霜で外壁や足場が濡れたり凍結したりすると、安全面・仕上がりへの影響が大きい
- 年末年始の休業と重なり、施工日程を確保しづらい場合がある
外壁塗装・塗り替えで失敗しないための3つのポイント

外壁の塗装工事は、住まいの耐久性と美観を維持するために重要なメンテナンスです。決して安価な工事ではないため、慎重に計画を立て、信頼できる業者に依頼することが大切です。
ここでは、失敗しないための3つのポイントをご紹介します。
- 耐久性やデザインを考えて塗料を選ぶ
- 生活スタイルに合わせて時期を選ぶ
- 複数の業者から見積もりを取る
1つずつみていきましょう。
1. 耐久性やデザインを考えて塗料を選ぶ
外壁塗装の塗料には、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などさまざまな種類があり、耐久性、価格、機能(遮熱性、防汚性など)が異なります。
塗料の種類 | 耐久年数 | 特徴 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 約5~7年 | ・ほかの塗料に比べて価格が安い ・塗り替え周期が短いため、長期的にみるとコストがかさむ |
ウレタン塗料 | 約7~10年 | ・ひび割れや雨漏りを起こしにくい ・外壁になじみやすい ・汚れが付きやすい |
シリコン塗料 | 約10~15年 | ・汚れが付きにくい ・10年以上の耐久性が期待できる ・製品ラインナップが豊富 |
ラジカル塗料 | 約10~12年 | ・耐候性が高い ・コストパフォーマンスが良い ・カビや汚れに強い製品が多い |
フッ素塗料 | 約15~20年 | ・紫外線や雨風に強い ・撥水性があり、チョーキング(白い粉)が起きにくい ・価格はやや高め |
無機塗料 | 約20~25年 | ・劣化の原因となる有機物が少なく耐久性が高い ・防汚性・防カビ性に優れている ・価格が高い |
現在の外壁材との相性も考慮しながら、 予算や求める性能、さらには将来的なメンテナンス計画まで見据えて、最適な塗料を選ぶことが大切です。
日当たりの良い場所なら遮熱性の高い塗料、汚れが気になるなら防汚性の高い塗料を選ぶと良いでしょう。塗料選びで迷った際は、業者の担当者に相談してみるのもおすすめです。
2. 生活スタイルに合わせて時期を選ぶ
外壁塗装の工事中は、足場の設置や塗料の臭いなどで、普段の生活に少なからず影響が出ます。
また、家族で旅行を予定している時期は、塗装工事を避けたほうが良いかもしれません。塗装中は足場が設置されるため、空き巣などに侵入されるリスクが高まるからです。長期間、家を留守にする場合、工事を中断するか、戸締りの徹底や防犯システムの活用なども検討しましょう。
3. 複数の業者から見積もりを取る
外壁の塗装工事にかかる費用は、業者によって異なります。適正価格で信頼できる業者を選ぶためには、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。比較検討する際は、金額面だけでなく、工事内容、使用する塗料、保証内容、担当者の対応なども確認すうるのがポイントです。
また、比較検討の際は、施工金額の安さだけで選ぶのではなく、以下の項目についてもあわせてチェックしておきましょう。
- 保証内容やアフターサービスの充実度
- 取得資格の有無
- 口コミ・評判
ゼヒトモで外壁塗装のプロを探す
今回は、外壁の塗装工事に最適な季節・時期について解説しました。外壁塗装は、建物の劣化を防ぎ美観を保つために欠かせないメンテナンスです。とはいえ、数多くある業者の中から、信頼できるプロを探すのは難しいものです。
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