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ALC造とは?建物の特徴や他構造との違いなども解説

2022/12/14 2024/04/26
ALC造とは?建物の特徴や他構造との違いなども解説

物件を選ぶ際に「ALC造」と書いてあることがあり、「ALC造とは、一体どのようなものなの?」と思ったことはないでしょうか。ALCとは「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略で、外壁材などに利用される「軽量気泡コンクリート」のことを指します。

しかし、そう聞いても、そもそも軽量気泡コンクリートって?他の構造と違いは何なの?と思う方も多いですよね。

そんな方のために、今回は軽量気泡コンクリートの特徴からALC造と他の建物構造との違い、そして実際にALC造の物件を選ぶ際の注意点について解説していきます。

快適な物件に住みたい方は、ぜひご一読ください。

軽量気泡コンクリートとは

気泡コンクリート,素材

軽量気泡コンクリートとは、セメントや生石灰などを加え、それらを高温で熱することで発砲させ、養生されたコンクリートです。

内部に無数の気泡を含んでいるため、一般のコンクリートよりもかなり軽いという特徴があります。

実際に建物の外壁素材に使われることが多いのは「ALCパネル」と呼ばれる、軽量気泡コンクリートを板状に加工し補強したものです。

軽量のため、建物に使用すると建物の軽量化が図れることから建設コストも抑えられます。また、地盤沈下が心配される場所に建物を建設する際にも活躍します。

その他にも、耐火性に優れた素材のため、もしもの火事のときにもリスクの軽減など、様々な利点があります。

もともとはスウェーデンで開発され、その後ヨーロッパを中心に使われていました。

長い歴史を持ち、世界各地で使用されている建材です。

軽量気泡コンクリートを使った「ALC造」って?

ALC造とは、鉄骨の骨組みにALCパネルを組み合わせて建てられた建物の構造のことです。

ALCパネルは、コンクリートを高熱にし気泡加工したもので、強度は高いですが軽量のため運搬が楽で組み立てやすいです。そのため、工事現場では重宝されています。

ALC造は長持ちで、断熱性が高いなどさまざまなメリットがあります。ただ、水には弱いため定期的なメンテナンスが必要です。

ALC造は鉄骨造の一部に含まれる

「ALC造」とは建物の構造のことを指すのではなく、外壁などに使用された素材のことを指します。

建物の構造だと、ALC造は鉄骨造に含まれます。骨組みが鉄骨で、それにALCパネルを組み合わせて作られているためです。

不動産の物件情報には、「ALC造」と記載されていたり、また「鉄骨ALC造」となっていたりすることもあります。ALCパネルは、木造と組み合わせることも可能です。

ALCパネルを使うと、建設期間を短縮できます。

軽量気泡コンクリートの特徴とは

軽量気泡コンクリートで建物を建設すると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

  • 耐久性に優れている
  • 断熱性が高い
  • 耐火性・防火性に優れている
  • 軽量鉄骨造よりは防音性がある
  • ALCパネル自体の強度がある
  • 建物の歪みや地盤沈下の心配が少ない

上記6点について、一つひとつ説明します。

耐久性に優れている

ALC外壁の耐久性は、他の素材と比べてもかなり優秀です。サイディングや金属系の外壁の耐久性は40年、モルタルの外壁は30年ですが、ALC外壁は60年もの耐用年数があります。ただし、この60年という数字は、きちんとメンテナンスをしながら使うことが前提です。

なぜここまで耐久性があるのかというと、ALCパネルが経年劣化しにくい素材で構成され、また金属で補強されているためです。

断熱性が高い

軽量気泡コンクリートには無数の気泡があり、その気泡が空気の層を作ります。そのため、普通のコンクリートの10倍もの断熱性があるのです。

軽量気泡コンクリートは、一般的な外壁材よりも外気の影響を受けにくく、建物内を一定の温度に保ちやすいです。断熱性が高いと、一年中快適に暮らせますし、エアコンの効率も良く経済的です。

耐火性・防火性に優れている

軽量気泡コンクリートは、不燃材料のため耐火性に優れています。しかも、原料に有機質が含まれていないため、燃えても有害物質が出ることがありません。

万が一火災が起きても、燃え広がりにくいため安心です。また、自分が火事を起こさなくても、近隣建物からのもらい火という可能性もあります。

そのため、耐火性に優れた素材で家を建てることが必要です。耐火性に優れていると、燃え広がるのにも時間がかかるため、避難する時間が稼げるでしょう。

軽量鉄骨造よりは防音性がある

軽量気泡コンクリートは、木造や軽量鉄骨造より防音性はあります。建物構造による防音性の違いについては、以下のとおりです。

建物構造防音レベル
SRC造生活音だけでなく外からの音も気にならない
RC造子どもの泣き声や、走る音は聞こえる
重量鉄骨造足音、ドアの開閉などが聞こえる
ALC造足音、ドアの開閉音などが聞こえるが、木造よりは軽減
軽量鉄骨造生活音が聞こえる
木造テレビの音や電話の音も聞こえる

木造や軽量鉄骨造りよりは遮音性が高いですが、防音室のように完全に消音できないという点は理解しておきましょう。

ALCパネル自体の強度がある

ALCパネルの内部には、補強材が組み込まれています。補強材とはたとえば、特殊防錆処理をした鉄筋マットやメタルラス、金網などです。そのため、ALCパネル自体に強度があります。

高層ビルなどの強度が求められる建物は、外壁や間仕切壁、床などにもALCパネルが使われています。強度のあるALCパネルは地震の際にでも壁が崩れにくいため、現在建築に欠かせない建材です。

建物の歪みや地盤沈下の心配が少ない

軽量気泡コンクリートは、気泡が入っているためコンクリートに比べると約4分の1の軽さです。地盤沈下が起こりやすい地域でマンションや高層ビルを建てる場合、地盤沈下や建物の歪みのリスクが起こりやすくなります。

しかし、軽量気泡コンクリートを使用すると、その重みが軽減されます。軽量気泡コンクリートを使って建設した物件は建物への負担を軽くし、地番沈下の心配も少ないです。

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ALC造と他の建物構造との違い

ALC造の建物と他の木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、RC造、SRC造の各構造ではそれぞれ違いがあります。

各構造の防音性、耐震・耐火性、通気性について比較した表が以下のとおりです。

防音性耐震・耐火性通気性
ALC造
木造×
軽量鉄骨造
重量鉄骨造
RC造×
SRC造×

この他にも、ALC造は断熱性と耐久性に優れています。一つひとつ詳しく説明します。

木造

木造の建物は、日本では一般的です。多くの戸建て住宅やアパートなども、木造で作られています。木造構造の建物は通気性がよく、調湿性もあるのが特徴です。

ただし、耐火性・耐震性・耐久性はそこまでよくありません。ALCパネルを使っていない木造の建物は遮音性がほとんどなく、アパートなどでは隣の生活音が聞こえるでしょう。

軽量鉄骨造

軽量鉄骨造とは、厚さ6mm以下の鋼材で作られた住宅の構造のことをいい、戸建ての住宅やアパートによく用いられています。

木造の建物よりは耐震性や耐久性に優れていますが、ALCパネルを使用していない通常の軽量鉄骨造りだと、遮音性が低いとされるのが一般的です。

木造ほど隣の音が筒抜けではありませんが、それでも隣の音が気になることがあるでしょう。通気性や調湿性は、木造のほうが優れています。

重量鉄骨造

重量鉄鋼積造は、用いられる鋼材が6mm超です。建物の造りが頑丈になるため、3階以上のマンションやビルを建設するときに重量鉄鋼を使います。

鉄骨造は、耐火性があまりよくありません。それは、鉄が高温になると強度がなくなるという弱点があるためです。

遮音性にもあまり優れていないため、隣の音が気になるという方は鉄骨造の物件を選ばないほうがいいかもしれません。しかし、通常は強度があるため、耐震性や耐久性に優れています。

RC造

RC造とは「Reinforced Concrete Construction」の略で、鉄筋コンクリート造のことを指します。鉄筋コンクリート造は、大型マンションや高層ビルに用いられることが多いです。鉄筋の周りをコンクリートで固めるため強度が高く、耐久性にも優れています。

耐震性・耐火性も他の構造の建物より、性能が上回っています。遮音性も高く、隣の部屋の話し声や生活音などは聞こえないでしょう。

気密性も高いですが、そのため通気性が悪く、湿気がこもりやすいというマイナス点もあります。

SRC造

SRC造とは「Steel Reinforced Concrete Construction」の略で、鉄骨鉄筋コンクリート造のことを指します。RC造に鉄骨が加わっているため、強度もさらに高いです。したがって、鉄骨鉄筋コンクリート造もまた、大型マンションや高層ビルに用いられます。トップクラスの耐震性・耐火性を持つと言われていますが、防音性もさらに優れ、外からの音も気にならないレベルです。

一方でRC造同様、通気性が悪いというデメリットもあります。また、材料費が高く、工期も長いことから、建設コストや賃貸料が高額になる傾向があります。

ALC造の物件を選ぶ際の注意点とは

ALC造の物件は、耐火性や耐震性に優れ通気性もあるというメリットがあります。しかし、遮音性は人によって気になる度合いが違うものです。

実際にその建物を見に行き、自身の耳で遮音性をチェックしましょう。他には、パネルのつなぎ目など外壁塗装に劣化がないかなども気をつけてみてみましょう。

部屋の防音性を確認する

ALCパネルの内部には気泡が無数にあるため、その気泡が音を吸収し、音の伝わりを軽減します。ALC造のため遮音性は大丈夫と思うかもしれませんが、骨組みが鉄骨造のため、洗濯機の振動などは聞こえます。

また、ALC造と記載されている建物でも、隣の部屋との境の壁にALCパネルが使われているかどうかはわかりません。もしも、一般的に遮音性が低いとされている石膏ボードを壁に使用しているのならば、隣の音が気になることがあるかもしれません。

アパートやマンションでALC造と書かれており、遮音性が気になる場合は、実際に確認しに行ったほうがいいでしょう。

パネルのつなぎ目など外壁塗装に劣化がないか

ALCを用いたパネル素材は小さめの作りになっているため、施工する際につなぎ目が多くなります。

新築の建物の場合は問題ありませんが、築年数が経っていると、どうしてもそのつなぎ目が経年劣化してきます。

そのため、担当の不動産にいつ修繕をしたのかを確認し、実際に物件を見に行った際には外壁塗装もチェックしましょう。劣化していると見た目が悪いだけではなく、建物の強度にも関係するためです。

水に弱いので定期メンテナンスが必要

ALC造はメリットも多くありますが、デメリットには「水に弱い」ことがあげられます。ALCパネルの中には無数の気泡があるため、もし長時間水にさらされると、その気泡に大量に水がしみ込むのです。

その結果、その建物の強度が弱くなったり、雨漏りがしたりする可能性があります。そうならないように防水性の高い塗料が塗られていますが、建てられて何年も経つとその塗料も剥がれてしまいます。

そのため、定期的にメンテナンスすることが必要です。

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ALCと呼ばれる軽量気泡コンクリートと、ALC造の建物の特徴や他構造との違いなどを解説しました。外壁にもさまざまな種類があります。

そして、ALC造はメリットも多いですが、定期的にメンテナンスをすることが重要なことがわかりました。

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