塗装が必要な瓦屋根の種類を紹介!塗装方法や費用相場も
他の屋根材と比べて耐久性が高い瓦屋根ですが、塗装が必要な種類も存在します。色褪せや塗装の剥がれなどが発生している場合は、塗装することで本来の性能を発揮させられるでしょう。
そこで本記事では、塗装が必要・不要な瓦屋根の種類や費用相場を詳しくご紹介します。塗装時の注意点も解説するので、瓦屋根のメンテナンスを検討している方はぜひ参考にしてください。
瓦屋根に塗装は不要?塗装するメリット
瓦屋根は、無機質な屋根材として半永久的に使用できるのが特徴です。塗装をしなくても素材の劣化はほとんどありませんが、塗装することで下記のようなメリットを得られます。
- 自然災害などによる欠損を補修できる
- 色あせを補正し、美観維持につながる
- 好きな瓦の色に変更できる
小さなひび割れや欠け程度であれば、塗装で塗膜をかけることにより、欠損を補修することが可能です。また、瓦屋根も経年劣化で色褪せしてしまうため、定期的に塗装することで高級感あふれる見た目をキープできます。
色のバリエーションが少ない瓦を好きな色に塗り替え、自分好みの外観にできるのもメリットと言えるでしょう。
塗装が必要な瓦の種類はどれ?
瓦屋根には「セメント系瓦」「スレート系瓦」「金属系瓦」「粘土系瓦」の4種類があり、それぞれ特性が異なります。一般的に、粘土系瓦は塗装が不要と言われているため、まずは自宅の瓦屋根の種類を調べてみることが大切です。
それぞれの特徴や塗装の要否などを解説するので、詳しく見ていきましょう。
また、以下の関連記事では、屋根塗装の費用相場や、安く抑えるための5つのコツを紹介しています。気になる方はぜひご確認ください。
関連記事:屋根塗装の費用相場
セメント系瓦
セメントを主成分とするセメント系瓦(モニエル瓦含む)は、粘土瓦に比べて耐久性が低く、防水性にも劣る傾向にあります。
紫外線や雨風にさらされることで年々劣化し、放置しておくと色褪せやカビ、雨漏りなどの症状が発生するのが難点です。
セメント系瓦の寿命は約30〜40年と長いですが、劣化を放置すると雨水が浸水し、大きなひび割れや破損を引き起こす恐れも。素材自体の劣化を防ぐためにも、築10〜15年を目安に塗装メンテナンスを行うのがおすすめです。
スレート系瓦
セメント系瓦と同様にセメントが主成分のスレート系瓦も、塗装によるメンテナンスが欠かせません。紫外線による劣化が進むと雨水を吸収しやすくなり、セメント瓦よりも劣化スピードが早い傾向にあります。
劣化を放置していると、屋根の浮きや反り、カビの繁殖などが深刻になり、塗装だけでは対応しきれない可能性もあるため注意してください。カバー工法や葺き替え工事など大規模な修繕工事が必要となり、費用も高額になります。
スレート系瓦の塗装タイミングは、築8〜10年程度が目安なので、なるべく早めに塗装を検討しましょう。
金属系瓦
アルミニウムや鉄、ステンレスなどを素材とした金属系瓦には、主にトタンとガルバリウム鋼板の2種類があります。どちらも軽量で耐震性に優れており、価格も比較的リーズナブルなのが特徴です。
防水性も高いものの、経年劣化でサビが発生する点には注意が必要。サビが進行すると屋根が腐食し、穴が開いてしまうケースも少なくありません。
塗装時はサビ止め塗料を塗るのが一般的なので、工事内訳に入っているか、見積もりをしっかり確認するようにしましょう。
トタンは築5〜10年、ガルバリウム鋼板は築10〜15年程度を目安に塗装するのがおすすめです。
粘土系瓦は塗装不要!
和瓦や洋瓦などに代表される粘土系瓦は、その名の通り粘土を成形して作られているのが特徴です。陶器のように丈夫で耐久性が高く、基本的に塗装メンテナンスは必要ありません。
破損の心配も少ないため、自然災害などで大きな被害を受けなければ、100年以上使用できると言われています。
ただし、瓦屋根の下に敷く防水シートや漆喰は劣化するため、約20〜30年を目安にメンテナンスすることが大切です。もちろん、屋根の色も塗装で変更できるので、見た目の印象を変えたい場合は業者に相談してみましょう。
瓦屋根の塗装にかかる費用相場
瓦屋根の塗装にかかる費用は、1㎡あたり5,000〜10,000円前後が相場です。たとえば、50㎡の屋根を施工する場合は約25〜50万円、80㎡の場合は約40〜80万円程度かかると把握しておきましょう。
また塗装費用は、使用する塗料のグレード・種類にも大きく左右されます。下記に1㎡あたりの単価と耐用年数をまとめているので、どの塗料を使用するかの参考にしてください。
塗料の種類・グレード | 耐用年数 | 単価/㎡ |
ウレタン系塗料 | 5~7年 | 1,500~2,000円 |
シリコン系塗料 | 6~12年 | 2,000~2,500円 |
フッ素系塗料 | 8~15年 | 3,000~5,000円 |
基本的に、耐用年数が高い塗料ほど単価も高くなる傾向にあります。なお、熱の吸収を抑制できる「遮熱塗料」もありますが、瓦屋根は元々熱伝導率が低いため、遮熱塗料を塗布しても効果はあまり期待できません。
瓦屋根を塗装する際の注意点
最後に、瓦屋根を塗装する際の注意点をご紹介します。塗装を長持ちさせるには下地処理が重要となるので、丁寧に施工してくれる業者に依頼することがポイントです。
また、劣化状況によっては葺き替え工事が必要な場合もあるので、塗装できるかどうかは業者と相談するようにしましょう。
下地処理を徹底する
セメント系瓦は、下地処理を丁寧に行ってから塗装しましょう。特に、モニエル瓦には「着色スラリー」と呼ばれるセメントの着色剤が塗られており、必ず除去が必要です。
スラリーはもちろん、苔や藻が付着したまま塗装すると、塗装が剥がれやすくなってしまう恐れもあります。
高圧洗浄やケレンで除去するのが一般的なので、どんな下地処理をするのか、見積もりの内訳で確認しておきましょう。
下塗り材で密着性を高める
下塗り材が十分塗布されていないと、上塗り材との密着性が弱くなり、屋根の耐久性が低下する可能性があります。下地処理を徹底すると素材が剥きだしになるため、下塗り材を再度塗布することが重要です。
使用する下塗り材は、瓦屋根の種類や劣化状況によっても異なるため、素人判断で選ばないよう注意してください。
劣化状況によっては葺き替えを検討する
築年数が長い場合や瓦屋根が寿命を迎えている場合は、塗装ではなく葺き替え工事を検討するのがおすすめです。
一度もメンテナンスしていない瓦屋根は、知らないうちに劣化が進んでおり、塗装してもすぐ雨漏りやひび割れなどの不具合が生じるリスクもあります。結果的に費用が高くつく可能性もあるため、葺き替え工事で瓦屋根をリフォームすると良いでしょう。
葺き替え(張り替え)工事とは、既存の瓦屋根を撤去し、新しい屋根を張り替える工法のことです。
費用相場は約100〜180万円が目安で、屋根材を変更する場合や劣化状況によっては約200万円程度必要なケースもあります。特に、屋根にアスベストを使っている場合は、撤去・処分費用も加算されるため注意が必要です。
まずは、塗装業者に屋根の状況を点検してもらい、葺き替え工事が必要かどうか診断してもらうようにしましょう。
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塗装が必要な瓦屋根の種類や費用相場、注意点などをまとめてご紹介しました。耐用年数が長い瓦屋根ですが、塗装することで、より快適な住まいを実現できます。塗装業者を選ぶ際は、複数の業者に相見積もりを依頼し比較検討することが大切です。
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