個人事業主が経費で落とせる7品目、意外にNGな4品目も
個人事業主の利益と経費を計算し、所得税額を確定させるのが確定申告。確定申告時の経費項目、わかりますか。国税庁が毎年特設ページを作成します。しかし経費項目については細かく記載されていません。どのような項目が経費として計上できるのでしょうか?経費は原則、事業に必要である判断し使用した、使用済みの項目を計上します。
ここでは、個人事業主の方が経費で落とせるのか、落とせないのか迷いがちな品目についてお伝えしていきます。
個人事業主が経費で落とせる品目
1. 自動車
個人事業で使用する自動車の購入・使用に伴う、取得費用・維持費・車両費は経費で落とすことができます。具体的には、自動車取得税・重量税・自賠責保険・自動車税・自動車保険・車検の費用や駐車場代、ガソリン代も経費として計上できます。新車ではなく中古車を購入すると、法定耐用年数を算出する計算をしなければなりません。保険については4の項目で追記しますが、経費計上は可能です。
2. 家賃
自宅を、兼事務所として使用している方の方が多いのではないでしょうか。自宅の家賃も経費計上できます。自宅のうち、どの程度の面積を事務所をして使用しているのか?面積に応じて経費で落とすことができます。トイレに行き来するリビングやキッチンの面積もおおむね含め、最大約50%程度を申告される方が多いようです。
3. スーツ
スーツや衣服の購入も経費計上できます。税理士の方によっては、含まないと判断する方もいます。しかし平成26年度には会社員に適用される特定支出控除が見直され、スーツや書籍も必要経費として認められることになりました。個人事業主でも事業が拡大するほど、購入を余儀なくされることもあるでしょう。説明できるよう、明確な理由を持っておきましょう。
4. 保険
経費1の項目で説明した自動車に関して、自賠責保険や自動車保険も経費として計上できます。事業で必要であったために購入した自動車の維持にかかる費用である、という点がポイントです。事業に対して必要な自動車・事業所(自宅)に対しての経費として考えましょう。
5. 医療費
国家資格を持っている方が施術をする治療・診療は、医療費として経費計上できます。はり・きゅう、あんまマッサージ指圧師、柔術整復師は国家資格があります。パソコンに向かって座っていることが多く肩こりが酷いなど、国家資格を持っている方からの治療を受けている状況であれば医療費で控除しましょう。
6. 書籍、新聞
書籍や新聞も経費計上できます。他社や業界動向の情報収集だけではなく、勉強用に購入することもありますよね。例えばファッション関連の個人事業を展開しているのであれば、勉強用のファッション雑誌や繊研新聞の購入は経費です。
7. 資格取得
資格取得へ向けての講習会・セミナー・受験費用も経費として計上できます。ただし業務上必要な知識や資格であることが条件です。例えばフリーライターの方がWebライティングに関する資格取得を行う際の費用は経費です。
よくある経費で落とせないのに落とせると思われている品目
1.生命保険料
個人事業主自身の生命保険料・国民健康保険や国民年金は経費計上できません。
2.スポーツクラブやマッサージなど
スポーツクラブの会員費は経費計上できません。マッサージなど、国家資格を持っていない方が施術するサービスは経費計上できません。
3.事業費用と家庭用とが明確に分けられていないもの
例えば家賃や光熱費も、個人事業の経費として計上できますが、あくまでも事業に使用した分です。確定申告の際は、自宅の敷地面積の内何%を事業に使用しているのか?、数字で説明できるように準備しましょう。
電話代や宅配料金・郵便料金などの通信費も家庭用として使用したものと分けてはじめて経費計上できます。仕事の移動の交通費も、理由が仕事であることが必要です。もちろん帰りに家族の夕食を購入するなどは可能です。
4.使途が明確ではない交際費
交際費や会議費としての経費計上も、理由が仕事でなくては計上できません。会社員が経理部に経費申請をするときと同様、理由なき交際費や極端に高額な飲食の領収書などはなんだか怪しいですよね。明確な理由が無ければ経費として計上できません。
最後に
経費で落とせる項目を把握できましたか?経費計上できるものはなるべく経費として扱い、節税しましょう。平成27年度の確定申告の時期は終わりましたが、平成28年度の確定申告の時期まで1年をきりました。
直前に準備をし始めると、数か月前のの領収書を見て「これ、何に使ったんだっけ」と思い出せないなんて、確定申告準備中に良く起こりますよね。普段から経費項目を意識して領収書を受け取ると、思い出しやすくなりますよ。ぜひ覚えておいてください。
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