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築50年住宅をリフォーム!注意点や費用相場を解説

2023/02/21 2024/03/21
築50年住宅をリフォーム!注意点や費用相場を解説

築50年の住宅に安心して長く暮らすためには、リノベーションや全面リフォーム、建て替えを検討するのがおすすめです。選択肢が多いため、どの工法が良いのか、どの業者に依頼すれば良いのか迷っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、築50年の住宅を暮らしやすく変えようと考えている方に向けて、必要な情報を詳しく解説しています。工法や業者を選ぶときの注意点、費用相場についても説明しているので、ぜひ参考にしてください

この記事を監修したプロ
佐藤優樹 さん

株式会社ワイズアンドルイスデザイン工務店

築50年の住宅はどんな状態?

築50年の住宅は、現在の新築住宅と比べ、工法や設備などに大きな違いがあります。そのため、通常のリフォームや建て替えよりも費用がかさむことも少なくありません。

また、50年という時間が経過したことで、建物の状態が劣化し、安心して暮らせる住まいではなくなっている可能性もあります。リフォームや建て替えを検討する前に、まずは住宅の状態を把握しておきましょう。

基礎作りや水回り設備などの違いがある

一般的に現在の新築住宅では、鉄筋やコンクリートで基礎部分を作る「布基礎」や「ベタ基礎」の工法が用いられています

一方、築50年の住宅では束石(つかいし)やコンクリートブロックの上に柱をのせる「独立基礎」の工法が使われていることが多いです。独立基礎では束石と柱がつながっていないため、地震などの衝撃により、柱がずれたり建物が倒壊したりする恐れがあります。

また、住宅の間取りも現在と50年前では異なります。現代ではキッチンとリビングが同じ空間にあることも多いですが、50年前は独立したキッチンが土間にあることも珍しくありませんでした。

洗面所などの水回り設備に関しても同様に違いがあります。洗濯機が屋外に設置されていたり、洗面台が廊下に配置されていたりと、現在と比べると使い勝手がよくないことが多かったようです。トイレも50年間で大きく変わっています。現在は洋式トイレが主流ですが、50年前は和式トイレが主流で、トイレの空間内に段差があることも多くありました。

耐震基準など、法改正前に建てられている可能性がある

現行の耐震基準は1981年6月1日に施行されました。そのため、1981年5月31日までに耐震性能の確認を実施し、その後一度も建て替えや改修工事が行われていない住宅は注意が必要です。以前の法基準に基づいて建てられている可能性があり、地震の規模や揺れ方によっては倒壊しやすくなるかもしれません。

また、耐震性能の基準だけでなく、建物を建てる基準も50年前と現在では異なります。現在では建築不可となっている土地に建てられている建物は「再建築不可物件」と呼ばれ、建て替えを実施することができません。建築確認申請不要で実施できるリフォームを行うか、土地・建物の基準を現行の法制度に合うように変更する必要があります。土地・建物の基準を変える場合には大がかりな工事が必要となるため、工事費用も高額になることが多いです。

内装や外装ともに劣化がみられる

築50年ともなると、内装や外装に劣化が見られるのは仕方のないこと。雨漏りが生じるときには外壁や屋根の張り替え、室内の冷えや結露が気になるときには断熱材の導入などが必要になるでしょう

また、現行の耐震基準を満たしてない場合は、筋交いを入れるなどの耐震性能を高める工事が必要となります。断熱性能を高める工事と同様、費用が高額になる可能性があるので注意が必要です。

家族構成やライフスタイルが変わったことにより、部屋の間取りも大幅に変更する必要が生じるかもしれません。たとえば、従来は居間と呼ばれる個室のような狭い空間に家族が集まるのが一般的でした。しかし現在の住宅では、リビングが広く設計されているので、、家族だけでなく来客を迎える空間としても使うことが多いです。ライフスタイルの変化が建築にも大きな影響を及ぼしていると考えられるでしょう

リフォームとリノベーション、建て替えの違いとは

築50年の住宅を暮らしやすいように変える方法としては、リフォームとリノベーション、建て替えの3つを検討できます。各方法の定義や違いについて、比較しながら解説します。どの方法を選ぶか判断に迷ったときは、ぜひ参考にしてください。

リフォームとは

リフォームとは、劣化した部分や壊れた部分を新築の状態に戻す工事のことを指します。建物の基礎はそのままに、間取りを使いやすく変更したり、トイレやキッチンなどの水回りを改修したりすることがリフォームです。

なお、リフォームには、一部分だけを工事する「部分リフォーム」と、住宅全体を工事する「フルリフォーム」があります。いずれも住宅に新しい価値を加えるリノベーションとは異なり、新築の状態に戻すことを目標として実施されます。

リノベーションとは

リノベーションとは、建物に新しい価値を生み出すために実施される工事です。たとえば、耐震性能や断熱性能を高めて、住まいに「安心」や「快適」などの価値を付与することなどが該当します。

ほかにも、現在の暮らし方に合わせて、壁や部屋などの間取りを大幅に変え、広々としたリビングを作るリノベーション工事を実施することもあります。

フルリノベーションとは、内装すべてを取り払い、玄関や窓の位置、間取りなどを大きく変更することです。一度、基礎を部分露出させるため、補強が必要な部分に気付くことができ、住宅を長持ちさせやすくなります。

建て替えとは

建て替えとは、既存の建物をすべて壊し、現在と同じ場所に新しい建物を建てることです。内装だけでなく、外装や住宅の機能、性能などもすべて変更できます。リフォームやリノベーションよりも工事に制約がなく、自由度の高い建築を実現できるでしょう。

どの方法がいいのかを判断するポイントとは

リフォーム、リノベーション、建て替えのどの方法が良いのか判断に迷ったときは、次のポイントをチェックしてみましょう。

  • 今後のライフプランを考慮する
  • 予算で選ぶ
  • 耐震性に問題はないか
  • シロアリの被害はないか

それぞれのポイントでおすすめの工事方法を紹介します。ぜひ参考にしてください。

今後のライフプランを考慮する

まずは、今後のライフプランを考慮して選択するようにしましょう。現在と同じ家族構成で暮らし続けるなら、劣化した設備や使いづらい部分だけをリフォームし、変更・修繕するのがおすすめです。

家族構成は変わらないけれども、ライフスタイルの変化により大幅な間取り変更が必要になるときは、リノベーションやフルリノベーションも検討できるでしょう

一方、子ども世帯と同居することになった、マンションに引っ越すので建売住宅として売却したいなどの場合は、建て替えが必要になります。工事をする前に家族全員でライフプランについて話し合ってみましょう。

予算で選ぶ

予算によっても、適切な工事方法は異なります。3つの方法のなかでは、住宅をすべて壊して新しく建てる「建て替え」が、もっとも費用が高額になる傾向にあります

内装を取り払ってスケルトン状態にしてから実施するフルリノベーションやフルリフォームも、費用が高額になることが多いです。また、特定の設備だけ、部屋だけを改修工事する場合でも、新しく導入する設備や資材のグレードが高いときは高額になるでしょう。

まずは複数のリフォーム会社や建築会社に相談し、見積りを取って比較検討することが重要です。見積書を細部まで確認し、信頼できる良心的な業者を選びましょう。

耐震性に問題はないか

現行の建築基準法で建てられた住宅でないときは、耐震性能に問題がある可能性が想定されます。また、現行の耐震基準で建てられている住宅であっても、何度か大きな地震を経験していたり、元々の施工に問題があったりするときは、耐震性能が不十分な可能性があります。

高額な費用をかけてリフォームしても、倒壊してしまっては意味がありません。まずは現在の耐震性に問題がないか、専門業者にチェックしてもらいましょう。安全性を確認してから、必要に応じて補強工事なども行います。

シロアリの被害はないか

築年数が経っている住宅は、雨や湿気に長期間さらされているので、シロアリの被害が生じているケースがあります

シロアリの被害が見つかったときは、補修工事ではなく建て替えを検討できます。専門業者に、シロアリの被害が出ていないか調べてもらってから判断しましょう。

築50年の住宅をリフォームする際の注意点

築50年の住宅をリフォーム・リノベーションするときは、次のポイントをチェックしておきましょう。

  • 住宅診断を行う
  • 耐震性など防災面を確認する
  • 断熱性・気密性を高める
  • 配管・配線を新しくする
  • 建築基準法を確認する

それぞれのポイントで何を検討すべきか、また検討する際の注意点を紹介します。ぜひ参考にしてください。

住宅診断を行う

高額な費用をかけてリフォームをしても、基礎が劣化し、住宅そのものの寿命が短くなっているときには、建て替えが必要になってしまいます。リフォームやリノベーションの費用を無駄にしないためにも、工事前に基礎部分や耐震性などを調べる住宅診断を実施しましょう。

なお、戸建て住宅では自由に住宅診断を行えますが、マンションなどのケースでは管理会社に相談してから行うことが必要です。住宅の性能・状態を把握するためにも、まずはしっかりと調査をしておきましょう。

耐震性など防災面を確認する

住宅において、安全性は何よりも大切です。安心して暮らしていくためにも、あらかじめ耐震性能などが現在の基準に合っているのか専門家に確認してもらうことがおすすめです。

ただし、マンションなどの集合住宅では、専門家によるチェックにも管理会社の許可が必要になります。万が一、何か問題が見つかったケースでも、個人の一存では補強工事を勧めることができません。中古物件を購入してリフォーム・リノベーションを検討している場合は、防災面に問題がないか確認してから購入することが必要です。

断熱性・気密性を高める

住宅の暮らしやすさを決めるポイントともなるのが、断熱性や気密性です。壁や床、天井などに高性能の断熱材を入れておくなら、外気温に左右されにくい快適な住宅になるでしょう。窓や玄関ドアなどを気密性の高いものにすることで、空調設備の効きがよくなり光熱費削減も期待できます。

ただしマンションの場合、壁は共有部分となるため、勝手に工事をすることができません。専門家に物件の性能を調べてもらう前に、管理会社への確認が必要となる点に留意しておきましょう

配管・配線を新しくする

築年数が50年ほどになると、配管や配線にも劣化が生じていると考えられます。水漏れや漏電が起こる可能性もあるので、工事前に配管や配線を確認してもらい、新しいものに交換するほうがよいでしょう

ただし、配管や配線の交換も、マンションでは戸建てのように勝手に行うことができません。リフォーム・リノベーションを行う前に、マンションの建物全体の修繕・補修計画について確認しておくことがおすすめです。

建築基準法を確認する

現行の建築基準法を満たし新しい耐震基準に沿った住宅になるよう、リフォーム工事の内容を決めることが必要です。リフォーム会社と相談し、工事内容や耐震対策についてしっかりと検討しておきましょう。

また、建築基準法では、耐震関連だけでなく防火対策や建物の高さなどについても細かく規定されています。法律に則った建物を完成させるためにも、各規定についても確認しておきましょう。

リフォーム費用相場とは

築50年の住宅のリフォーム費用相場は300万~1,000万円といわれています。とくに水回りの設備はすべて交換するほうがよいため、グレードにもよりますが200万~500万円の高額な費用がかかりがちです。

また、建て替えの場合には、建物の広さなどにもよりますが1,500万~2,000万円は必要になります。工事の種類や設備・資材のグレードによっても費用は大きく変わるため、リフォーム会社から見積りを取って確認しておきましょう。

工事内容が同じでも、リフォーム会社によって費用が大きく変わる可能性もあります。予算内で工事を実現するためにも、複数のリフォーム会社から見積りを取って比較検討することが大切です。

ゼヒトモでリノベーション業者のプロを探す

築50年の住宅を安心して暮らせる住まいにするには、リフォームやリノベーション、建て替えを検討する必要があります。それぞれ施工内容や費用相場も異なるので、本記事を参考に自分に合った工事を検討してください。

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プロからのコメント

築50年の木造であっても、手の入れようによっては、コンクリートの住宅のように、耐用年数を伸ばすことが可能です。

重要なことは、耐震性のアップ断熱性のアップ設備及び給排水・電気・空調・ガス設備の更新。あとは住む方に合わせた間取りと内外装の化粧の更新で新築同様に生まれ変わります。

築50年の建物をフルリノベーション+耐震補強することのメリットは、新築よりも安価で、書類の届け出等の時間が削減できること。そして、何よりも住み慣れた家もしくは、仮に相続した家をこれからも残し続けられることではないでしょうか。

そのような思い出の詰まった家が、昔の名残も残しつつ、間取りや耐震性、見た目も生まれ変わったとしたならば、とても素敵な事だと思います。

実際の事例として、去年の春に築50年の田園調布にある古民家をリフォームさせていただきました。おばあ様の家をお孫さん夫婦とそのひ孫さん達の為にリノベーションするという趣旨でしたが、最終的なコンセプトは歴史と思い出を受け継ぎながら、再生するというところにありました。

長い歴史と思い出の詰まった建物が、これから更にもう50年住み続けられる建物に再生できる事に関係者の一人としてとてもやりがいを感じ、光栄に思っております。

古い家こそ今後も大切に住み続けていただけたら幸いです。

この記事を監修したプロ
佐藤優樹 さん

株式会社ワイズアンドルイスデザイン工務店

フルリフォーム&スケルトンリノベーションを専門とした建築設計事務所兼工務店。二級建築士・二級建築施工管理技士・木造住宅耐震診断士・インテリアコーディネーターなど様々な資格を持つ。 低価格×緻密な調査+プランニング力+設計力+製図力+施工技術=高品質で安心安全なリフォーム&リノベーションをご提供。工事をご依頼のお客様につきましては、現調、計画、設計、製図、見積作成まで全額無料での対応。

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