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地下室をつくりたい!必要な特殊工事やその費用についてご紹介

2022/12/07 2024/03/29
地下室をつくりたい!必要な特殊工事やその費用についてご紹介

空間の有効活用や気兼ねなく楽器を演奏したいというニーズから、自宅に地下室をつくることを検討している方もいらっしゃるでしょう。しかし、実際に施工するとなると建物全体への影響が大きく、費用が掛かります。さらに、地下室を作るために必要な検査も追加されるため、どのような施工工程が確認しておくと安心です。

本記事では、地下室を作る時に必要な特殊工事やその費用についてご紹介します。

地下室のメリット

地下室リフォームをおこなうと、以下のようなメリットを得られます。

  • 土地の有効活用ができる
  • 地震に強く耐震性が高い
  • 防音性・遮音性に優れている
  • 温度が一定に保たれる

自宅に地下室をつくることを検討している場合は、メリットを具体的に知り、必要となる費用とのバランスを確認しましょう。

土地の有効活用ができる

地下室をつくる1つ目のメリットは、限られた敷地のなかで空間を有効活用できる点です。地域・土地によっては、建設できる建物の容積率や高さに関する制限が設けられている場合があります。

1994年に改正された建築基準法によると、住宅などに併設された地下室は容積率緩和の対象です。建物の合計床面積の3分の1までであれば容積率に算入する必要がないため、3階建禁止地域であっても延床面積を増やせます。

建物に関する規制が厳しい地域や狭小地でのリフォームを検討している場合は、地下室はメリットの大きい選択肢となるでしょう。

地震に強く耐震性が高い

地下室は耐震性が高いため、大きな地震が発生した場合でも、地上の建築物に比べて影響を受けにくいのがメリットです。地面の下に空間を設けるには、鉄筋コンクリートを利用するのが一般的で、木造部分よりも安全性が高い傾向があります。

万が一のケースに備えて、地震に強い地下室をシェルターや大切な物品を保管する場所として利用するのもよいでしょう。また、地下室をつくることで、木造住宅自体の耐震性を上げる効果があるともされています。

防音性・遮音性に優れている

周りが土に囲まれている影響で、地下室では地上より音が伝わりにくいのがメリットです。

防音性・遮音性が高い地下室をつくれば、近隣住宅へ迷惑をかけずに趣味の楽器演奏や映画鑑賞を楽しむ空間を確保できます。

地上階に高性能な防音室を設置したいと考えている場合は、ある程度の費用がかかるのを覚悟しなければなりません。地下に防音室をつくる場合と、条件や費用を比較してみるのもよいでしょう。

防音室までの機能性が必要ない場合でも、生活スタイルに合わせて地下室を有効活用できます。地下で発生した音や振動は上階に伝わりにくいため、子どもが自由に遊べるスペースやトレーニングルームに適しています。

温度が一定に保たれる

地下空間では季節による温度変化の影響が小さく、快適な環境が保たれるのがメリットです。地下室が一定の温度を保てるのは、地上の熱や冷気に触れない場所にあり、熱しやすく冷めやすいコンクリート造だからです。

冬は暖かく夏は涼しい地下室を活かして、ワインや保存食の保管場所として利用してみましょう。地上階で保管するよりも、温度調整に気を使う必要がなくなります。

また、温度の変化に弱い子どもやペットの遊び場としても、地下空間が活躍します。

地下室のデメリット

快適なプライベート空間の確保に有効な地下室ですが、残念ながらいくつかのデメリットがあるのも事実です。主なデメリットとしては、次の3点が挙げられます。

  • 結露しやすい
  • ドライエリアから浸水しやすい
  • 建設費用が高い

良い面ばかりをみてリフォームを決めてしまうと、後々思いもよらないトラブルに悩まされる可能性があります。デメリットを正しく把握し、自宅の環境や条件に合っているかを慎重に検討しましょう。

結露しやすい

地下室は湿気を含んだ重い空気が集まりやすく、結露が発生しやすいのが1つ目のデメリットです。地下室内の温度と地中の温度の差が大きいと、湿気がたまりやすい環境が出来あがってしまいます。

適切な換気をおこなわずに放置してしまうと、カビの発生につながる恐れがあるでしょう。地下室リフォームから1~2年の間は、コンクリートに含まれた水分が蒸発する過程で湿度が高まりやすいため注意が必要です。

防水処理を施したコンクリートであっても、水分が抜けきるまでは湿気対策を徹底しましょう。

ドライエリアから浸水しやすい

台風や豪雨の際は高低差のある地下室に雨水が流れ込みやすく、浸水してしまうリスクがあります。特に通風や採光を確保するためにドライエリアを設けている場合は、たまった雨水が室内へ侵入しやすくなる点に注意しましょう。

1度浸水してしまうと大規模なメンテナンスが必要となってしまうため、事前に充分な浸水対策をしておく必要があります。

ドライエリアの床から地階サッシまでの立ち上がりと、地盤面からの立ち上がりは余裕をもって高さを確保します。排水溝とピットの設置も忘れないようにしましょう。

建設費用が高い

地下室リフォームを思いとどまる方が多い要因の1つとしては、建設費用の高さが挙げられます。地上階の工事をおこなう際には必要のない、地盤調査や防水工事が必須であるため、どうしても費用がかさんでしまうでしょう。

安全性と機能性を備えた地下室をつくるには、1,000万円以上かかってしまう場合もあります。設置する地下室の仕様や面積によっても費用に差が出るため、いくつかの施工業者に相見積もりを取って、内容を比較しましょう。

地下室をつくる費用と内訳

10坪程度の広さの地下室をつくる費用は、およそ800~1,000万円程度とされています。地下室リフォームは、同じサイズの建物を地上に建設するよりも費用がかさむのが一般的です。

地下の空間を安全に利用するために必要とされる、いくつかの特殊な工事や調査が費用に影響を与えています。費用内訳の内容や相場を確認し、地下室リフォームを検討する際の参考材料にしてみてください。

地盤・地質調査

地下室の安全性を確保するためにおこなうのが、地盤・地質調査です。地下室の施工においては簡易的な調査ではなくボーリング調査を実施し、地盤の強度や地層境界の深さなどを調べる必要があります。

詳細な調査が必要になる分、調査費用は高額になりがちです。しかし、ボーリング調査は施工方法や地盤改良工事の必要性の検討、地下水位の把握のために欠かせません。

地盤・地質調査費用は、安心して利用できる地下室をつくる際に、必須の費用だと認識しておきましょう。

費用目安:30~40万円程度

構造計算

構造計算では安全性を確保するために、積雪や家具設置にかかる重量で建築物がどのように変形し、応力が生まれるかを計算します。地上に一般的な木造住宅を建築する場合は簡略化が認められる場合が多い構造計算ですが、地下室をつくる際には必須の工程です。

コンクリートを用いて施工される地下室の場合は、地下でかかる土圧や水圧に対する構造計算がおこなわれます。また、地下室のみならず、地上階部分の構造計算も必要となる点には注意しましょう。

費用目安:50~70万円程度

RC造部分実施図面作成

鉄筋コンクリート造の地下室をもつ住宅は、一般的な地上部分のみの木造建築に比べて構造が複雑で、綿密な設計が必要とされます。地下での水圧や土圧を計算し、安全性に問題のない特殊で正確な図面を作成するために、設計費用は高額になりがちです。

図面に沿って施工をおこない、工事中はいかなる変更点も許容されません。地上室との接合部分も神経を使って設計する必要があり、高度な技術が求められる工程です。

費用目安:40万円程度

山留め工事

地下室の施工を安全に進めるために欠かせないのが、山留め工事です。具体的な構造設計が完成し、地下室建設工事に着工するためには、まず土を掘り返して十分な大きさの穴をつくります。

工事の際には、地中に地下室のスペース以上の空間を確保しなければならないため、掘り起こす土の量はかなり多くなるでしょう。掘り進める時に周囲の地盤が崩れるのを防ぐ目的でおこなうのが、山留め工事です。

安全性確保のために必須の工事で、費用は土地の状態や施工プランによっても幅が出ます。

費用目安:150~250万円程度

残土処分

残土処分とは、地下室をつくるために掘り起こした不必要な土を処分場まで運搬し、処分する工程です。計画している地下室の大きさによっては、かなり多量の土を処分しなければなりません。

特に処分場から距離のある都心で工事を実施する場合は、残土処分費用が割高になる傾向があるようです。適切な価格が提示されているか、業者の見積もりを確認するようにしましょう。

費用目安:180~230万円程度

防水工事

湿気や浸水のトラブルに悩まされやすい地下室では、丁寧な防水工事実施で対策を取る必要があります。コンクリートは水を含みやすいという特徴があり、正しい処理がおこなわれていないと、浸水やカビ発生の原因にとなりかねません。

防水工事は施工方法が多様で、業者ごとのスキルによっても完成度に影響が出ます。後々トラブルが大きくなってからでは、大掛かりな補修工事がひつようとなるケースもあるでしょう。

防水工事に関する確実な技術をもった、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

費用目安:70~100万円程度

配筋・打設工事

配筋・打設工事とは、地下室をつくるための基本的な配筋・コンクリート打設工事のことです。鉄筋を配置して型枠を組み、コンクリート打設を進めていきます。

配筋・打設工事の費用は、ハウスメーカーや施工業者によって差が大きい部分です。ドライエリア併設などの条件によっては、さらに費用がプラスされるでしょう。

費用目安:200~500万円程度

断熱・除湿工事

地下室の快適な環境確保のために必要なのが、断熱・除湿工事です。倉庫として地下室を活用する場合であっても、温度変化を少なくし湿気の発生を防ぐために、断熱・除湿を検討しましょう。

具体的には、除湿機や排水システム、除湿型の全熱交換器などの設置をおこないます。湿気がたまりやすい地下室を少しでも快適につくり上げるためには、リフォーム工事の時点で湿気対策をしておくのがおすすめです。

費用目安:100万円程度

ドライエリア用工事

地下室の採光や換気を良くするのに有効なのが、ドライエリアの設置です。建物周辺の地面を掘り返して空間を確保することで、光が届き風が通る快適な地下室が実現できます。

ただし、排水の面では対策が必須となるため、ドライエリア工事の費用は高額になりがちです。雨水に対する備えが完璧でない場合は、浸水トラブルにつながってしまう恐れもあります。ドライエリアの設置は、費用対効果をしっかりと検討して進めるようにしましょう。

費用目安:150万円程度

地下室が作れないケースもある

空間の有効利用のために地下室の建設を希望している場合でも、条件によっては施工が難しいケースがあります。地下室リフォームの際には、次のポイントを確認してみましょう。

  • 地盤に問題はないか
  • トンネルや下水道管の有無
  • 浸水問題・水脈の有無
  • 土地や地盤の現地調査を通過しているか

ここからはそれぞれのポイントを、ご紹介します。

地盤に問題はないか

地盤が弱いなどの問題がある場合は、地下室の建設が難しくなります。土地の状態を詳しく知るためには、地盤調査が有効です。

調査で地盤に問題があると判断された場合は、地盤改良などの補強工事が必要となり、追加で費用が発生してしまうでしょう。最初から地下室のある住宅の建築を希望している場合には、地盤が弱い場所は避けたほうが無難です。

地下室を設けることで住宅の基礎部分が深く築かれるため、構造的には安定性が増します。地盤が弱い場所でも、基礎部分が地中の硬い層に到達する場合は、地盤改良工事なしで地下室の施工が可能な場合もあるようです。

地下にトンネルや下水道管がある

建物の地下にトンネルや下水道管などが位置している場合も、地下室をつくる際の障害となります。個人の意見で動かせない障害物がある場合は、地下室を諦めるしかないでしょう。

地下の様子は地上からでは確認できないため、いざ地下室の建設を検討して調査を進めた段階で問題に気付く場合も多いでしょう。住宅に地下室を必ず設けたいという場合は、事前に地下の障害物がないかを確認することが欠かせません。

浸水問題・水脈の有無

地下室は位置的にどうしても水や湿気に弱いため、頻繁な浸水が予想される地域では地下室の施工を避けたほうがよいでしょう。いくら万全な防水工事をおこなったとしても、度重なる水の被害に耐えられなくなる可能性が高いからです。

1度浸水の被害が起きてしまうと、住宅自体に与えるダメージが大きく、建物の寿命が短くなってしまう恐れもあります。地下室を建設しようとする場所の周辺に水脈が確認された場合も、地下室の建設に向いている土地とはいえません。

専門業者の判断によっては建築できるケースもありますが、浸水のリスクがある点は忘れないようにしましょう。

必ず土地や地盤の現地調査が必要

計画の段階で地下室の建設に問題がないと判断された場合でも、必ず土地や地盤調査をおこなう必要があります。実際に現地で調査をおこない、初めて思いもよらない問題が出てくるケースもあるでしょう。

最終的に地下室を建設できるかどうかは、土地・地盤の現地調査にて判断されます。調査が終わるまでは、確実な結果が得られないと考えておきましょう。

ゼヒトモでリノベーションのプロを探す

地下室は防音性・遮音性に優れているうえに、住宅の耐震性を高める効果が期待できます。限られた敷地面積を有効活用してプライベートな空間を確保したいという場合に、地下室リフォームはおすすめの選択肢です。

ただし、安全を確保しながら快適な地下室をつくり上げるには、高い施工技術が必要となる分費用もかさみます。地下室リフォーム業者を検討する際には、複数の業者に相見積もりを取ることが欠かせません。

費用とサービスの両方を比較しながら、安心して工事を依頼できる業者を探すようにしましょう。

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