洗面所をリフォームする際、機能性に優れた壁紙・クロスを選ぶ必要があります。洗面化粧台や浴室が近くにあるため、結露やカビが発生しやすい環境です。清潔な状態にするには、どのような機能が必要でしょうか。
また、洗面所は圧迫感を覚えやすく、デザインコーディネートにも気を配らなければなりません。この記事では、洗面所向けの壁紙・クロスの選び方やリフォーム費用などについてご紹介します。
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洗面所リフォームでの壁紙・クロスの選び方
洗面所に貼る壁紙やクロスは、種類が豊富です。そのため、どのように選べばいいか悩む人も少なくありません。壁紙・クロスの選び方を間違えると、後悔する可能性もあります。ここでは、洗面所の壁紙・クロスの選び方のポイントをまとめました。それぞれ、確認していきましょう。
水汚れに強いクロス素材を選ぶ
住宅の内装工事で使用されるクロスの素材は主に7種類です。洗面所には水汚れに強く、耐久性に優れた素材のクロスを使用しなければなりません。洗面所に適したクロスの素材は、ビニールクロスとオレフィンクロスがあげられます。
ビニールクロスは、機能性とデザイン性を兼ね備えている点が特徴です。他の素材に比べて安く、コストパフォーマンスに優れています。一方、オレフィンクロスは有害物質がほとんど発生しないため、健康被害の不安を抱える心配がいりません。
ビニールクロス
ビニールクロスは塩化ビニール樹脂を主原料とし、紙製の施工用シートを貼り付けたクロスです。耐水性や吸湿性に優れており、湿気の多い洗面所やトイレでの使用に適しています。
水を通しにくく油汚れにも強いため、拭き掃除で水汚れや化粧品汚れを簡単に落とせる点が特徴です。消臭や抗菌、防カビ機能などを搭載した商品も多数開発されており、洗面所を長く清潔な状態に保てます。
エンボス加工やプリント加工など、デザインバリエーションも豊富で、おしゃれな空間を演出できるでしょう。反面、有害物質のホルムアルデヒドが使用されているため、シックハウス症候群を招く可能性があります。
リフォーム費用を抑えたい方、アレルギーの不安がない方におすすめの選択肢です。
オレフィンクロス
オレフィンクロスとは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を主原料とするクロスです。ビニールクロスと性質が似ており、耐水性や耐衝撃性、防汚性に優れています。自然環境やアレルギーを持つ方に配慮しており、有毒ガスはほとんど発生しません。
木目調や石目調のデザインも用意されており、ナチュラルな雰囲気を演出できます。反面、ビニールクロスよりも単価設定は高いです。ビニールクロスの単価が1,000円〜1,700円に対し、オレフィンクロスは1,500円〜2,000円が費用相場となります。
また、ビニールクロスほど使用されておらず、扱っている工事業者はさほど多くありません。クロスの厚みも薄いため、優れた施工技術を持つ職人に依頼しないと、きれいな仕上がりは望めないでしょう。
デザインテーマや色の使用数を決めておく
壁紙・クロスのデザインバリエーションは年々増えています。スタイリッシュやナチュラル、ゴージャスなど、事前に洗面所のテーマを決めておくことが重要です。テーマ設定が曖昧だと、ご自身の要望と異なるデザインに仕上がる可能性が生じます。
また、洗面所で使う色の数を限定しておくのも1つの方法です。3〜4色前後に限定すると、まとまった印象を与えられます。ホワイト・ベージュ・オレンジ・薄いピンクは清潔感や華やかさを演出できるため、おすすめです。
配色比率を意識する
インテリアのカラーコーディネートで使用される配色比率を意識して、洗面所の配色を考えるのも1つの選択肢です。配色比率は「70%:25%:5%」が黄金比率といわれています。70%がベースカラー、25%がメインカラー、5%がアクセントカラーの位置づけです。
3つの役割を以下の表にまとめました。
色の種類 | 役割や特徴 |
ベースカラー | ・もっとも多くの面積を占める色 ・メインカラーやアクセントカラーを引き立てる役割 |
メインカラー | ・インテリアや空間の中心的役割を果たす色 ・色や柄の違いが空間の印象に大きく影響 |
アクセントカラー | ・空間に変化をつけるために使用 ・ベースカラーやメインカラーと明るさを揃えるのが効果的 |
ベースカラーには、ホワイトやアイボリー、グレーなど、明度が低く見やすい色を選ぶのがおすすめです。また、ベースカラーにメインカラーと明度が近い色を選ぶと、全体が引き締まった印象を与えられます。
そして、アクセントカラーは面積が小さい一方、視線の関心や注目を集める箇所です。金色やピンクなどを選ぶと、インパクトを与えられます。
メインカラーに明るい色を選ぶ
洗面所はスペースが限られており、圧迫感を感じやすい空間です。薄いピンクやオレンジなど、暖色系の色をメインカラーで選択すると、開放感を演出できます。清潔感を演出したい場合は、ブルーやホワイトを選びましょう。
家電やインテリアと色を合わせる
洗面所に置かれている家具や住宅設備の色に合わせるのも1つの方法です。色のトーンが統一されると、スッキリとした印象を与えられます。たとえば、洗濯機や洗面化粧台、洗面ボウルをホワイトに統一していたとしましょう。
ホワイトを基調とした壁紙・クロスを選ぶと、清潔感や透明感を演出できます。アクセントを与えたい場合は、タイル調や花柄の商品を選ぶのも1つの選択肢でしょう。
また、キャビネットや収納棚が木目調の場合、ブラウンを選ぶのがおすすめです。全体のトーンが統一され、落ち着きや安らぎを感じる空間に仕上がります。
小物との調和も意識する
洗面所には歯ブラシやタオル、スキンケア商品など、細かいアイテムを多数置きます。各アイテムとの相性も考えておかないと、コーディネートの統一性を印象付けられません。
カラフルな色使いの小物が多い場合は、ホワイトやブラウンなど、落ち着いたトーンの色を選びましょう。
大きい柄物を避ける
近年はタイル調や木目柄など、柄を使った壁紙・クロスも珍しくありません。柄はデザインにアクセントを与えられますが、洗面所で使う場合は、小さめの柄物を使いましょう。洗面所はスペースが狭く、大きな柄が描かれていると圧迫感を与えます。
柄が途中で切れてしまい、意図していた印象を与えられない可能性もあるでしょう。柄物を使う際は、洗濯機や洗面化粧台の周辺など、施工範囲を限定しておくのが有効です。
洗面所に使用する壁紙やクロスに必要な機能
汚れ防止機能
水汚れに強い加工を施した壁紙・クロスを貼る必要があります。洗面所に使用する壁紙・クロスは他の箇所と異なり、水や汚れが付着しやすい状況です。洗面ボウルの設計によっては洗顔や歯磨き、メイク落としの際に、水やお湯が周囲に飛散します。
小さい子どもを育児中の場合、泥の付いた衣服や靴を洗った際、土汚れが壁紙やクロスに跳ねるケースもあるでしょう。水や土汚れはシミや跡になりやすく、掃除が大変です。
表面にフィルムのラミネート加工を施している壁紙・クロスを選ぶと、水拭きで簡単に汚れを落とせます。ダブルクリーン壁紙やフィルム汚れ防止壁紙などを選び、清潔な状態を保ちましょう。
抗菌機能
洗面所は湿気が多く、雑菌が繁殖しやすい環境です。水やお湯、洗剤の飛散によって、雑菌が繁殖する可能性も十分考えられます。ご自身と家族への健康被害を防ぐため、リフクリーン壁紙やファンクレア壁紙など、抗菌作用を持つ壁紙・クロスを選択しましょう。
雑菌の繁殖を防ぐ効果が期待でき、アレルギーや感染症の発症を避けられます。
消臭機能
洗面ボウルや排水溝に汚れが溜まると、嫌な臭いが洗面所に漂います。子どもがスポーツをしている場合、衣服に染み込んだ汗の臭いが洗面所全体に充満することもあるでしょう。消臭機能を持つ壁紙・クロスを選ぶと、洗面所の不快な臭いを和らげられます。
ファブリーズ壁紙やルームエアー壁紙などを選び、快適な空間を形成しましょう。
防カビ機能
洗面台や洗面化粧台に加え、浴室が隣接されているケースが多い洗面所は、室内がこもりやすい環境です。お住まいのなかでもカビが発生しやすいため、防カビ機能を搭載した壁紙・クロスを選ばなければなりません。
仮に洗面所にカビが発生すると、水虫や皮膚炎、夏型過敏性肺炎など、さまざまな健康被害を及ぼします。黒カビが繁殖した場合は生命力に優れているため、完全に除去するのが困難です。
防カビ機能を搭載したサンゲツSPやリリカラLBなどを選び、カビの繁殖を防ぎましょう。双方とも撥水機能や抗菌機能を搭載しており、清潔な状態を保ちつつ手入れの負担を軽減できます。
また、防カビ機能を搭載した壁紙・クロスは、必ずしも洗面所全体に貼る必要はありません。洗面台や浴室付近など、カビが繁殖しやすい箇所にピンポイントで貼り付ける方法も選択できます。
防水機能
カビの発生を予防するには、防水機能を搭載した壁紙・クロスの選択が欠かせません。洗面台や浴室の付近など、水まわりは結露が発生しやすい状況です。防水機能を搭載した壁紙・クロスを選ぶと、壁に付着した水や結露を拭き掃除で簡単に拭き取れます。
また、防カビ機能を搭載した壁紙・クロスは、防水機能も兼ね備えているケースが多いです。商品選びに困る可能性も低いでしょう。
洗面所リフォームでの壁紙・クロスの工事費用相場
洗面所の壁紙・クロスの張り替えを工事業者に依頼した場合、施工面積やクロスの種類などによって、費用は変動します。仮に6帖の洗面所をリフォームしたとしましょう。天井+壁4面を施工した場合、工事費用は30,000円〜50,000円が相場です。
工事費用には、材料費や壁紙・クロスの処分費用も含まれています。ただし、壁の下地が劣化している場合、補修作業や下地処理が必要です。相場よりも多額の工事費用が必要になる点を覚えておきましょう。
また、洗面所リフォームの場合、リビングや寝室などと比べて施工面積がさほど広くありません。他の箇所を作業するときと比べて、リフォーム費用が高騰しにくいです。ハイグレードな壁紙・クロスを選びやすく、機能性やデザイン性を最大限追求できます。
DIYでのリフォーム費用
DIYで壁紙・クロスを新たに貼りかえた場合、リフォーム費用は30,000円〜35,000円が相場です。多少は安くなっていますが、工事業者に依頼した場合と大きな差額はありません。
DIYの場合は壁紙・クロスに加え、ローラーやハケ、ベラなど、作業に使う道具の用意が必要です。また、下地が劣化している場合は、補修作業や下地処理をしなければなりません。どちらの作業も一定水準以上の専門知識と実務経験が求められます。
壁紙・クロスをご自身で貼りかえる作業は、手間や失敗のリスクが大きいため、推奨できません。リフォーム会社や工務店に依頼しましょう。
洗面所の壁紙・クロスの張り替えに対応可能なリフォーム業者
内装工事が得意な工務店やリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。普段から壁紙・クロスを多数仕入れており、本体価格を安く抑えられます。自社施工を強みとする会社も多く、中間マージンや作業料金が上乗せされる心配もありません。
優れた施工技術を持つ職人が施工を担当するため、きれいな仕上がりも望めます。また、洗面台の交換やクッションフロアの張り替えなど、別の工事をあわせて依頼可能です。
複数の工事を依頼する場合、施工事例や対応可能な業務を確認してから、外注先を絞り込みましょう。
洗面所の壁紙・クロスに関するよくある質問
サンゲツのおすすめ商品やコーディネートのポイントなど、洗面所リフォームに関して多く寄せられた質問をまとめました。
洗面所リフォーム人気を集めるサンゲツの商品は?
引用:サンゲツ公式サイト
株式会社サンゲツは、インテリア・エクステリア商品を扱う専門商社です。機能性とデザイン性を兼ね備えた壁紙を多数扱っています。洗面所での使用に適した壁紙は、フィルム汚れ防止壁紙と吸放湿壁紙です。
フィルム汚れ防止壁紙はバリアタイプとバランスタイプ、2種類から選択できます。バリアタイプは防汚性に優れている点が特徴です。汚れが付きにくく、仮に付着しても水拭きで簡単に汚れを落とせます。
抗菌性と耐薬品性にも優れており、お手入れに中性洗剤を使用しても問題ありません。一方、バランスタイプは水汚れに特化した汚れ防止機能を搭載し、清潔な状態を長く保てます。施工もしやすく、美しい仕上がりを望める点が魅力です。
また、吸放湿壁紙は調湿性に優れ、結露やカビの発生を抑えられます。
洗面所リフォームでおすすめの防水性壁紙とは?
ファンクレア壁紙やリフクリーン壁紙がおすすめです。ファンクレア壁紙とは、水汚れに強いファンクレア®フィルムを表面にラミネートしたタイプの壁紙を指します。大腸菌や黄色ブドウ球菌の繁殖も防げるため、育児中の方も安心できるでしょう。
ファンクレア壁紙はルノン株式会社や東リ株式会社が扱っています。一方、リフクリーン壁紙とは、防水・消臭・防カビ機能など、多くの機能を搭載した壁紙です。ファンクレア壁紙は、シンコールインテリア株式会社が扱っています。
洗面所の壁紙を貼りかえる際のデザインのポイントは?
ご自身のデザインテーマに合っているか、家具や小物との相性は悪くないかなど、複数あります。テーマに関してはスタイリッシュやナチュラルなど、リフォーム前にどのような雰囲気にしたいか、決めておくことが重要です。
アイデアがまとまらない場合は、工事業者の担当者に相談しながら固めていきましょう。また、洗濯機や洗面ボウル、キャビネットの色と合わせると、統一感を演出できます。落ち着いた色を選ぶと、小物がカラフルな場合でも色目立ちを避けられるでしょう。
洗面所の壁紙・クロスのリフォーム業者はゼヒトモで探すのがおすすめ!
洗面所に新しい壁紙・クロスを張る場合、工務店やリフォーム会社に依頼します。ただし、施工事例や実績を1社ずつ確認していくのは大変です。仕事や家事、育児が忙しく、調査に十分な時間を割けない方も少なくありません。
壁紙・クロスの張り替えが得意な工事業者を効率的に見つけるため、ビジネスマッチングを活用しましょう。ビジネスマッチングとは、「発注先を探している一般消費者」と「新規顧客を求めている企業」をつなぐサイトです。
ゼヒトモでは必要事項の入力や質問に答えるだけで、ご自身の条件に合った工事業者を見つけられます。業者とのやりとりや見積依頼に費用はかかりません。最大5社から無料で提案を受けられます。
洗面所の壁紙・クロスの張り替え先を探している方は、ゼヒトモの利用をご検討ください。
監修したプロのコメント
洗面所の壁紙・クロス選びは選択肢が多く、悩む方が多いです。比較的狭い空間のため、配色や柄選びで失敗しやすいのが特徴です。理想の空間を作るには、施工事例を参考にしつつ、プロの意見を聞くことをおすすめします。これにより、機能性とデザイン性のバランスが取れた、満足度の高い仕上がりが期待できます。