土壁リフォーム! 土壁の補修方法の特徴や費用相場は?
土壁とは主に土を用いて作った壁のことで、古くから日本で利用されてきました。多彩な風合いや高い調湿性、断熱性などがメリットである一方で、表面が乾燥し土が剥がれ落ちてくるデメリットもあります。
今回は土壁リフォーム、土壁の補修を検討している方に向けて、土壁のメリットとデメリット、補修方法と費用について解説します。
土壁(つちかべ)とは
土壁とは、土を主な材料とした壁の総称です。左官工事によって作られ、日本で古くから使われてきました。土壁は下地から表面まですべてを、赤土や漆喰、珪藻土などを用いて作っています。
混同しやすいものとして「砂壁」がありますが、砂壁は石膏ボードやモルタルなどの壁に、練った糊と砂を塗装したものです。土壁と砂壁はそれぞれ材質が異なるほか、土壁が下地からすべて主に土を用いて作られるのに対し、砂壁は下地と表面に用いられる材質が違う点をおさえておきましょう。
経年劣化によって土壁が剥がれ落ち始めた場合、土や漆喰を塗りなおす本格的な補修以外に、施工期間が短く手軽な方法として壁紙クロスを貼るというリフォーム方法もあります。
土壁を塗り直すリフォームの費用相場は、8畳間で30万円程度です。一方、クロスを貼る場合は10万円程度かかります。
土壁のリフォームは、コストを抑えたい場合はdiyで対応することもできますが、リフォーム会社や左官業者に施工を依頼するのが一般的です。
土壁のメリット・デメリット
土壁は自然素材の風合いや、高い調湿性や断熱性などが主な魅力として挙げられます。しかし基本的に左官の手作業で作られるため、工期が長期に渡る可能性があるほか、時間の経過に伴い表面が乾燥し、ひび割れを起こしやすいといった点に注意が必要です。
ここからは、壁の施工方法に土壁を選択した場合の、メリットとデメリットについてそれぞれ解説していきます。
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土壁のメリット
多彩な風合いを楽しめる
土壁は赤土や漆喰、珪藻土といった素材の種類や、職人のコテ模様をつける技術などで様々な風合いを表現することができます。
調湿効果がある
湿度が高いときには吸湿し、乾燥しているときは加湿するという調湿効果が見込めるのも、土壁の特徴です。高温多湿の日本で土壁が根強い人気を誇ってきたのは、この調湿効果によるところが大きいといえるでしょう。
断熱機能がある
熱や冷気を逃しにくい土壁の性質により、冬は暖房の暖かさを維持しやすい点もメリットです。極端な温度変化を避ける必要のある、醤油やお酒造りの蔵の多くに土壁が用いられているのも、断熱機能を利用しているためです。
耐火性に優れている
土壁は火に強い素材のため、火災の延焼を防止する機能に優れている点もメリットとして挙げられます。
シックハウス症候群やアレルギーになりにくい
土壁には、下地から表面に至るまで自然素材が用いられていることは既にお伝えしました。また素材の性質上、隙間なく施工されたように見えても、顕微鏡でわかるくらいの細かい気泡が多数あります。
シックハウス症候群やアレルギーになりにくいのは、土壁自体が自然素材であることに加え、気泡にホルムアルデヒドやアンモニアなどの化学物質が吸着するためです。
土壁のデメリット
ひび割れが起きる可能性がある
表面の土が乾燥してひび割れが起きる可能性がある点は、土壁のデメリットの1つといえます。ひび割れをそのままにしておくと、ダニが住み着いたりカビが発生することがあるため、適切な修復が必要です。
施工やリフォームに費用や工期がかかる傾向にある
土壁の施工は、基本的に職人が漆喰や珪藻土などを手作業で塗って行うため、クロスの貼り替えと比較すると、施工に費用や時間がかかる傾向にあることに注意しましょう。
施工業者によって仕上がりに差が出る
土壁にひび割れが起きやすいということは前述したとおりですが、塗り方や仕上げによって強度が変わったり、ひび割れの起きやすさが異なったりします。また職人の技術や経験、センスによって色合いや風合いの美しさにも差が生まれます。
土壁リフォーム、土壁の補修方法と費用
自然素材の風合いを活かして雰囲気のある部屋にできたり、調湿性や断熱性に優れていたりといった点が土壁に施工するメリットです。一方で、表面の乾燥によりひび割れが起きやすいため、適切な補修が必要であることはデメリットとしてお伝えしたとおりです。
ここからは次の3つの土壁のリフォーム方法について、概要と費用の相場、工期を解説していきましょう。
- 壁と同様の素材を使って、塗り直す
- 壁紙に貼り替える
- 珪藻土や漆喰で塗りなおす
土壁と同様の素材を使って、塗りなおす
【8畳間の場合】
期間:2~4日程度
費用:30万円程度
土壁に用いられる材料には、大きく分けて3つの種類が存在します。「赤土や黒土などと呼ばれる古くから使われている土」「漆喰」「珪藻土」です。
土壁が、上記の1つ目の古くから使われている土で作られている場合、その機能を最大限に活かすには元の素材と同様の素材を塗りなおすリフォーム方法がおすすめです。クロス壁紙に貼り替えるといった方法よりも、土壁のメリットをそのまま残すことができます。
ひび割れの範囲を調べ、下地となる土を塗り込み乾燥させた後、数回に分けて表面に薄く土の層を塗って仕上げます。
最初に土壁のひび割れや経年劣化の状態を見て、下地処理の必要性などを判断しますが、DIYではその見極めが困難です。下地処理の必要があるのに、そのまま上塗りをしてしまうといった失敗も少なくありません。
壁紙に貼り替える
【8畳間の場合】
期間:1日程度
費用:10万円程度
もっとも費用や手間がかからないリフォームは、土壁の上に壁紙やクロスに貼る方法です。最近の壁紙はデザインが豊富で、さらに抗菌や防音などの機能を備えているものも多いため、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。壁紙やクロスに貼り替えるだけで、一気に和室の雰囲気が変化します。
土壁にひび割れや、土が頻繁に落ちるような劣化がないかを確認し、左官作業で下地を形成するか壁の上にベニヤ板を貼り、表面に壁紙やクロスを重ね貼りします。
壁紙の貼り替えをDIYで行う際も、下地処理の必要性の有無を見極めることなどが難しいため注意が必要です。はじめから、業者に施工を依頼することをおすすめします。
珪藻土や漆喰で塗りなおす
【8畳間の場合】
費用:20万円程度
土壁のリフォームとしては、既存の土と同じ素材や壁紙・クロスを重ねる以外に、珪藻土や漆喰などの別の素材で塗りなおす方法も選択肢の1つです。異なる素材を用いて施工することで、和室などの内装の印象を大きく変えられるほか、脱臭や防カビ効果を見込めるようになります。
ただし珪藻土や漆喰のそれぞれの特徴やデメリットを確認した上で、業者への補修の依頼をしましょう。珪藻土はしみができやすく表面が崩れやすい点が特徴です。また、漆喰は衝撃でひびが生じる可能性があります。
土壁はDIYで補修できる?
DIYで土壁の補修をすることは可能ですが、それなりに時間がかかるうえ、簡単に行えるものではありません。またリフォーム後のトラブルを避けるためにも、専門の施工業者に作業を依頼した方が賢明です。
土を塗り込んだりクロスを張ったりする前の、下地処理の必要性の判断が難しいことや、漆喰や珪藻土に塗り替える際に、素材の知識や左官の技術が必要なことが主な理由です。回り道をせず、最初からプロに依頼した方が、結局時間もコストもかからないといえるでしょう。
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土壁とは下地から表面まですべてを、赤土や漆喰、珪藻土などを用いて作った壁のことで、多彩な風合いや高い調湿性、断熱性などが特徴です。表面が乾燥して剥がれ落ちてきたら、土や漆喰などを塗りなおしたり、壁紙やクロスに貼り替えたりして対応します。
ただしいずれの方法でも、リフォーム会社や左官業者に施工を依頼するのが一般的です。
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