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相続でみんながやる事・困る事、生前にやっておくといい事を専門家に聞きました!

2022/02/25 2022/03/01
相続でみんながやる事・困る事、生前にやっておくといい事を専門家に聞きました!

相続に関する事で困っていることはありませんか?

相続でみんながやる事や困る人が多い事、生前にやっておくといい事があります。 この記事では、相続の専門家に相続について知っておいた方がいい事を取材してきました。

年々高齢者が増えている。相続対策は大丈夫?

このグラフは日本の人口ピラミッドです。2020年(推計人口)ですが、少子高齢化の波により、どんどん高齢者の割合が増えていっています。

出典:日本の人口ピラミッド統計ダッシュボード (https://dashboard.e-stat.go.jp/)のデータを加工して作成

そして高齢者人口の増加にしたがって、年々亡くなる人も増えてきました。

身内の方が亡くなったときは悲しみにくれ、何も手につかなくなるかもしれませんが、行政機関や金融機関への届け出は待ってくれません。

人が死亡したとき必要な主な届け出や手続き

  • 死亡届
  • お葬式関係の手続き      
  • 保険金の請求
  • 健康保険関連の手続き
  • 公共料金の名義変更
  • 預貯金口座の停止
  • クレジットカードの解約
  • 年金関係の手続き

 ・・・などなど

 

行政機関や金融機関の届け出だけでも、かなり数が多いですよね。

これらの内容についても「詳しく知っている」という人は少ないでしょう。

人生の中でそう何度も経験することではないですから。

 

誰もが困っている身内の方が死亡した時の諸手続き

現在政府は、その届け出を簡易化するしくみ(※注1)を作成中です。

自治体の中には、 大分県別府市や三重県松阪市のように、ワンストップ(一度の届け出で関連する諸手続きがスムーズに行くこと)で対応するところがでてきています。

※注1 政府CIOポータル https://cio.go.jp/onestop-sibousouzoku  内閣官房IT総合戦略室資料 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/dejigaba/dai11/siryou8.pdf

 

ただ、私達にとっての問題は役所関係以外の手続きです。役所関係の手続きは、市町村役場で聞けば教えてもらえますが、それ以外の相続関係の手続きはどうしたらいいでしょう?

そこで今回は、実際に相続に関する問題をワンストップで相談に応じる専門家に、相続ではどんなことに困っている人が多いのか、お話をきいてきました。

 

お話を聞いた相続の専門家の先生

相続問題の専門家 

中島美樹先生

中島美樹先生

佐藤良久先生

佐藤良久先生

一般社団法人東京都不動産相続センター代表理事

一般社団法人東京都不動産相続センターでは、ワンストップで相続に関わる問題の相談にのってもらえます。

誰に相談したらいいか分からない問題も、税理士や司法書士など、その問題の解決にふさわしい専門家につなげてもらえるのが、(一社)東京都不動産相続センターのワンストップサービスです。

先生方の詳しいプロフィールはこちら

 

相続で多くの方が経験し、困る事とは何?

多くの人が相続で困っている事が分かっていたら事前に対策ができます。みんなが困る事はどんなケースがあるのでしょうか?

遺産相続困る事

Q.相続関係の手続きで、多くの人が困っていることは何ですか?

中島先生「相続で多くの人が経験し困ってしまうものに、不動産名義変更と預貯金口座の解約があります。
預貯金口座は大体の方がお持ちですし、家や土地をお持ちの方も対象になります。

 不動産名義変更と預貯金口座の解約はほとんどの人がやることなんですが、いざやろうとなると、どこから手をつけていいんだろう?と困る人が多いのです。」

Q.不動産の名義変更は、一般の人にはハードルが高そうですね?

中島先生「以前は登記相談を法務局でできたのですが、今はコロナで相談をストップしている法務局が多いんです。

法務局のホームページに登記申請書と記入例が提示してあるのですが、自分では登記ができないとお困りの方から、当事務所に相談が来ることが多いですね。」

Q.預貯金の解約では、何に困る人が多いのですか?

中島先生「亡くなられた方の預貯金の解約手続きでは、戸籍の取り寄せにつまづく人が多いです。
地方出身だと本籍がある役所に戸籍の請求をしなくてはいけません。

生まれ育った場所にずっと住んでいると、そこまで困らないのですが、離れた土地で暮らしている場合など、困る人が多いですね。」

Q.相続で困った時はどこに相談したらいいのでしょう?

中島先生「『火事の場合は消防署』というのは誰でも知っていますが、相続の場合は決まりがないので、どこに相談していいかわからない人が多いです。

一般的には司法書士に相談する人が多いですね。
不動産を持っていて、『税金がかかりそうだな』と思っている人は、最初に税理士さんを窓口にする人も多いようです。」

 

Q.何を基準に司法書士や税理士を選んだらいいでしょうか?

中島先生「ネットで検索するとたくさんでてくるけど、選ぶ決めてとしては 相続を専門にやっているかどうか が重要です。

税理士の登録者数79,956人(令和3年11月末:日本税理士連合会)に対して、被相続人数(死亡者数)は1,340,397人(国税庁ホームページより) のべでならすと、税理士一人あたり1年で1〜2件の取り扱い件数になります。

相続税の申告をたまにやるとなると、特例や控除を見落とす可能性があります。

相続税がかかりそうな場合も、いろんな特例を適用すると相続税を払わなくて済むことも多くあります。

特例や控除は毎年のように改正があり、複雑です。

相続案件に慣れていないと、特例を見落とすこともあるので、相続専門の税理士や司法書士に相談することをおすすめします。」

 

相続の生前対策をしたほうがいい人とは?

相続の生前対策は、なにもお金持ちだけがやるべき事ではないのです。残された人の事を考えて、やっておいた方がいい生前対策とは!?

 

生前対策

生前に対策をしたほうがいい2つのパターン

1)不動産の相続税がかかりそうな場合。

2)家族関係の問題で、遺言を残しておかないと手続きに手間と時間がかかりそうな場合。

 

東京や大都市(地価が高い地域)の人は要注意!

中島先生「東京に不動産をお持ちだと、それだけで基礎控除を超えること(編集部注:税金がかかる事)があります。

土地建物を持っている人と、投資不動産を持っている人は対策を考えたほうがいいです。」

不動産の評価額を知って対策をとることが必要!

不動産の現在価値

中島先生「相続税を考えるにあたり、不動産をどう評価するかを考える必要があるので、今いくら位の価値があるかを試算し、誰にどれだけ残すかを計画します。

結構あるのが、相続財産のほとんどを不動産が占めてしまう方です。

相続税がかかる方は相続税申告までに納付をしないといけないのですが、手元に現金がない場合は、不動産を売却しないといけなくなります。

納税額がどのくらいか前もってわかっていると準備することができます。

そのためにも、相続税がどれぐらいかかるかを、ある程度事前に計算して知ってるといいと思います。」

お金に関係なく相続対策したほうがいい人とは?

Q.独身者・子供がいない夫婦は対策が必要!?

中島先生「独身の方・お一人暮らしの方は、一緒に住んでいない人が相続人となります。

いざ手続きしようとすると、相続人はどこに財産があるかわからないことが多いです。

誰が主として手続きをするかという問題も起こります。

その他に、子供がいない夫婦の方も対策が必要です。

例えば、旦那様が亡くなると、奥様と旦那様のご兄弟が相続人になります。
法定相続分は奥様(配偶者)が3/4になり、ご兄弟は1/4(1/4を兄弟の人数で分割)です。

相続には相続人全員の関与が必要ですが、兄弟が疎遠だったりすると、なかなか手続きが進みません。

生前に遺言書を残して、『遺産の受取人は妻』としておくと、奥様だけが手続きに関与して預貯金口座を解約したり、相続手続きができます。

ご兄弟が疎遠だと、その方のご連絡先を探すところから始めなくてはいけないので、手続きに時間がかかることが多いのです。」

相続人が海外に住んでいることも増えてきている

中島先生「近年、相続人が海外に住んでいることも増えてきています。

その場合、日本で取る印鑑証明の代わりにサイン証明書をもらったり、書類の種類が変わるので、司法書士に相談される方も多いです。

海外でも常に連絡が取れる状態だと、手続きもスムーズにいくことが多いです。

逆に、疎遠になっている方に連絡を取ると、疎遠な方ほど「私も、もらえるんですよね」と強く主張をする方もおられます。


被相続人の介護やお世話をずっとしていた方からみると、「あの人は何もしていないのに」と、気持ちの面で折り合いがつかないことも多く、解決まで時間がかかることもあります。

相続の問題でもめると弁護士の領域となります。 もめるまでいかないと司法書士が間にはいって連絡をとることもあります。」

Q.中島先生はどういう心がまえで相続人の間で対処されますか?

中島先生「弁護士は依頼者の立場で交渉できるのですが、司法書士は交渉事ができないので、中立の立場でお話しています、ということをよく伝えています。

いきなり弁護士から書類が届くとびっくりされますが、司法書士だと書類がきても何かな?とフラットに受け止めてくれることが多いですね。

疎遠の人で「自分は(遺産は)いらないです」という人もいるので、そういう場合には遺産分割協議書を送り、スムーズに解決することもあります。」

相続問題に関わった中で印象深かった話

相続でびっくりした話

Q.相続は一つとして同じものはないと言いますが、何か印象深いお話はありますか?

ドラマのような話

亡くなる3日前にお前には姉がいると言われて、相談者にとっては、まったく知らないお姉さんが存在していたのです。

亡くなった方は生前対策をしていなかったので、相続人がどこにいるかを探すところから始まりました。

その時はきちんと法定相続分の金額を分割して解決しました。

 

思わずもらい泣きした話

依頼者の生前対策のために、遺言書を書く場に立ち会いました。

一人暮らしの方でしたが、同じマンションに甥子さんが住んでいて、依頼者のお世話をされてました。

遺言書を残すときも、甥子さんに同席してもらい、遺言書に甥子さんへの感謝の言葉を記されました。

その感謝の言葉を聞いていた甥子さん(54歳)が涙し、それを見て思わずもらい泣きしてしまったことがあります。

 

中島先生「相続案件をやっていると効率だけで整理できない事のほうが多いです。

心情の部分もかかわってくるので、一つとして同じ相続はないんです。」

Q.(一社)東京都不動産相続センターやさいたま幸せ相談センターでは『幸せな相続』をキーワードにされていますが・・・

幸せな相続

中島先生「みんな幸せな相続がしたいと思うんです。幸せかどうかは、財産が多い少ないではないのです。

残された側の事を思って財産を残す人もいるし、財産が少なくても面倒をかけないように色々と整理して亡くなる人もいる・・・。

引き継ぐ人のことを考えていくのが幸せな相続ではないか・・・と考えたりもします。」 
佐藤先生「親と子の間だけでなく、もう少し長い時間軸で考えることが必要ではないでしょうか? 

お父さんお母さん、子供。
その子供が結婚してお孫さんも生まれ、ファミリーは長く続きます。

相続も一世代だけで相続を考えない。我々が相続相談をするときは3世代先まで考えて相談にのったりします。」
中島先生「お墓がわかりやすい例かもしれません。お墓は子供が守るというのは誰でも考えます。

でも孫が女の子一人で、その子が嫁いだら、そのお墓はどうなるでしょう?

お墓は一例ですが、不動産も同じように先まで考えて相続を考える必要があります。」
佐藤先生「(一社)東京都不動産相続センターやさいたま幸せ相続相談センターへの相談でしたら、そこまで考えて対応しますし、同じように考える専門家が増えるといいなと思っています。

ただ注意点としては、誰もが幸せな相続を考える専門家ではないことは理解しておいたほうが良いかもしれません。

例えば【後見人になっている先生が横領してしまった】というような事件もたまに新聞に載ってます。

いろいろな専門家がいます。
それぞれに個性があることは知っておいたほうが良いと思います。

依頼する側も、幸せな相続にするためにはどういう専門家に相談すべきかは、常に考えたほうがいいですね」

中島先生「初回相談は多くの専門家が無料で相談をやっています。
その相談の中でも、話を急かす専門家は、効率を考えている先生が多いのかな、と思います。

幸せな相続というよりは、効率化して売上をあげることに比重が行っているかもしれないです。

そもそも相続問題は簡単に解決できるとは思わないほうがいいです。

あちこちで問題が起きていますし、数学と違って方程式にあてはめるものではありません。

相続は、問題を整理して事前に対策しておくことが大切です。」

 

【まとめ】相続を専門家に相談するとき見るべきこと

・きちんとHPを見て団体や専門家の実績などを把握する

・相続を専門として扱っているかどうか

・話を真摯にきいてくれ、安心できる人だと感じられるかどうか

・信念をもって相続案件に対処しているかどうか

 

「専門家なら誰でもいい」と安易に依頼せずに、きちんと専門家のお仕事の内容を確認した上でお仕事を依頼したいですね。そうすることがいい結果につながります。

今回、お二人にお話をお聞きし、相続の奥の深さを感じました。相続についてポリシーを持ってお仕事をしている【あなたに合う専門家】に会えたら、相続問題はかなり明るいものになります。

自分にとっても家族にとっても「幸せな相続」ができるように、一度相続についてじっくり考えてみてはどうでしょう。

 

今回お話を聞いた相続問題の専門家

一般社団法人東京都不動産相続センター代表理事

中島美樹先生

中島美樹先生 相続専門の司法書士

年間100件近くの相談を手掛ける相続専門の司法書士。

相続をただの案件と捉えないで、依頼者の立場になって対策をオーダーメイドしてくれる頼りになる相続の専門家。

You Tubeの幸せ相続ちゃんねるは大変わかりやすいと人気です。

一般社団法人東京都不動産相続センター代表理事

さいたま幸せ相続相談センター代表理事

GSRコンサルティング株式会社代表取締役

佐藤良久先生

佐藤良久先生 相続コンサルタント・相続対策専門士・相続診断士

相続相談対応1000件以上。全国各地で相続や不動産のコンサルティング活動を行っていらっしゃいます。
ご縁があったお客様とより良い関係となり笑顔をもらうことを意識して、幸せな相続についてサポートを行っている不動産相続のスペシャリスト。

佐藤先生の著書

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