家庭用蓄電池の設置費用の相場は?

2023/03/20 2024/03/20
家庭用蓄電池の設置費用の相場は?

充電式で電気を蓄え、電気代の節約や非常時の停電に役立つ「家庭用蓄電池」。さまざまなメリットがありますが、家庭用蓄電池の費用相場は、メーカーや容量、搭載されている機能によって異なります。

本記事では家庭用蓄電池の使い方や費用相場、メリット・デメリットをご紹介しますので、設置を検討している方はぜひ参考にしてください

蓄電池とは?

蓄電池とは、充電して電気を蓄える機能を持つ装置のことで、別名バッテリーとも呼ばれます。何回でも繰り返して使用でき、災害時など緊急時に電気を利用できるだけでなく、節電できるのが特徴です。太陽光発電と連携し、日中に発電した電気を蓄電池に蓄え、夜間に電池を使うことで電気の自給自足もできます。

蓄電池は蓄電容量が少ない家庭用蓄電池と、15kWh以上の産業用蓄電池に分けられます。両者は容量だけでなくサイズや価格も異なりますが、一般的な家庭で利用する場合は家庭用蓄電池で十分でしょう

家庭用蓄電池の設置にかかる費用は?

家庭用蓄電池の設置には本体の費用だけでなく、設置費用や電気工事の費用もかかります。

ここでは、家庭用蓄電池の費用について、内訳や本体価格・設置工事費用それぞれの相場をご紹介します。

必要な費用の内訳

家庭用蓄電池を導入するには、本体価格のほかに設置・取付、配線などの電気工事が必要です。費用を検討する際は、これら3種類を合計していくらかかるかを考えなければなりません。

合計価格の平均は約100〜200万円ほどで、10kWh程度の蓄電池であれば約150万円が目安です。

本体価格・メーカーや容量、機能によって幅がある
・蓄電容量1kWhあたり平均14万円・平均的な蓄電容量は7〜8kWh
設置費用組み立て設置・基礎工事など
電気工事費用配線工事や電気系統の施工

設置・取付と電気工事の費用は、合計して平均約35〜40万円程度です。

本体価格の費用相場

蓄電池の本体価格は、種類や容量、メーカーによって異なります。ここでは、それぞれの費用相場についてみていきましょう。

蓄電池本体の種類別価格

蓄電池には、以下の4つの種類があります。

種類特徴(メリット・デメリット)用途相場価格
鉛蓄電池・安価かつ長寿命。稼働する温度範囲が広い過放電すると使えなくなる
・大きくて重いが、ほかの電池よりエネルギー効率は低い
・自動車
・非常用電源
1kWhあたり約5万円
リチウムイオン蓄電池・小型かつ軽量で高容量。高い電圧を供給できる
・過充電や過放電に弱く電圧管理が必要・低温での動作が安定しない
・パソコン
・スマートフォン
1kWhあたり約20万円
NAS蓄電池・充電できる電力量と比較して小さめで大容量化に適している
・寿命が長い
・充放電時の作動温度を高温にする必要がある
・ナトリウムや硫黄など電解液の危険物管理が必要
・工場などのバックアップ電源1kWhあたり約4万円
ニッケル水素電池・過充電・過放電に強い
・急速充放電が可能
・環境への影響が少なく安全性が高い
・寿命が短く、自己放電が大きい
・充電式乾電池
・ハイブリッドカー
1kWhあたり約10万円

このうち家庭用蓄電池としては、小型で軽量かつ寿命も長いリチウムイオン蓄電池がもっとも適しています。ただし、表を見てもわかるように価格相場は高めです。

家庭用蓄電池の容量別価格相場

家庭用蓄電池の容量でも価格は変動します。容量別の価格相場は、以下の金額が目安です。

5~8kWh約90~160万円程度
9~11kWh約160~220万円程度
12~16kWh約220~280万円程度

一般的に、蓄電容量が多いほど蓄電池の本体価格も高くなる傾向にあります。コストを抑えたい場合は容量の小さいものを選ぶのがよいでしょう。

ただし、使用電力量よりも容量が少ないものを選ぶと使用可能時間が少なくなり、停電時に十分な電力を使えないことになります。蓄電回数が増えることで、本体の劣化も早まるでしょう。

蓄電池の購入時に容量を決めるときは、低価格かどうかだけでなく、停電時に平均でどれぐらいの電力量を使えるかを確認することも大切です。たとえば、7kWhの蓄電器の場合、合計1200Wの電力量を約6時間使用できます。1200Wあれば、冷蔵庫やテレビ、エアコン、LED照明、携帯電話の充電が可能です。

メーカー別家庭用蓄電池の価格

家庭用蓄電池は販売しているメーカーによって特徴や機能が異なり、同じような容量でも価格相場は違います。蓄電池を販売しているメーカー別の特徴と価格を表にしましたので、参考にしてください。

メーカー特徴価格
パナソニック・ライフスタイルや設置環境に応じて多彩な機能を持つラインアップを取り揃える
・老舗メーカーならではの安全性を追求した設計
・安心の長期保証つき
約130万円(5.0kWh)
シャープ・消費電力量や設置場所に合わせて選べる幅広いタイプの製品を揃える
・屋外設置は簡易基礎でも設置でき、基礎工事の工程を大幅にカット
約135万円(4.8kWh)
オムロン・ライフスタイルに合わせてシステムや容量が選べる約125万円(6.5kWh)
ニチコン・家庭用蓄電システムの累積販売台数が国内でトップ
・トライブリッド蓄電システムのV2Hが人気
約120万円(5.9kWh)

※価格は、4人家族の家庭が導入する家庭用蓄電池として一般的な容量を表示しています。

家庭用蓄電池の設置工事の費用

家庭用蓄電池の設置工事にかかる費用は、約40万円までが相場です。費用は、設置場所の状態や蓄電池に接続する配線工事、太陽光発電設備と併用するかにより変わります。

容量が大きいタイプでも配線工事が少なければ工事費用を抑えることができ、小さい容量でも複雑な工事が必要になる場合は相場を超える可能性があるでしょう。施工業者によっても金額に違いがあるため、相見積もりを取ることが必要です。

蓄電池の導入では、国や自治体の補助金を利用して費用を抑えられる可能性があります。補助金については、次の項目で詳しく説明するのでチェックしてみてください。

費用を抑えて設置するためのポイント

家庭用蓄電池の導入では高額な費用が必要ですが、補助金制度の活用で抑えることができます。また、できるだけ費用を抑えるには、複数の業者から相見積もりを取って金額やサービスを比較検討することがコツです。

ここでは、家庭用蓄電池の設置費用を抑えるポイントについてご紹介します。

補助金制度を活用しよう

費用を抑えて家庭用蓄電池を設置するには、国や自治体による補助金制度の活用がおすすめです。条件にあてはまれば、費用を大幅に抑えられる可能性があります。

国からの補助金の場合、2022年度には経済産業省・環境省により「DER補助金」「ストレージパリティ補助金」「ストレージパリティ補助金」の3つで公募が行われました。

たとえばDER補助金では、制度の利用により1kWhあたり3.7万円または設備・工事費の3分の1が補助されています。補助金の詳細は、各省庁・各自治体の補助金情報ページをチェックしてみてください。

相見積もりを取ろう

設置工事を依頼する際は、複数の業者から相見積もりを取ることも費用を抑えるコツです。工事費は施工業者によって異なり、相見積もりにより工事費用やサービス内容がお得な業者がわかります

業者の中には曖昧な見積もりをだし、あとから追加費用を請求してくる場合もあるため、見積もり内容をよくチェックして信頼できる業者を選びましょう。

相見積もりの際は、自社施工を行っているかどうかもチェックポイントです。設置工事を下請けに依頼している場合は中間マージンが発生し、価格が高くなる傾向にあります。

蓄電池設置のメリット

蓄電池の設置により、電気代を節約できるなどのメリットが期待できます。ここでは、家庭用蓄電池を設置することでどのようなメリットがあるのか、みていきましょう。

①電気代の節約

蓄電池の利用で電気代の節約が可能です。電力会社の多くは、利用の少ない夜間に電気料金を安く設定しています。そのため、夜間に充電し、電気料金が高い日中に蓄電池を使うことでコストを抑えられるでしょう。

太陽光発電を導入している場合も同様の使い方により、昼間に太陽光発電で作った電気を売電に回して経済効果を得られるのもメリットです。

②非常時に役立つ

蓄電池は容量に応じて電気を貯めておけるため、災害時や非常時の際に使用できるのもメリットです。2011年に東日本大震災が発生したあとには、非常用として蓄電池の需要が高まりました。

容量によって使用できる家電や時間は異なりますが、冷蔵庫・テレビ・照明・携帯電話の充電など、生活に必要な家電を1〜3日程度稼働させることが可能です。災害による停電に備えて電力を確保していることで、精神的な安心も得られるでしょう。

③太陽光発電と連携可能

蓄電池は太陽光発電(ソーラーパネル)と連携でき、セットで使うことでさまざまなメリットがあります。太陽光発電は日中に多く発電するものですが、昼間は家に人がいないという家庭も多く、使用する電気よりも作る電気が多くなりがちです。

余った電気は固定買取制度で電力会社に売電しますが、この固定買取期間は太陽光設置から10年間の限定措置であり、その後の売電価格は大幅に安くなります。

このような場合に蓄電池を導入すれば、昼間に発電した電気を貯めて夜使用するなど効率的に使えるようになります。自家発電だけで家庭の電力を賄い、電気料金を0円にすることも可能です。

蓄電池設置のデメリット

費用が高額など、蓄電池の設置にはデメリットな側面もあります。どのようなデメリットがあるのか、詳しくみていきましょう。

①設置費用が高額

蓄電池の大きなデメリットは、設置費用が高額なことです。メーカーや機種によって幅はあるものの、一般的な家庭用蓄電池の費用は、安くても約60万円以上になります。ハイスペックの蓄電池であれば、約200万円を超えることもあるでしょう。

ただし、近年は家庭用蓄電池の開発が進み、蓄電池本体の価格は下がる傾向にあります。また、蓄電池の購入により電気代の節約ができるため、長い目で見れば元が取れるとも考えられます

②一定期間での交換が必要

蓄電池には経年劣化などによる寿命があります。充電と放電を繰り返す回数にはサイクル寿命という限界があり、保証されている回数を超えると蓄電できる量が減ってしまいます

家庭用蓄電池の主流であるリチウムイオン電池の寿命は、長くて10年〜15年程度です。寿命を迎えても、すぐに使えなくなるわけではありません。徐々に蓄電容量が減少していき、20〜30%まで低下することもあります。頻繁に充電しなければならなくなり、早めの交換が必要になるでしょう。

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今回は、蓄電池の設置費用相場やメリット、デメリットについて解説しました。設置費用を抑えるためには、複数業者に相見積もりを取り、比較検討することが大切です。

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