実際にあったエピソード お母様の思い出に浸ってしまい、どうしても整理が進まない ご依頼者の方は50代後半の方でした。大好きだったお母様が2年前に亡くなられ、ご自身で遺品整理をされていました。 けれど、どうしても思い出に浸ってしまい、全く整理が進まない、ということで意を決してご依頼頂きました。この方の場合、お母様が一人暮らしだったため家賃も発生していましたが、お金がもったいないから早く退去したいといった訳ではなく、気持ちの整理ができないので、遺品を片付けて心の整理もしていきたい、というご要望でした。 実際、お母様の話題になると毎回ウルウルと涙され、お話が止まらない状況でした。写真だけでも思い出深いものだらけで、1枚も処分できないと。お洋服もお母様が着ていたものだから、どれも捨てられないと。文字通り全てのものに思い出が詰まっていて、残すものを選ぶという選択肢が無かったんです。そこで、写真自体をまとめて並べて1枚の写真に収めたり、合同供養でお坊さんにお性根抜きをしてもらってボリュームを減らしましょう、など色々な提案をさせて頂きました。 そういったことを一つ一つやっていく中で、ちょっとずつご依頼者様と打ち解けてきて、旦那様や息子様にも話したことが無かったような、お母様の人となりなどについても伺えたりしました。最後は「ようやく気持ちが軽くなりました」と、感謝のお言葉とともに号泣されていて、私自身もとても感慨深かったですし、非常に勉強になりました。 こうしたお客様の場合、急いで片付けたりお客様を急かしたりしていたら、ここまで気持ちの整理はできなかったと思います。ですから、遺品整理は部屋が片付けばいいという単純なことではなくて、モノとココロの両方を整理していくものだ、とこの一件でつくづく感じました。
その他特長などの紹介
2018/04
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