家の外まわり工事

「おしゃれ」なだけでなく、夜間の陰影まで計算したライティング設計

夜の庭を美しく演出したいのですが、単にライトを置くだけでは眩しかったり、安っぽく見えたりします。植栽を透かす「アップライト」や、足元を間接的に照らす「フットライト」の配置において、プロが計算している「光と影の黄金比」やおすすめの器具の選び方を教えてください。

ユーザー様
ユーザー様の相談
30代 / 女性
相談日:2026/05/03
有限会社庭仁
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有限会社庭仁
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夜の庭の照明は、明るくすればいいものではないです。一番気をつけているのは、「明るくしない部分をどう残すか」だったりします。すべてを照らしてしまうと、昼間と変わらない平板な景色になってしまって、夜ならではの奥行きや陰影が消えてしまうんですね。

「単にライトを置くだけでは眩しかったり、安っぽく見えたりする」というご指摘、まさにその通りで、原因のほとんどは光源そのものが目に入ってしまっていることにあります。プロが配置するときは、光源は見せないようにします。

【アップライト(植栽を下から照らす)の考え方】
樹木を下から照らすアップライトは、夜の庭の主役になる照明です。

配置のポイントは、一つ目は木の真下ではなく、少し離した位置から幹に向けること。真下に置くと幹だけが光って、葉や枝に光が抜けません。幹から30〜50cm程度離して、葉の中まで光が透けるような角度で当てると、夜の樹木に立体感が出ます。

二つ目は、照らす木は厳選すること。庭にある木を全部照らす必要はありません。シンボルツリーや、葉の透け感がきれいな樹種(モミジ、ヤマボウシなど)に絞って当てると、明暗のメリハリが効いて格段にきれいに見えます。

三つ目は、背景に壁や塀があると効果倍増です。葉の影が壁に映り込むと、それだけで絵になります。塀際の植栽は、アップライトの相性が特にいいです。

【フットライト(足元を間接的に照らす)の考え方】
足元の照明で大事なのは、足元を直接照らすのではなく、近くの壁や植栽の足元に光を当てて、その反射で足元を見せる発想です。光源が直接目に入らない位置・角度にすることが絶対条件で、壁の足元、塀の根元、植栽の株元など、光が何かに当たって足元へ広がっていく形が理想です。

【光と影の「黄金比」、感覚的な目安】
「黄金比」というほど厳密な数式があるわけではないんですが、現場感覚としては、「庭全体の3〜4割だけ光を当てて、残り6〜7割は暗がりで残す」くらいが、夜の庭が一番美しく見えるバランスです。すべてを照らすと安っぽく、暗すぎると不安になります。

「光のポイントが3〜5箇所、点在している」くらいの密度が、ちょうど目に心地よい状態になります。均等にずらっと並べるのではなく、「ここを見せたい」というポイントに絞って、強弱をつけるのがおすすめです。

【器具の選び方】
色温度は「電球色」(2700K前後)が基本です。白すぎる光(昼白色や昼光色)は、屋外では冷たく安っぽく見えます。暖かみのあるオレンジ寄りの光を選ぶだけで、ぐっと上品になります。

12Vローボルト照明が扱いやすいです。100V直結の照明より、ローボルト(低電圧)タイプのほうが、配線の自由度も高く、後から増設・移動もしやすいです。トランスを介して使うので、安全性も高いです。

器具の見た目も大事です。昼間に庭を見たとき、照明器具そのものが景色を邪魔しないデザインかどうかも選定基準です。黒塗装の落ち着いた素材は庭になじみます。
そして、器具は植栽や石の影に隠すこと。昼間に器具が目立つと、それだけで庭の印象が安っぽくなります。昼は見えない配置が理想です。

【安っぽく見える典型パターン】
光源が見えている(眩しい・直視できる)、白すぎる光を使っている、均等に並べすぎで全体が明るい、ソーラーライトを多用している(光量・色味・耐久性のすべてで本格照明に劣ります)、昼間に器具が目立っている。このどれかに当てはまると、安っぽく見えてしまいます。

【まとめ】
夜の庭づくりは、「暗がりの中にどう光のポイントを置くか」という計画です。アップライトで樹木を主役にし、フットライトで安全性をさりげなく確保する。光源は隠して、光だけを見せる。色は電球色で統一する。3〜4割の光と6〜7割の闇、このバランスを意識するだけで、夜の庭は驚くほど表情が変わります。

回答日:2026/05/10

回答内容は回答日時点のものです。