自動車修理で独立する方法は?必要な開業準備をステップごとに解説!

自動車修理の仕事をしていると、「会社員ではなく、独立して自分で仕事をしたい」と考えることもあるものです。しかし、具体的にどうすれば開業できるのかわからない方も多いでしょう。そこで今回は、自動車修理で独立するために、どのような開業準備が必要か解説します。

自動車修理で開業するための4つのステップ

自動車修理で開業するには、以下の4つのステップが必要です。

STEP 1:社員やアルバイトとして経験を積む

未経験からいきなり独立することは、非常に難しいです。自動車の仕組みや修理方法を机上で勉強することはできても、現場での経験がなければビジネスとして上手くいかないでしょう。そこで、まずは工場などに勤めましょう。そこで整備士としての実績を積むことで、どんな案件が来ても対応できるようになります。

業界経験がなくとも人材募集をしている企業は多々あるので、「自動車整備 未経験」などで探してみてください。自動車整備士の主な職場としては、ディーラー、自動車整備工場、カーショップ、運送会社、ガソリンスタンドなどがあります。

STEP 2:資格を取得する

自動車整備のプロとして活躍するためには、資格取得がおすすめです。以下、主な資格について概要を紹介します。

3級自動車整備士

【取得方法】

普通高校の場合:卒業後、1年間の実務経験を経て受験

高校が機械科の場合:卒業後、6か月の実務経験を経て受験

高校が自動車科の場合:卒業後、受験

【直近の試験日程】

試験日:2024年3月24日、5月12日、8月25日

3級自動車整備士には、4つの種類があります。「3級自動車ガソリン・エンジン整備士」を取得すると、ガソリン自動車の点検やタイヤ交換、オイル交換ができるようになります。

「3級自動車ジーゼル・エンジン整備士」を取得すると、ディーゼルエンジンの初歩的な整備が可能です。「3級自動車シャシ整備士」を取得すると、普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、軽自動車のシャシ部分(エンジンとボディ以外)の基本整備ができます。「3級二輪自動車整備士」を取得すると、二輪自動車や原動機付自転車のステアリングやブレーキ調整ができます。

引用:https://www.jaspa.or.jp/Portals/0/resources/jaspahp/user/mechanic/pdf/schedule_R05.pdf

引用:https://www.jaspa.or.jp/mechanic/faq/

2級自動車整備士

【取得方法】

未経験の場合:自動車整備専門学校を卒業して受験

3級自動車整備士取得社の場合:2年間の実務経験を積んで受験

【直近の試験日程】

試験日:2024年3月24日、5月12日、8月25日

2級自動車整備士も4つの種類があります。「2級ガソリン自動車整備士」を取得すると、エンジンや車輪、サスペンションの分解整備などができるようになります。

「2級ジーゼル自動車整備士」もガソリン自動車整備士と同様のことができるようになる資格ですが、ディーゼル車についてより深い知識を得られます。「2級自動車シャシ整備士」は、普通自動車、四輪・三輪の小型自動車、軽自動車のシャシの整備ができる資格です。「2級二輪自動車整備士」は、二輪自動車や原動機付自転車の整備の資格の中で、最もハイレベルです。

引用:https://www.jaspa.or.jp/Portals/0/resources/jaspahp/user/mechanic/pdf/schedule_R05.pdf

引用:https://www.jaspa.or.jp/mechanic/faq/

1級自動車整備士

【取得方法】

自動車整備専門学校に2年間通った場合:卒業後2級自動車整備士の実績を積み、3年間の実務経験を得て受験

自動車整備専門学校に4年間通った場合:在籍中に2級自動車整備士を取得し、卒業後に受験

自動車整備専門学校に通わない場合:2級自動車整備士の実績を積み、3年間の実務経験を得てから受験

【直近の試験日程】

試験日:2024年3月24日、5月12日、8月25日

1級自動車整備士には「1級小型自動車整備士」「1級大型自動車整備士」「1級二輪自動車整備士」の3種類がありますが、「1級大型自動車整備士」「1級二輪自動車整備士」はこれまでに試験が行われたことがなく、実質1種類となっています。

「1級小型自動車整備士」を取得すると、ガソリン、ディーゼル、シャシに関係なくすべての部分を整備可能です。また、電気自動車などの最新技術を使った自動車にも対応できます。

引用:https://www.jaspa.or.jp/Portals/0/resources/jaspahp/user/mechanic/pdf/schedule_R05.pdf

引用:https://www.jaspa.or.jp/mechanic/faq/

自動車検査員

【取得方法】

各都道府県で行っている自動車検査員教習の受講し、試験を受ける

【直近の試験日程】

各都道府県によって異なる

自動車検査員は、車検を通す検査の際、自動車がきちんと不備なく整備されているかを確認するための仕事です。自動車そのものだけでなく、整備工場の検査にも携わります。

自動車整備士の仕事をチェックする仕事のため、キャリアアップのために取得する方も多数。みなし公務員として扱われる点も特徴です。

参考:https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/s_tokyo/

参考:http://jaspa-okinawa.or.jp/content/files/INFO/Top/2023/R5_kensainkyousyu_nitteitou1.pdf

特殊整備士

【取得方法】

実務経験を2年以上積んで、受験

【直近の試験日程】

各都道府県によって異なる

特殊整備士は、自動車車体整備士、自動車タイヤ整備士、自動車電機装置整備士の3つにわかれます。「自動車車体整備士」は、自動車の中でも車体やフレームなどの点検を担います。「自動車タイヤ整備士」はタイヤの交換や点検、異常摩耗の原因究明などを行います。

「自動車電気装置整備士」は、エンジンコントロールコンピューターやカーナビシステムなど、自動車で使われている電気装置の修理をするための資格です。

引用:https://www.tossnet.or.jp/tabid/111/Default.aspx

古物商許可証

【取得方法】

1万9000円の手数料と必要書類をそろえ、警察署に申請書を提出する

※試験などはない

古物商許可証は、自動車整備に直結する資格ではありません。ただし、独立後に中古車の販売を行うのであれば、必須の資格となります。申請書では扱う中古品の品目を申請しなくてはなりません。基本的には「4.自動車」を選び、もしバイクなども扱う予定があれば「5.自動二輪車及び原動機付自転車」も選びましょう。

参考:https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/tetsuzuki/kyoka.html

STEP 3:資金を準備する

現場で経験を積み、知識を身につけ資格を取得したら、いよいよ独立に向けて本格的に動き始めます。ここで必要になるのが、資金です。中古の自動車整備工場を購入するのであれば500万円、新規で工場を建設するなら5000万円ほどかかります。特に新規の場合、ある程度の頭金を貯めたら、銀行からの融資などを検討した方が現実的でしょう。

STEP 4:自動車整備工場(認証工場)として開業する

工場も整ったら、ようやく開業です。ここで注意したいのが、認証工場について。地方運輸局長の承認を得て「認証工場」とならなければ、カーナビの取り付けなど簡単な作業しか行えません。

認証なしで本格的な整備をすると違法行為になってしまうため、「従業員が2名以上いる」「整備主任者を1名以上置く」「車両整備作業場、点検作業場、部品整備作業場、車両置き場がある」といった条件を満たしましょう。

参考:https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/date/sikyoku_hp/pdf_common_seibi/seibi_01.pdf

自動車修理での独立を成功させる集客のポイント

自動車整備工場として独立したら、お客様を集めなくてはなりません。以下のポイントをおさえて集客してみてください。

ビラや看板など地域の方へにアピールする

お客様は多くの場合、自宅から近い場所にある自動車整備工場を利用します。わざわざ遠方から来ることはまれなので、アプローチの対象も近隣住民をメインにしましょう。そこで有効となるのが、ビラや看板です。

スーパーマーケットやコンビニなどと異なり、自動車整備工場は日常生活の中で立ち寄る機会がほとんどありません。そのため、近所に住んでいる方でも「こんなところに工場があったんだ」と知らないケースが多いもの。まずは工場の前に看板を起き、前を通る方に存在を知ってもらいましょう。また、ビラを作成して地域の方にポスティングしたり、近くの商業施設で配布したりすることも効果的です。

SNSで情報を発信する

ビラや看板は地域が限定されますが、SNSはより多くの方に自社をアピールできます。修理の様子や業界の話を投稿するだけでなく、「Xのアカウントをフォローしたら割引」「Instagramの投稿にいいねをしたら粗品をプレゼント」といったキャンペーンの開催も可能です。

特に、珍しい車種の検査をしたらそれについて投稿してみましょう。同じ車種を持っている方が「この整備工場なら経験があるのか」と知り、それをきっかけに修理や検査を依頼するケースが多々あります。

自動車修理のマッチングサービスに登録する

自動車修理のマッチングサービスに登録すると、そこに登録しているユーザーから依頼を受けることができます。マッチングサービスは同業他社と比較されることになるので、自分たちならではの強みをアピールすることがポイントです。価格や実績、対応スピードなど、「ここなら負けない」という点を押し出しましょう。

ゼヒトモではこれまで、多数のマッチング実績があります。ぜひご活用ください。

まとめ

自動車修理で独立することは、簡単ではありません。しかし集客が安定すれば、大きな利益を獲得することもできます。今はどこかの工場で整備士として働いている方や、これから整備業界に入る方は、ぜひ将来的には独立という選択肢も視野に入れてみてください。