カウンセラーとして独立したくても、「どんな資格が必要なんだろう」「どうしたらビジネスとして上手くいくんだろう」と悩んでいる方もたくさんいます。そこで今回は、カウンセラーとして成功するためのポイントを解説します。
カウンセラーの資格を取得する
カウンセラーは無資格でも仕事を始めることはできますが、それではなかなかお客様からの信頼が得られません。知識を身につける意味でも、ぜひ以下の資格を取得してみてください。
公認心理士
【資格取得方法】
4年制大学及び大学院で定められた科目を履修し、実務経験を積み、試験を受ける
【試験日程の一例】
2024年3月3日、合格発表:2024年3月29日
※年1回ペースで実施(2024年1月時点の情報です)
公認心理士とは、心理学の専門知識を用いて「(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析」「(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助」(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助」「(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供」を行う人を指します。日本で初めての心理に関する国家資格で、多くの企業やクリニックの募集で「公認心理士か臨床心理士の資格を持つこと」が必須条件となっています。
引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116049.html
臨床心理士
【資格取得方法】
「指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を充足している者」
「臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者」
「諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者」
「医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者」
上記いずれかを満たし、試験を受ける
【試験日程の一例】
2023年10月14日、11月11~13日 合格発表:2023年12月下旬
※毎年10月~12月に実施
臨床心理士とは、臨床心理学を用いて人の心の問題にアプローチする仕事です。
臨床心理士には「①種々の心理テスト等を用いての心理査定技法や面接査定に精通していること」「②一定の水準で臨床心理学的にかかわる面接援助技法を適用して、その的確な対応・処置能力を持っていること」「③地域の心の健康活動にかかわる人的援助システムのコーディネーティングやコンサルテーションにかかわる能力を保持していること」「④自らの援助技法や査定技法を含めた多様な心理臨床実践に関する研究・調査とその発表等についての資質の涵養が要請されること」といった行為が求められています。
引用:http://fjcbcp.or.jp/rinshou/about-2/
メンタル心理カウンセラー
【資格取得方法】
日本能力開発推進協会指定の認定教育機関等が行う教育訓練において、その全カリキュラムを修了した者が、試験を受ける。
【直近の試験日程】
2024年3月3日、5月5日 合格発表:6月5日
※年6回ペースで実施
メンタル心理カウンセラーは、心理的に悩んでいる方に対し、カウンセリングを通じて社会的観点からサポートします。産業界だけでなく、医療や福祉、教育など様々なシーンでカウンセリングできる能力を有することが求められます。
引用:https://www.jadp-society.or.jp/course/mental/
臨床発達心理士
【資格取得方法】
試験を受ける(受験資格はなし)。
【直近の試験日程】
2023年9月24日、12月3日 合格発表:2024年下旬(2024年日程は今後決定)
※毎年9~12月に実施
臨床発達心理士とは、人の発達や成長、加齢に寄り添い、発達の臨床を用いて人々の困難解決を支援します。ライフステージに応じた現場があり、乳児期に対するカウンセリングでは保育所や子育て支援センター、学齢期に対するカウンセリングでは特別支援学校や学童保育、成人・老年期へのカウンセリングでは障害者施設や作業所などで活躍します。
引用:https://www.jocdp.jp/about/summary/
キャリアコンサルタント
【資格取得方法】
「厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方」
「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方」
「技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方」
上記いずれかを満たし、試験を受ける
【直近の試験日程】
2024年3月3日、9日、10日、16日、17日 合格発表:2024年4月15日
※毎年3月、7月、11月
キャリアコンサルタントとは、職業選択や将来のキャリア、能力開発などに関する相談にのります。キャリアコンサルティングを通じて自分の能力や適正に気づき、自分にあった仕事を自ら選ぶサポートをする仕事です。2016年より、国家資格として認められています。
引用:https://www.jcda-careerex.org/
人生相談のカウンセリングスタイルを決める
カウンセラーとして独立開業する際は、どのようなスタイルでカウンセリングをするか決める必要があります。「対面で人生相談を受ける」と「オンラインや電話で人生相談を受ける」の2パターンがありますが、それぞれメリット・デメリットが異なります。
対面で人生相談を受ける
【メリット】
・相手の顔が見え、表情などをしっかり観察できる
・声だけでなく、ちょっとした仕草などから心理状況を判断しやすい
・直接話せるので、安心感を持ってもらいやすい
【デメリット】
・開業のハードルが高い
・カウンセリングルームが必要で、コストがかかる
・カウンセリングに抵抗感がある人は利用しにくい
オンラインや電話で人生相談を受ける
【メリット】
・カウンセリングルームが不要ですぐに始められる
・初めてカウンセリングを受ける人も気軽に利用できる
・Zoomなど無料の通話ツールを利用すればコストが抑えられる
【デメリット】
・相手の表情がわかりにくい
・手足の動きなどが見えにくい
・対面よりも観察力が必要になる
カウンセラーとして独立するために必要な集客方法
カウンセラーとして独立した時、初めにぶつかる壁は集客です。どんなに高いスキルを持っていても、お客様がいなければビジネスは成り立ちません。集客に悩んだ方は、以下の方法を試してみてください。
無料モニターを募る
お客様はカウンセリングを受ける際、実績をチェックすることが多いです。今までどんな人の人生相談にのってきたのか、どんな口コミがあるのかなどをもとに、「この人に話を聞いてもらおう」と決定します。しかし独立してすぐのころは、実績がほとんどありません。
そこで、無料モニターを募ってみてください。収益には直結しませんが、複数の実績を作ることで集客に役立ちます。相手は家族や友人など、身近な人で構いません。また、無料でカウンセリングを受けた人が「もう一度、話を聞いてほしい」とリピーターになるケースもあります。
SNSで情報を発信する
認知度を上げるために、SNSを活用しましょう。おすすめなのが、XとInstagramです。Xでは文章をメインに、よくある人生相談の内容とその回答を投稿してみてください。同じような悩みを持っている人が、「この人に話を聞いてみたい」と依頼に繋がることがあります。
Instagramは、特に対面でのカウンセリングを行っている人におすすめです。カウンセリングルームの写真を投稿すると、お部屋の雰囲気が伝わりやすくなります。これによりハードルが下がり、「行ってみようかな」と動機付けに繋がります。その際、個室で他の人に話が聞かれない状況であること、明るく清潔感のある雰囲気で足を運びやすい部屋であることをアピールするとよいでしゅ。
マッチングサービスに登録する
カウンセラーと相談者をマッチさせるサービスを活用してみましょう。登録しているユーザーは、何か悩みがある人や、カウンセリングに興味を持っている人です。そのため、興味のない人にもアプローチする方法より、案件獲得確率が高くなります。
ゼヒトモでも、カウンセラーと相談者の方が多数マッチしています。プロフィールに詳細を書いたり、口コミを集めたりすることで案件が成立しやすくなるので、ぜひ試してみてください。
カウンセラーとして独立し成功するための秘訣
カウンセラーとして独立し、成功するには何が必要なのでしょうか。開業後、スムーズにお仕事をするための秘訣を解説します。
経験を積んでから独立する
知識や経験もないまま独立すると、成功までの道のりは長くなります。本当に喜ばれるカウンセリングが出来なかったり、集客が上手くいかなかったりと、多くの困難にぶつかるでしょう。だからこそ、まずはクリニックなどで働き経験を積んでください。働き方は正社員でなくとも、アルバイトやボランティアで構いません。具体的にどんな相談が多いのか、どのようなカウンセリング方法が効果的なのかなどを観察し、常に「自分が独立するとしたら、どこを真似するか」という視点を持つと開業後の成功につながります。
専門性を高める
カウンセラーとして開業する時、「どんな問題も解決します」と人生相談全般を受け付けるより、何かに特化した方がおすすめです。その方が、特定の悩みを持っている人が「この人なら専門性がありそう」と信頼してもらえます。例えば、キャリアについてや家族関係についてなどジャンルをわけたり、お子さま専門のカウンセラーなど対象者を決めたりすると、集客につながります。他にも予防的カウンセリングや認知行動療法など、自分の好き・得意な方法を強みにしていくやり方もあります。
初期コストを抑える
カウンセラーは、小売業のように在庫を抱えるようなビジネスモデルではないため、初期コストを抑えやすいです。だからこそ、初めのうちはあまり資金をかけず、自宅で相談をうけたりオンラインを活用したり工夫しましょう。カウンセリングルームを借りたり、オンライン広告を出稿したりといったコストのかかる施策は、ある程度ビジネスが軌道にのってからでも構いません。
まとめ
カウンセラーは誰かの人生の相談にのり、相手の将来を大きく変えることができる職業です。人の役に立ちたい方や、人に寄り添いたい方にはぴったりでしょう。まずは資格を取得して、クリニックなどで経験を積んだらぜひ独立してみてください。