リノベーション・リフォーム

リノベーションはやめたほうがいい?判断基準を知りたい

築40年の木造戸建ての購入を検討しており、リノベーション前提で考えています。
ただし、「リノベーションはやめたほうがいい場合もある」と聞き、不安を感じています。
例えば、シロアリ被害が広範囲に及んでいる、基礎や構造材の腐食が進んでいる、耐震性が不足している、水回りの配管が全て交換必要など、大規模な工事が避けられない場合は向いていないと聞きます。
こうした具体的なケースのほか、リノベーションに不向きなパターンを見極めるポイントや注意点を教えてください。

ユーザー様
ユーザー様の相談
30代 / 男性
相談日:2025/12/15
うでまえ工務店
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リノベーションと言うよりは「全改修工事」という部類です。施工者が生まれるよりも前に建てられたかもしれない建物を、現代の技術とうまく融合させる、実はこれこそが、最も技術力とセンスを必要とする難しい工事なのです。。現代の既製品の建材は互換性が合わず、そのままでは使えないことがほとんどです。そのため職人が一つひとつ加工して作り出す必要があり、白蟻による食害があれば柱や土台を交換します。

さらに地震や地盤沈下の影響で建物は真っ直ぐではなくなっているため、窓や壁を微調整しながら擦り合わせるといった地味で根気のいる作業が続きます。体力も神経も使うため、必然的に工期は長くなります。

ただし、改修工事には大きなメリットもあります。費用を大幅に抑えることができ、役所への煩雑な申請も不要です。工事は大工棟梁の技量に委ねられるため、信頼できる職人とよく話し合いながら進めることで理想的な仕上がりを目指すことができます。築40年程度の建物であれば、耐震補強を施しつつ改修工事を選択するのがおすすめです。

一方、新築工事は全く性質が異なります。解体して更地にした上で、一から新しい建物を組み立てます。工場で加工された部材を組み付ける工法が主流であるため、工期は短く、材料の取り回しも自由です。

しかし、再利用できる材料はなく、解体費用・設計費用・基礎工事・建築確認申請などが必要になるため、費用は改修に比べて大きくかかります。また残念ながら、全改修工事をきちんと手掛けられる若い大工は減少しています。十分な修行を積んでいない人が施工すれば、仕上がりが悪く後悔につながることもあるため「改修工事はやめておきなさい」と言われる理由でもあります。

回答日:2025/09/16

回答内容は回答日時点のものです。