長く住み続けていると、階段の老朽化や使いにくさが気になる方もいるでしょう。特に家庭環境が変わると、階段をより便利にするためにリフォームを検討する方も多いのではないでしょうか。そこで気になるのが、費用に応じてどの程度のリフォームが実施できるかという点です。
この記事では、階段リフォームの費用相場についてご紹介。また、新設だけではなく既存の階段を活かしたリフォームについても、実例を知り、自宅にも取り入れられないか検討してみてください。階段リフォームに活用できる補助金・助成金制度も要チェックです。
- 階段リフォームには、手すり交換、ステップの勾配調整、既存階段の撤去・新設、バリアフリー化が挙げられる
- 費用相場は手すり交換が5〜15万円、バリアフリー化が約30〜50万円
- 住宅リフォーム減税制度やバリアフリー改修助成事業を活用できる可能性も
- 間取り変更、きしみを解消したい場合は、階段の撤去・新設の検討を

リフォームワーク
階段リフォームの費用相場:マンション・戸建て別にチェック

階段をリフォームするための費用相場は、マンションと戸建てで異なります。それぞれの相場を把握しておきましょう。
マンションの場合
マンションの階段リフォームは、以下の3つの方法が挙げられます。
手すりの交換 | 約5万円~15万円 |
ステップの上り下りを緩やかにする | 約50万円~150万円 |
バリアフリーに対応する | 約30万円~50万円 |
手すりの交換
既に手すりを設置している場合も、さらに安全性を高めるために素材や太さなど種類を変えて交換するリフォームです。
ステップの上り下りを緩やかにする施工
ステップの勾配が急だと、転倒のリスクが高まります。階段の上り下りがつらくなってきたら、緩やかに変えて生活しやすくするとよいでしょう。
バリアフリーに対応する
手すりの設置や段差の解消など、バリアフリーを考慮したリフォームをおこなうと年配者でも安全に生活できます。
戸建ての場合
戸建ての階段リフォームの場合、マンションとは異なる施工をおこなう事もあります。より生活しやすくするために、どのような方法があるのかを費用相場とともに見ていきましょう。
手すりの交換 | 約5万円~15万円 |
既存階段の撤去・新設 | 約60万円~200万円 |
バリアフリーに対応する | 約30万円~50万円 |
手すりの交換
戸建ての場合、手すりの交換費用はマンションとあまり変わりません。手すりが持ちにくく、うまく活用できていない場合は交換するとよいでしょう。
既存階段の撤去・新設
他の部屋の間取りを変更するにあたって既存の階段を撤去する場合や、新しく階段を設置する場合などは高額な費用が必要です。
踏面を踏むたびにきしみを感じるときは、部分的な修復よりも撤去して新設するべきだと言えます。階段全体を架け替えることできしみを解消しましょう。きしみは木が乾燥して空間が生まれ、音が鳴っているケースがほとんどです。くさびを差し込むタイプの工事で対応できる事もありますが、安全性を高めるためには全体を架け替える方がよいと言えます。
バリアフリーに対応する
マンション同様、手すりの設置や段差解消などのバリアフリーに対応するためのリフォームです。
もし日常生活の中で使いにくいのであれば、手すりの高さの変更や設置場所を再考する事もできます。片側にしか手すりがなかったり、踏面が狭かったり段差が大きかったりする時などは、両側に手すりを設置する事を検討しましょう。
他にも、踏面の表面に滑り止めシートを貼るといった方法もあります。
予算別:階段リフォーム施工内容

階段リフォームは予算ごとに施工できる規模が異なります。大掛かりなリフォームを考えている人は、あらかじめどの程度の費用が必要かを把握しておきましょう。
【10万円未満】の階段リフォーム
予算が10万円未満の場合、以下のようなリフォームが可能です。
手すりの交換
手すり代 | 3万~4万円程度 |
取り付け工事費用 | 5万~8万円程度 |
合計 | 8万円~ |
階段の長さや手すりのグレード、工事方法によって異なりますが、手すりの設置であれば10万円未満でもおこなえます。
照明の設置
照明本体代 | 1万円~3万円 |
合計(施工費込み) | 1万円~8万円 |
照明の個数や取り付ける場所にもよりますが、照明の設置も10万円ほど見ておけば問題ありません。
滑り止めシートの貼り付け
滑り止めシート本体代 | 約1万円 |
合計(施工費込み) | 1万円~ |
安全面を強化したい場合は、手すりの設置と併せて滑り止めシートの貼り付けも視野に入れましょう。踏面の表面に滑り止めシートを貼ると、子どもも高齢者も転倒しにくくなります。
カーペットの貼り替え
カーペットの貼り替え | 約4万円〜8万円 |
合計(施工費込み) | 1万円~ |
階段にカーペットを貼っている場合、古くなるとシミや汚れが目立つでしょう。めくれてしまうと事故のリスクもあるため、新しいカーペットに貼り替えると安全です。防ダニ加工が施されているカーペットならより清潔に使い続けられます。
【あわせて読みたい!】
>>階段に手すりを取り付ける費用と費用補助、考え方【すぐに理解できる解説】
【30万円未満】の階段リフォーム
予算が30万円未満であれば、多少グレードを上げたリフォームができます。
階段下に収納を設ける
・費用相場:合計約5万円~30万円
【さまざまな工事一覧】
壁面の解体費用 | 約3万円 |
内壁を整える費用 | 5000円~2万円(合板か石膏ボードとクロス貼りのどちらかによる) |
床を整える費用 | 1万円~2万円(合板かフローリングによる) |
扉の取り付け費用 | 1万円~4万円(カーテンタイプかドアタイプかによる) |
棚の取り付け | 1万円~ |
照明の取り付け | 2万円~3万円(ウォークインタイプの場合) |
全体的な相場 | 5万円~30万円 |
階段下の空間に収納スペースを設けるリフォームは、踏面の下のみを収納場所にするか階段全体の下を収納場所にするか、2種類の方法があります。収納したいものが少ない場合は、最下段から数段上の踏面の下部に引き出し式の収納スペースを設置するのがおすすめです。
中段・上段に引出しをつくると、荷物の出し入れ時に階段から滑り落ちるかもしれないため安全とは言えません。もし中段・上段に引出しをつくる場合は、事故防止のために滑り止めシートを貼るようにしましょう。
収納したいものが多い場合は、階段全体の下を収納場所にすると便利に使えます。スペースに余裕があれば、ウォークインタイプの収納もつくれますが、費用はより高額となるので考慮しておきましょう。
階段の上貼り
・費用相場:合計約15万円~30万円
踏面に新しい床材を上貼りする方法を、カバー工法と呼びます。もし床材の傷や汚れが気になる時は、カバー工法で床材を上から貼るとよいでしょう。見た目を綺麗にできるだけでなく、機能性がよいものを選べば滑りにくくする事も可能です。
【50万円未満】の階段リフォーム
50万円未満の予算であれば、階段の床材の変更が可能です。
床材の変更
・費用相場:約30万円~50万円
床材の種類には、カーペットやフローリング、コルクやタイルなどがあります。階段を丸ごと交換すると費用がかさんでしまいますが、床材のみを交換するのであれば費用を抑える事が可能です。
見た目だけでなく、踏んだ時の感触やすべりにくさなどを考慮して選ぶようにしましょう。カーペットは防音性に優れており、すべりにくいという特性を持っています。
【50万円以上】の階段リフォーム
50万円以上予算をかければ、大掛かりなリフォームが可能になります。
階段の架け替え
・費用相場:約60万円~100万円
架け替えは、階段の位置はそのままで丸ごと交換するリフォームです。既存の階段は全て撤去してから施工が始まります。デザインを一新したり、勾配を変えられたりするのがメリットです。勾配をなだらかにする場合は、段差の数を増やして踏面の広さを広げていきます。
また、スペースに余裕があれば階段を直階段から90度に曲がっている「かね折れ階段」にリフォームする事も可能です。別の形状の階段に架け替えられるのは安全面においても利便性においても非常にメリットが大きいと言えます。
階段の位置変更
・費用相場:約150万円~300万円
階段の位置を変更する場合、階段の種類や大きさを自由に決められるため生活しやすい環境を整えられます。位置を変更するにあたって、住宅を支えている柱の位置や壁との関係なども考慮しなければなりません。
また、内装を貼り替えたり上階の床を修繕する必要もあるため、工事は大掛かりなものとなります。費用は高額で、工事期間が長くなるリフォームです。
階段リフォームで得られるメリットと注意点

階段をリフォームすると家族がより生活しやすくなり、家の中の余白を有効活用する事もできます。
安全性と利便性の向上
階段をリフォームする上で最も大きなメリットは、安全性と利便性が向上する事です。手すりの設置や勾配を緩やかにするリフォームなどは、高齢者や小さい子どもを事故から守ります。床材をすべりにくいものに交換するリフォームも同様の硬化を持っていると言えるでしょう。
また、清潔さを保てる素材や、防音性を高められる素材に貼り替えるのも利便性を大きく向上させてくれます。他にもバリアフリー対策としてスロープや昇降機の設置も効果的です。車椅子や歩行器を使用する人も快適に上階との行き来ができるようになるため、ストレスフリーな生活を送れます。
空間の有効活用
階段の下に収納スペースやデスクスペースを作る事で、住宅の中のデッドスペースを有効活用できるのもメリットのひとつです。
また、玄関を入ってすぐ目につく場所に階段が位置している場合、デザインを工夫する事でインテリアのアクセントとして活用できます。玄関ドアを開けた時におしゃれなデザインの階段が見えれば、来客時の印象もよくなるでしょう。
階段のリフォームはこのように多くのメリットを持っていますが、コストや工事期間がかかる事も忘れてはいけません。明確な目的を持たず、細かい計画を立てずにリフォームを始めると施工後に後悔する可能性も考えられます。
補助金・減税制度活用でリフォーム費用を抑える

一定の条件を満たしていれば、補助金・減税制度の対象となり、階段リフォームの費用を抑えられます。
階段リフォームで利用できる補助金・減税制度
階段のリフォームで利用できる補助金と減税制度は、主に以下の2つです。
- 住宅リフォーム減税制度
- バリアフリー改修助成事業
住宅リフォーム減税制度は、一定の条件を満たすリフォーム工事に対して所得税や住民税の控除が受けられる制度です。この制度は、住宅の耐震改修や省エネ改修、バリアフリー改修など、特定の目的で行われるリフォームに対して適用されます。
参考:国税庁|住宅リフォーム減税
バリアフリー改修助成事業は国土交通省がおこなっている事業です。手すりの設置や段差の解消などといったリフォームが対象となり、工事によって異なる補助額が支給されます。
参考:国土交通省|バリアフリー改修助成事業
自分に適した制度を見つけるポイントと申請方法
制度を利用する際に重要なのは、以下の3つのポイントです。
- 制度の目的や対象者を理解する
- 自分の状況に合うかどうかを検討する
- 助成金や補助金などの金額や支給条件をチェックする
制度の目的や対象者を理解し、自分がおこなうリフォームが当てはまっているかを確認しましょう。特にバリアフリー関連の補助金制度は目的が明確なので、申請もしやすいという特徴があります。
また、助成金や補助金がいくら支給されるのかも重要な確認事項です。年単位で補助されるものもあれば、リフォーム時のみに補助金を受け取れるものもあります。
申請方法については、制度ごとに異なるため事前に確認しておく事が大切です。一般的には必要書類の準備や申請書の記入、関連機関への提出が求められます。そして、申請が承認されると助成金もしくは補助金が支給されるという仕組みです。
階段リフォーム会社の選び方

階段リフォームを依頼する時は、優良業者選びが重要になります。施工実績や事例の確認を怠らないようにしましょう。また、わかる範囲で口コミや評判をリサーチするのも効果的です。悪徳業者にだまされないためには、工事費用相場を把握しておく事も忘れてはなりません。
無料相談や相見積もりを活用しよう
多くの業者は依頼前に無料相談を受け付けてくれます。無料相談を利用して、業者の対応や提案力を確認しましょう。
また、相見積もりをとる事も業者選びの際に有効な方法です。相見積もりとは、同時に複数の業者から見積もりを取り寄せる方法で、手間と時間を省けるため効率がよくなると言えます。
相見積もりを取り寄せた時は、費用面はもちろんアフターサービスや保証内容についても比較しておきましょう。工事費用と工期が明確な業者に依頼するとリフォームがスムーズに進みます。
相見積もりをとるためには、ゼヒトモのようなインターネットで見積もりを一括請求できるサービスの活用がおすすめです。相見積もりのとり方がわからないという人も、簡単に自分に最も適したサービスを提供してくれるプロを探せます。
リフォーム会社選びで後悔しないためのポイント
リフォーム会社を選ぶ時は、自分の要望を明確に伝えるようにしましょう。細かな点まで伝えておかないと、仕上がりに不満を抱く事になりかねません。リフォームをしても問題点も改善が図れない可能性もあるため、どのようにリフォームしてもらいたいのかを具体的に伝える事が重要です。
また、工事期間も事前に確認しておきましょう。工事中は家の中を自由に移動できなくなる事もあります。あらかじめ把握しておかないと生活に支障が出てしまいかねません。
ゼヒトモでおすすめ!リノベーション業者のプロを紹介
階段リフォームは、安全性や利便性を向上させるために欠かせない工事のひとつです。特にバリアフリー化やデザインの刷新を伴う場合は、経験豊富なリフォーム業者に相談することで、納得のいく仕上がりが期待できます。
ここでは、階段の改修をはじめとする内装リフォームに対応するゼヒトモのプロを紹介します。
株式会社オレンジ

東京都中野区を拠点に、リフォーム全般を手掛ける事業者です。内装工事をはじめ、増改築、水回りのリフォームなど、幅広い施工に対応。クロスの張り替えや床の貼り直しといった部分的な工事から、スケルトン工事を含む大規模な改修まで、年間100件ほどの施工実績があります。
業界歴約20年のベテランスタッフが在籍。丁寧なヒアリングを通じて、最適なプランを提案してくれます。住宅設備の設置工事や清掃まで含めた一貫施工で、暮らし全体をサポートできる体制を整えています。
もんちゃちっぷさん(2024/02)
リフォーム・リノベーション・内装工事(大工・工務店)
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
親しみやすい雰囲気で、施工中は楽しく1日を過ごせました。わからないことにも丁寧に説明してくださり、的確なアドバイスをいただけて、とても頼りになる存在です!
ワイエスコーポレーション

東京都練馬区を拠点に活動する内装リフォーム業者です。壁紙や床の張り替え、設備まわりの施工など、幅広い工事を手掛けています。
実務経験豊富なスタッフが、施工からアフターフォローまで丁寧に対応。常にお客様とのコミュニケーションを重視し、要望に寄り添った最適なプランを提案してくれます。
また、内装の解体工事をはじめ、水回り・外装・塗装・外構・下水道工事など、住まいに関するさまざまな相談が可能です。現地調査や見積もりは随時受け付けています。
牟田由美子さん(2024/11)
壁紙の張替え・補修
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
今回は、壁一面の壁紙張り替えと、小さな穴が5〜6箇所あった部分も手際よく、きれいに補修していただきました。ほかにも、サービスで30c㎡の壁紙も張り替えていただき、とても嬉しかったです。 短時間でここまで丁寧に仕上げていただけるのは、まさにプロの技だなと感じました。またぜひお願いしたいです。 ありがとうございました!
株式会社Nexform

東京都調布市を拠点に、内・外装工事を手掛けているリフォーム会社です。総合リフォーム業のほか、店舗企画・設計なども行なっています。
2級建築施工管理技士のほか、インテリアコーディネーターやリビングスタイリスト1級の資格を持つスタッフが在籍。現地調査から施工完了まで専任スタッフが担当する、一貫したサポート制も魅力です。専門知識を活かした、的確なプランを提案してくれます。
現地調査や見積もりは無料なので、初めてリフォームを依頼する方にもおすすめの業者です。
UTさん(2023/08)
キッチンリフォーム
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
見積もりの段階で、できること・できないことをはっきりと説明していただき、実際の作業を見積もり内容を下回ることはありませんでした。
これまで、大手から個人事業主まで、別の住居を含めて何回かリフォームを依頼してきましたが、施工管理とは名ばかりで、契約手続きばかりに注力し、肝心の施工管理が行き届いていないケースもありました。 また、大雑把な仕上がりに「自分でやった方がきれいだったかも」と感じることも少なくなかったのですが、Nexformさんと、その先にいる職人さんの仕事は本当に丁寧で、細部までしっかりと仕上げていただき、大変満足しています。
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