気になる愛犬の口臭をなくす3つの対策
「おじいちゃんお口臭~い」というコマーシャルのフレーズに聞き覚えはありますか?人間と同じように、犬からも口臭を発することがあります。どのような原因が犬の口臭につながってしまい、どのような対策がいいのでしょうか。
今回は犬の口臭について解説します。
(本記事は、株式会社カラーズ、アメリカの獣医師による執筆の2017年4月時点の情報を参考にしています。ご自身でも調べるようにしてください。)
犬の口臭の原因
歯や口腔内の病気
歯垢(しこう)や歯石
歯の表面に唾液の中に含まれるたんぱく質が付着して、そこに細菌が集まってくることで歯垢(プラーク)になります。細菌は3日以内に石灰化し、歯石に変化します。
歯石の表面はデコボコしているため、歯垢が付着しやすいのです。
歯周病
3才以上の犬の80%が歯周病という統計があります。かなりの確率でほとんどの犬が歯周病という結果に・・。
歯周病にかかると、歯ぐきが腫れてしまう、歯がグラグラと動くといった症状が出ます。歯の色も、だんだんと茶や黒に変わってきます。歯周病を放っておくと、骨が溶けてしまい、歯が抜け落ちてしまうのです。
歯肉炎
歯肉とは歯ぐきのことです。数百種類の細菌が毒素を放出し、その毒素で炎症を起こしていくと歯肉炎になり、歯肉炎の悪化が歯周病につながります。
内臓の病気
糖尿病
腸内環境が悪くなり、血液中の老廃物を尿として排出する機能の働きが悪くなると糖尿病になります。
呼吸が荒くなったり、嘔吐するようになったりの症状が見られると危険です。ドックフードをあげて一瞬で食べてしまうようなドカ食いをしていると、大量のインスリンが増えてしまいます。
水をずっと飲むようになったり、食べていても痩せていくようになります。合併症で白内障も引き起こします。
腎臓病
慢性腎不全などへ悪化すると死に至る、怖い病気です。
粗悪なドックフードを食べているとなりやすくなります。新鮮な肉を使ったドックフードを選ぶようにしましょう。体の中に有害物質が増え、口臭がきつくなります。
胃の病気
胃潰瘍になっても口臭に繋がります。腹部を痛がり、血便や発熱を伴い、常に丸まって衰弱してしまう危険もあります。
細菌の感染や、腎不全から引き起こされることもあります。
動物病院で獣医に聞かれること
歯について
自宅で歯みがきをしてあげているかどうか、歯みがきガムは与えているかどうかなど普段の生活状況を聞かれます。犬の歯は意外と、硬いものを食べると歯が折れてしまいます。ガムを与えるにしても、犬が「これがいいワン」と選ぶことはできません。堅さ別に与えて様子を見るなど、飼い主さんがしっかり見極めて購入してくださいね。
シートを使用して磨くことを知らない人も多いかと思われます。ティッシュはすぐ溶けて口の中に入ってしまうのでやめましょう。寝る前やお散歩の前などを見計らい3~4日に一度ペースを目安に、シートで歯を磨くがてらお口の中の状態をチェックしてあげてください。
生活習慣について
毎日与える餌はどのような種類のタイプをあげているか、ドライタイプやウェットタイプ、缶詰のタイプもありますね。もしくは人間の食べ物しか食べたことがない犬もいるかもしれません。
人間の食べ物は、消化不良を起こし、下痢や嘔吐、臭いの原因です。
犬は朝晩と二回の餌を与えるのが好ましいのですが、食べ物を欲しがる時にはいつでもあげるようなことはあるか?おやつの頻度は?なども聞かれるでしょう。
愛犬の口臭をなくす3つの対策法
1.獣医やペットの専門家によるアドバイスに従う
口臭が酷くなってくると、「お友達が来ても抱っこさせられない」、「顔を舐められるのが嫌~!」など悩みの種になりますよね。動物病院へ行って状況を診てもらい治療することも必要になるかもしれません。
内臓疾患が隠れている可能性もありますので、「口臭くらいで、大丈夫だろう」と素人判断で済ませるのは危険ですよ。動物病院では、歯周病の治療はもちろん、自宅で飼い主さんが出来ない場合に歯磨きをしてくれる場合もあります。
口臭の原因に対する適切な薬もしくは治療薬が処方されますので、獣医さんの診断に任せましょう。
2.歯みがき習慣の見直し
犬が幼い頃からスキンシップとして口の周りを触ったり、歯を触ったり、唇をめくってみたりと遊んでいる感覚で普段から慣れていると、いざ歯みがきをするときも噛みつかれる心配はないですよ。
前歯だけではなく歯の裏側や奥歯は汚れが溜まりやすいので、忘れずに気を付けてあげましょう。
噛みつかれるのが怖いという気持ちがあれば、多くのメーカーから犬用の歯みがきガムと歯磨き粉が売られているので、ガムを与えてみましょう。
あまりに硬いものや柔らかすぎるもの、犬の大きさに合わないガムなどは喉に詰まらせることもあるので、食べている間は見ていてあげてください。ガムは毎日あげても大丈夫です。
シートで歯を磨いてあげることもできますよ。3~4日に一度くらいのペースもしくは頻度で磨いてあげると良いですね。不繊布ガーゼがおすすめです。綿棒に巻き付けて磨いても良いですよ。
3.食生活の見直し
犬用の質の良い新鮮なドックフードを選ぶようにしましょう。ドライタイプは開封後から酸化していきます。大容量のドックフードは購入後に密封バッグに小分けにするなどの配慮をしてあげてください。ウェットタイプはドライタイプに比べて口臭がきつくなりやすいです。
また、防腐剤や着色料、香料などが含まれていないドックフードを選んでください。
人間の食べ物は脂が多く含まれているものが多いので、欲しがっても極力与えないようにしてください。
ドカ食いをするとそれが癖になり、肥満に陥り糖尿病など内臓疾患を引き起こしてしまいます。犬の肥満は飼い主の生活習慣も反映します。適量を見極めて、ご飯のときは見守ってあげると良いですね。
素人ではわからないこともたくさんありますので、獣医さんやペットの専門家のアドバイスに従うことも頭に入れておきましょう。
最後に
獣医に定期的に通い様子を見てもらったり、ペットのプロのお世話にコツを教わったりと、根気よく一緒に口臭対策に取り組んであげてください。しかし躍起になって頑張り過ぎてもストレスをためてしまうかもしれません。自分だけでため込まないようにしましょうね。
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