お散歩したり部屋でまったり過ごしたり、犬と一緒に過ごす毎日はとても癒されますよね。犬は基本的に飼い主に忠実で人懐こいので、寝食を共にしている方も多いでしょう。
家族同然に可愛がっている愛犬にノミがついてしまった時、どのように駆除したらいいのでしょうか。そもそも、犬につくノミとはどういうものなのか、ノミについての説明と駆除の方法についてご紹介します。
(参照元情報:相模大野プリモ動物病院、埼玉動物医療センター、もとらスマイル動物病院、アニファ動物病院、藤井寺動物病院、かがみ動物病院、池村ペットクリニック、広島県ホームページ、厚生労働省2017年4月現時点情報。医療に関する判断は必ず専門の医師の判断を仰ぐようにしてください。)
愛犬にノミが。知っておきたいポイント5つ
1.ノミとは
ペットにつくノミはイヌノミとネコノミがあり、犬にはどちらのノミも付きます。
ノミは非常に小さく、犬の体のであちこち動き回るのでその姿を見ることは困難です。そのため犬がかゆがっている姿でノミがついているのではないかと判断します。ノミは犬の全身に寄生しますが、主に自分で掻くことができないしっぽの付け根付近に多く生息しています。
そもそもノミがどこからやってくるのかというと、散歩などで外からもらってくることがほとんどです。草の中にいたノミが犬の体につき、室内に持ち帰ってしまうのです。
その後は室内(犬の体)で産卵、孵化を繰り返し増殖していくのですが、結構な繁殖力があるため、一度ノミがつくとすべてを駆除するのは非常に困難です。
2.ノミ以外に気をつけたほうがいい害虫や寄生虫とは
ダニ・マダニ
ダニはどこにいるのかというと、全国どこにでもいます。家にも出先にもいるので、犬についたダニやマダニがどこから来たのかを知るのはほぼ無理です。
ダニの中でもマダニは特に犬につきやすいもので、大きさは3~4ミリとダニの中では大き目で吸血することから、刺されるとかゆみや皮膚疾患、貧血などの症状を引き起こします。温かい季節を好み、5月~9月頃までが多い時期ですが、基本的に1年中生息しているので他の時期でも注意が必要です。
ダニに刺されるとかゆみがあるのですが、かゆがり方が犬が頭を激しく振ったり、地面に耳をこすりつけるようなしぐさの場合はマダニではなくミミダニの可能性もあります。ミミダニは放っておくと外耳炎や中耳炎を引き起こすことがありますので、こちらも注意が必要です。
2017年5月には長崎県佐世保市の女性がマダニが媒介するSFTSという感染症で死亡した例も報告されています。SFTSとは重症熱性血小板減少症候群の略称です。マダニは、小さいからと無視することはできない危険な虫です。
フィラリア
フィラリアは寄生虫の一種で、フィラリア症には急性と慢性があります。
急性フィラリア症は血尿、黄疸、呼吸困難などの症状があり、早急に治療しなければ死に至る危険があります。慢性フィラリア症は咳、息切れ、元気がないなどの症状が出ます。
フィラリアは蚊が媒体となっていることがほとんどなので、屋外飼育の場合は常にフィラリア症にかかる危険があるといえます。室内外の場合でもお散歩での外出などあるでしょうから、フィラリア症に感染する可能性は十分にあります。蚊が活発になる4月から9月頃までは蚊の駆除や予防に特に気を付けましょう。
サナダムシ
サナダムシは犬の小腸に寄生する生物です。
犬の体についているサナダムシを媒介するノミが体内に入ってしまったり、草や水などに生息していたサナダムシを犬が口にすることで体内に入ってしまいます。お尻を地面にこすり付けたり、食欲不振になったりといった症状が見られることがありますが、何も症状が出ないことも多いです。
症状が出ないと言っても駆除は必要なので、サナダムシの駆虫薬の投与や媒体源となるノミの駆除を行いましょう。
3.ノミやダニがついている愛犬と一緒に寝てもいいの?
愛犬と一緒に寝ることはおすすめできません。
犬についているノミやダニは人間にもつき、皮膚病やアレルギーなどの被害が出る可能性があります。ノミやダニ以外にも万が一サナダムシが人間の体内に入ってしまうと肝機能障害を引き起こすリスクもあります。
どうしても愛犬と一緒に寝たいのであれば、とにかく犬を清潔に保ってください。そして犬の持っている寄生虫が人にどういう影響を及ぼすのかをきちんと理解して、それらの害から自分の身を守れると判断できるようになったら寝るようにしましょう。
4.バルサンは効果があるのか
害虫退治薬として有名なバルサンは、ノミの成虫退治には効果がありますが、幼虫や卵には効果がありません。ノミ1匹に対して幼虫・卵は約20匹と言われているため、バルサンを使ってもノミ全体の5%しか駆除できていないことになります。
ノミを駆除するのであれば、バルサンを2,3日に1度のペースで使用し、その都度部屋をきれいに掃除することが必要です。
ノミ対策はとにかく部屋をきれいに保つことが一番です。特に部屋の隅の埃が溜まりやすい個所などは念入りに掃除しましょう。日々の清掃のプラスαとしてバルサンを使うという使用法がおすすめです。
5.ノミやダニの発生に反応するアレルギーなどはあるのか
ノミアレルギー性皮膚炎というものがあります。
ノミアレルギー性皮膚炎はの症状は赤い湿疹ができ非常にかゆがるというものです。ノミが付きやすいしっぽ回りに症状が出やすく、放っておくと脱毛や色素沈着などしてしまいます。
早急に病院へ連れて行き、ノミの駆除と並行して皮膚炎の治療もおこなってあげましょう。
知っておきたいノミやダニの予防法
1.ノミやダニの取り方
自宅でできる方法で一番効果的かつオーソドックスなものはお風呂でシャンプーすることです。ノミとりシャンプーというものも売られているので、利用するのも良いでしょう。2週間に1度くらいのペースでシャンプーして、体を清潔に保ってあげましょう。
動物病院で駆除をお願いすると駆除薬を出してもらえます。駆除薬にはいろいろなタイプがあるので犬の症状などをみて獣医師と相談のうえで適切な薬をもらいましょう。
その他、最近は犬の洋服に防ダニ防ノミ加工のものも売られておりそれらを着せるもの効果的です。
2.ノミダニ予防の薬を使う
ノミダニ予防の薬には飲み薬とスポット薬があります。病院で処方してもらえるものと市販薬とがありますが、できれば病院で症状や状況を診察してもらった上で処方してもらった方が良いでしょう。
商品によっては犬がアレルギーを起こしてしまう可能性もありますので、処方薬の方が安心です。また、市販品は処方薬に比べて1回あたりの有効期間が短いものが多く、購入価格は安くてもコストパフォーマンスの面からみるとさほど割安感がないようです。
3.動物病院でかかる治療と期間のめやす
病院でノミダニを駆除してもらうと、洗浄と投薬で1,500~3,000円ぐらいが相場で、犬の大きさ(重さ)によって治療費が異なる病院が多いです。治療期間は受診した際のダニノミの付き具合によるので一概には言えません。1回で済めば負担も軽く済むので、早め早めの受診をおすすめします。
ただ、ノミダニが活発になる時期には月に一度は予防薬をしてもらいに行った方が犬のためには良いでしょう。
4.ノミやダニが付いている場合の治療方法
ノミダニの治療方法は洗浄と投薬治療で行います。ノミやダニの発生により皮膚疾患などの病気がある場合は抗生物質の投与や塗り薬の処方があります。
これも受診時の犬の状態によるため期間がどの程度かは一概には言えません。
5.自宅に赤ちゃんや子供がいる場合の駆除・治療方法
赤ちゃんは抵抗力、免疫力共に大人と比べると非常に弱いので、自宅に赤ちゃんがいる場合は、犬のノミやダニがうつらないように気を付けて下さい。
室内飼いで犬が部屋を自由に行き来できる状態にある場合は、赤ちゃんと犬が接触するのをなるべく避けましょう。そして赤ちゃんがいる部屋はこまめに掃除してください。ダニやノミのは掃除機で吸い取れますので、なにより掃除が大切です。掃除機で吸い取ったゴミの中でダニやノミが孵化することもありますので、ダストボックスも常に清潔にしておきましょう。
また、空気清浄器を使うなどとにかく室内をきれいに保つよう心掛けて下さい。
最後に
犬を飼っている以上、ノミやダニを完全に排除することはできません。ですが、日ごろのケアで最小限に抑えることは可能です。
犬も人も快適な生活が送れるよう、犬の体も部屋の中も常にきれいな状態を保って生活しましょう。
飼い主や飼い主家族と室内犬の過ごし方、家の間取りや生活習慣などで心配なことがあれば、ペットシッターなどの専門家に相談の上アドバイスをもらい改善してみませんか。気軽に相談できます。
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