07/07/2020

「今は先生業が楽しい。『とても』ではなく『すっごい』楽しい」Ucca-Laughさま

Ucca-Laughさんは明るく、初対面の相手にも壁を作らずに接してくれる雰囲気を持つ女性です。音楽に詳しくない人でも分かるようなメジャーな会社からプロデビューをしたことは、すごい実績です。しかし、その話の内容や話し方には、「私って、すごいでしょう」という押し付けがましさが全くありません。

また、彼女の歌を再生すると、途中で止めることなく自然と最後まで聴いてしまいます。この、自然と彼女の話や歌を聴いてしまう、こちらに自然と聴かせてしまう雰囲気はどこからくるのでしょうか。

Ucca-Laughさんにお話を伺いました。(文中の表現や文章は、一部Ucca-Laughさんのご希望で「彼女らしい」表現を採用しています。)

自分が歌を教える側に回るなんて、思ってもいなかった

「ボーカルコーチの仕事を始めて1年ほどです。それまではアーティストとして日本と海外でライブ活動をしていました。またソングライターとしてSony Music Publishingと専属契約してからは、LAや北欧などでのライティングキャンプに参加し、グラミー賞受賞プロデューサーなどとスタジオに入り制作活動に没頭していました。」

「今は先生業がとても楽しいです。『とても』というより『すっごい』楽しいです。

数年前、ある若手アーティストのレコーディングに立ち会う機会があって。そこで緊張しているメンバーがリラックスできるように簡単な発声方法を教えたり、その流れでボーカルディレクションをしたりしました。

その時に『あ、私って歌を人に教えるってことも好きなのかも?』と気づくきっかけになりました。自分が『教えること』に目覚めるなんて一ミリも想像していませんでした。」

Zehitomoができた初期の頃に、登録して使い始める

zehitomo Ucca-Laugh

「Zehitomoに登録したきっかけはよく覚えてないですが『このサービスは私と相性がいい』と感じる直感だけで始めました。」

「私が生徒さんの集め方について相談したいとメールをすれば、丁寧に返信メールをくれます。時々、急に担当者の方が電話をかけてきてくれることもあるのですが、全然嫌な感じがしません。

なんというか、営業も兼ねてるはずなのですがそれっぽくないんですよ。声に真心がある感じがしてすごく好意的で。私のやりたいことをいつも助けてくれる話をしてくれるので、結局Zコインをたくさん買っちゃいます(笑)」

「フリーランスは集客が一番大変だと思います。私は、Zehitomo以外でもボーカルスクールやお稽古事サイトでも歌を教えているのですが、Zehitomo経由で来るお客様、つまり生徒さん達は雰囲気や属性が他のサイトと全然違うんですよ。」

言葉を修正せずにお借りすると、Zehitomoを通じて知り合った生徒の皆さんは「良い意味で、個性が強く、日本人だけど外国人ノリの方が多い」とおっしゃるUccaさん。

「インターナショナルスクールに子供を通わせているお母さんが多く、普段生活していたら知り合わないような素敵なご家族に出会うことができています。『他の先生からも連絡があったけど、電話をくれたのはあなただけ。これも縁だから、あなたにレッスンをお願いしたい。』とお仕事が成立したことも、何回もあります。」

「私はお客様への連絡に電話を使っています。使うようになったのはやはり、Zehitomoさんからのアドバイスがあったからです。電話で人と話すってちょっと緊張しますけどね。」

その時に「自分は声を使う仕事をしている。電話を使った方がマッチする確率が高まる」と気付いたとおっしゃるUccaさん。

ボーカルレッスンの生徒は、お子さんが多い

zehitomo Ucca-Laugh

(オンラインレッスンを受けるMayaさん。10代とは思えない太く響きのある歌声、将来が楽しみな生徒さんですInstagram:@my_dreams_in_a_song)

「子供の生徒さんが多いです。本人の意思で歌が上手くなりたい子もいますし、ご両親が音楽好きだから子供に歌を習わせたいという方もいます。

あとは私のプロフィールを見て『洋楽が歌いたい』というお子さんもいます。半年前くらいからオンラインレッスンもしているので関東近郊や関西、九州にも生徒さんがいますよ。」

Ucca-Laughさんと音楽の出会いは、幼少期

zehitomo Ucca-Laugh

「小さな頃から音楽とダンスが好きでした。歌うと褒めてもらえる機会が多かったです。子供って褒められると伸びるじゃないですか?

その当時は、上手いというよりもただ大声で歌ってただけのような気もしますが、その頃から『こう歌ったら、こう振舞ったら周りの人が喜んでくれる』という経験が少しずつ増えていました。」

「小学校の時にクラシックピアノを習っていたのですが、指を馴らす曲を弾いて練習曲を弾く、型にはまったレッスンは、自分が人形のように感じられて性分に合いませんでした。」

ある日ピアノの先生に「私はピアノが好きではない」と伝えたのだそう。先生は実は国立音大の声楽科の出身だとわかる。正直に伝えたことで、先生の専門が声楽だと分かり、そこから声楽科受験ためのレッスンカリキュラムなど、歌のレッスンに力を入れていったのだそう。

「ピアノから歌のレッスンになって、毎週のレッスンがとても楽しくなりました。この先生との出会いが私の人生のターニングポイントになりました。」

華やかな先生から受けた、数々の影響

「先生は身なりもとても綺麗で、彼女の所作、喋り方、着てるものを見て感じて、幼いながらに私は『こんな女性になりたい』と思っていました。」

「今は自分が子供達にレッスンをする立場になりました。生徒達にとって私は『10代の、ほんの数ヶ月だけの出会い』かもしれません。だけど、いつか大人になって振り返ったときに『なんか、面白い先生いたな』と思い出してくれるくらいの存在になれたら嬉しいなと思っています。」

自分の小さい頃の経験が今の自分に生きています、と笑顔で語ってくださったUccaさん。

日本でもアメリカでも、いつも歌と共に過ごす

zehitomo Ucca-Laugh

「声楽の先生のレッスンを受けながら、中学から私立の学校に行きました。他校から来た同級生たちには、地元にはなかった音楽カルチャーを知っている子も多くて。聴く音楽の幅も増えていき、その頃から洋楽を聴くようになりました。」

「自分のやりたいことなんだろう?と考えた時に、ポップス寄りの発声がやりたいと思いました。そのためそれまでお世話になった先生ではない別の先生にお世話になることにして、ポップスに特化したレッスンを受け始めました。中高と放課後、港区の湾岸にあるスタジオでボーカルトレーニングを受けました。同時にダンスもして、文化祭でグループを組んで歌ったり踊ったりもしていました。」

その頃から地元杉並区の高円寺や阿佐ヶ谷の小さなクラブやバーでパフォーマンスをしていたと言います。

「高校卒業後はアメリカの大学に行きたいと親に頼んで、最初は2年制のコミュニティカレッジに進学しました。そこでは、絵に描いたように遊びました(笑)」「英語を喋らなくても、正確な英語が喋れなくても、私には歌があったので音楽を通じて交友関係が広がっていきました。」

「当時はヒップホップやR&Bがすごく流行っていた時代です。クラブでパーティーをして、曲を作って、アーティスト写真を撮影して音楽プロデューサーへ売り込んだり。もちろん同時に勉強もしながらでしたが、結局カレッジに通うのはやめて帰国しました。」

ビクターエンタテインメント傘下のレーベルからプロデビュー

zehitomo Ucca-Laugh

「帰国後は六本木のクラブなどで歌っていました。当時は音楽業界の人達も今よりも派手で、クラブに遊びに来ながらスカウト活動をしてました。ビクターエンタテインメントの方からスカウトしていただき、ソロでデビューしてアルバムを2枚出しました。」

しかし「売上を出さないといけないプレッシャーといつも戦っていた」と言います。「当時は『デビューしたいなら、まずレコード会社に気に入られなきゃ』な時代でした。デビューもさせていただき、音楽業界のレールには乗せていただきましたが、何かこう、しっくりこなくて。

それは、音楽だけではないと思います。仕事って人との相性がすべてみたいなところありますよね。大人になった今だから分かりますけど。私が自分自身のことをきちんと表現できていなくて、周りの人にもたくさん迷惑をかけたと思います。結果そのプロジェクトはうまくいきませんでした。」

ビクター時代に出会っていた女性

「自分とは何者だろう?と悩みました。歌を続けるか就職するか迷った時に、自分が何が好きなのかもっと探求したくてアメリカに行きました。

今度はずっと行ってみたかった東海岸のニューヨークです。知り合いはいませんでしたがとにかく行きたい気持ちが先立ってチケットを予約。ハーレムに滞在してアポロシアターにも行って。感じるままに行きたい場所に行ってカルチャーに触れて。NYってなんだか自分に合うな、この街が好きだと肌で感じました。」

「ニューヨークをまるごと吸収して日本に戻ると、偶然にもビクター時代に別のグループで活動していた同世代の女性DJ(@djtomoko)のブログに辿り着きました。そして彼女が少し前までニューヨークに住んでいたことを知りました。」

「自分でも、ユニークな発想と行動力だと思います。最初『NYに住んでたんでしょ?久しぶりに会おうよ』っていうノリで電話をかけたのですが、向こうからしたら驚いたと思います。

@djtomokoさんは、帰国して日本で音楽プロデューサーとして頑張ろうとしていた時に私から急に連絡が来たことになります。しかも『一緒に音楽をやろう』ってどういうこと、と(笑)

もし逆の立場でも驚くと思います(笑)結局その後の半年間『一緒に音楽をやろうよ』って口説き続けました。」

一緒に音楽をできるきっかけとなったのは、『発狂事件』だと言うUccaさん。

「ある夜のクラブで、当時私が好きだった人が知り合いの女性といい感じにしていて。私が一方的に好きなだけでその彼の彼女でもないのに一人で怒ってクラブを飛び出したんです。『(Uccaは)普段笑顔の子なのに、剣幕立てて怒ってる』って、面白かったみたいで。それがきっかけで一気に距離が近づき、一緒に音楽をやることになりました。10年ほど前のことです。」

「2010年前後って、ちょうど日本でも爆発的にSNSが広がった時期です。2人で自宅からUstreamで配信番組をスタートしました。今でこそYouTube liveやInsta Liveなど色々なサービスがあり誰でも気軽に配信できるようになりましたが、当時は家から音楽を配信する人はいませんでした。」

珍しい2人は、音楽業界から注目を集める。「面白いねって、私たちの番組や取り組みを重宝がってもらいました。ラッパーのZeebraさんやラジオDJの DJ TAROさん、特に日本のヒップホップの業界の著名な方々がSNSをフォローしてくれて話題になりました。1年後にメジャーデビューをして5年ほどしっかり活動しました。」

「伝えること」への工夫

zehitomo Ucca-Laugh

「分かりやすい話し方ができてますか?ありがとうございます(笑)たぶん『伝えること』を意識して話してるので、嬉しいです。昔はだらだらと話していましたけどね。」

「友達や家族には、それでもいいのかもしれません。でも、自分の感じている気持ちは『伝える』を意識しないと絶対に伝わらないんですよね。最初に結論を言うとか、起承転結を意識する、とか。相手に理解してもらいたいなら、工夫をしないと、自分が思っていることは伝わらないと気付きました。」

「実は、歌詞を書く時にも役立ってます。『イントロ、掴みって大事だよな』とか『サビはできるだけキャッチーなメロディーと歌詞にしよう』とか。自分なりの伝達方法として、歌だけでなく話す時もイントロとサビをうまく構成するのは大事だなと思っています。」

Ucca-Laughさんの、これから

zehitomo Ucca-Laugh

「Podcastで番組を始めたいなと思っています。去年くらいから考えていたんですが、新型コロナウイルス感染症の流行があったからこそ、今だと思いました。なぜなら新型コロナウイルスと関係なく、10代の子達はレッスンを休まないんですよ。その姿を見て、『夢や目標があるっていいな』と昔の自分と重なる部分が大きくて。

家にいながら歌のことが楽しく学べる番組があったらきっと楽しんでもらえるだろうなと思いました。音楽や歌を通して自分を表現してみたいけどどうしたらいいか分からない子、周りに聞ける環境がない子など、歌を志している子達に役立つ情報を伝えたいです。」

「これからの時代は個の時代と言われていますよね。私もそう思います。歌が上手い人も、歌以外のスキルも持って発信者としての力をつけて欲しいです。

また、個人の発信になるからこそ、自分で作った音楽の権利などのことも知って欲しいです。私は、音楽の著作権を扱う会社(SMP)の所属なのでその分野にも詳しいです。

また好きな曲や歌だけを聴くだけでは表現力は育たないと思ってます。その音楽がなぜ生まれたのか、映画や本から学べることも多くあります。シンガーとして生きていくための感性や才能の磨き方を紹介するような番組が作れたらいいなとも思っています。」

「私の強みは声なのでPodcastと相性がいいんじゃないかなと思っています。私たちはここ10年、目を駆使しすぎたと思うんですよ。だから、耳だけで学べるPodcastがいいなって(笑)」

「私のボーカルレッスンでは発声や呼吸の基礎や課題曲の練習しますが、かつて退屈さを感じていたピアノレッスンの二の舞にならないよう(笑)作詞作曲、音楽業界の仕組み、写真の撮られ方、メイク、服の選び方なども伝えていきたいです。若い世代をサポートしたいです。」

「もちろん『自分が現役の先生でいること』にもこだわりがあります。自分で歌を作って、配信リリースやライブをしながら、Zehitomoのような新しいサービスを使う。世の中の新しいこと、これから流行りそうなことをキャッチアップすることが大好きなので、いつもアップデートした自分であり続けたいです。」

2020年7月18日に、新曲を配信リリース

zehitomo Ucca-Laugh

「去年の5月から、 “#7daysplaylist” と銘打って1週間の各曜日に合わせた曲を1曲ずつ作ってリリースしています。その集大成となる新曲が7/18(土)に『Our Saturdays』にリリースされます。

働きながら恋愛、結婚、自己実現を目指す欲張りアラサー世代の女性が、うなずくような内容になってると思います。近年はプレイリスト文化が主流なので、リスナーの生活に馴染みつつ、気分が上がる楽曲作りを心がけてきました。

これまでリリースした6曲を経て、最後の1曲はシリーズで最も爽やかでハッピーな曲になりました。7曲コンプリートしたら、バーチャルで生配信ライブもしたいです」

Ucca-Laugh

東京都出身。 幼少期から声楽、オペラを習う。 90年代を代表するアーティスト Mary J. Blige、Lauryn Hill、Mariah Carey に憧れ、地元のクラブイベントでのライブパフォーマンスを始める。高校卒業後、LAへ留学。帰国後、Pharrell Williams (The Neptunes/NERD)とNIGO主催のオーディション「STAR BAPE SEARCH」に応募、ファイナリスト6名に選ばれた。 2010年からビートメーカーシンガーの女性ユニット@djtomoko n Ucca-Laugh (通称ともゆか) のボーカルとして活動を開始。ニューヨークのブルックリンHipHopフェスティバル公式イベントに出演、マンハッタンのSoireeにてDJプレミア と競演。2014年に発売したEP「Girls don’t kill your time」はiTunes HIPHOPアルバムチャートで1位を獲得した。 2016年、ソングライターとしてSony Music Publishing と契約。国内外アーティストへの楽曲制作のため、フィンランド、エストニアでのソングライティングキャンプに日本代表として招かれた。 2019年、ソロ活動を開始。働きながら恋愛や結婚、自己実現を目指すすべてのオトナ女子達へのアンセムソング集と題して、毎曜日をテーマにお届けする #7daysPlaylist プロジェクト進行中。

「未来のシンガーをプロデュースするPodcast番組を作りたい!」

クラウドファンディングで番組制作資金を募っています。(〜2020年7月28日)
番組に出演&公開ボイトレが受けられたり、オリジナルグッズなどを受け取りながらサポートが行えます。
https://camp-fire.jp/projects/view/294733

2020年7月19日(日)19:00〜 #7daysplaylist 7曲コンプリート記念 生配信ライブ!

詳細はUcca-LaughのSNSでチェックしてください。

オフィシャルサイト:https://www.ucca-laugh.com/
Instagram:@uccalaugh
Twitter:@Ucca23

このプロにボーカルレッスンを依頼する

自分もプロとして登録する

近所のプロを探そう
見積もりを出す(無料)