10/11/2019

メーザーハウス在学中にプロデビュー。演奏からレッスンまでマルチに仕事をするプロドラマー 和田 浩一郎さま

プロのドラム奏者としてご自身が演奏するだけでなく、レッスンも行う和田 浩一郎さん。縁と縁が繋がって、北海道と東京を行き来し、プロのドラム奏者として活躍することになったという和田さんに、これまでと現在についてお話を伺いました。

プロのドラム奏者とは?

和田浩一郎 ドラムレッスン koichiro wada ドラム ドラマー Zehitomo

(和田さんにお借りした写真。無断転載厳禁)

プロとして仕事を受けるということ

「ドラムのプレイヤーは、バンドのメジャーデビューのように『これをしたらプロ』という明確なプロの線引きがありませんが、『音楽に限らず、自分の演奏にお金をいただくだけの責任があれば』、という認識でいいと思います。

『今回のこの案件、この金額でお願いできますか?』と頼まれる仕事が増えます。若い頃は、演奏させてもらう機会を可能な限り作って、できるだけ多くの方と知り合うことを重視していました。もちろん周りの方との縁は現在も重要視しています。

プロでやると決めてから、基本はギャラをいただいています。本番のみ、リハーサルと本番など、その時々で内容は変わります。あまりあってはいけませんが、やはり無償と有償の仕事ですと、後者の方が優先になりますし、責任が違います。」と和田さん。

MESAR HAUS(メーザーハウス)を卒業

「メーザーハウスという音楽学校に通っていました。専門学校というよりも、養成機関という感じが強いです。基本カリキュラムはありますが、自主性を重んじています。通っていた方には著名な方が多数いらっしゃいますが、スキマスイッチのお2人は、メーザーで出会ったそうです。

その他、在学中は知りませんでしたが、外の現場に出るようになって、こんなにもメーザー卒業生が多いのかと知りました。僕のいる世界は、『音楽を勉強しました、専門学校や養成所に行きました、ハイッ、仕事が準備されています』、という世界ではなく、仕事や就職が確約されているわけではありません。僕は学校を卒業する前に、ドラムの師匠にプロとしてデビューさせていただきました。」

ドラムとの出会い〜プロになるまで

和田浩一郎 ドラムレッスン koichiro wada ドラム ドラマー Zehitomo

(和田さんにお借りした写真。無断転載厳禁)

中学校でバンド活動を始める

「出身は北海道です。音楽に興味を持ったのは中学時代で、2 歳年上の先輩たちの姿を見たことがきっかけです。私は最初はベース担当で、ドラムではありませんでした。ベースを買って練習していましたが、全然できなくて(笑)。

好きだったバンドのカタログでメンバーの使っている機材を見た時に、ドラムのかっこよさに衝撃を受けました。当時値段も知らずに友人に『ドラムを買う』と言ったら、『ドラム買うならドラム担当しなよ』という話になりました。でももちろん、ドラムを買うなんて大変な話ですよね。」

縁がつながり始める

「母親の知り合いの後輩の方がドラムをしていて、『うちで練習していいよ、教えてあげるよ』、という話をいただき、さらに別の知り合いの方から使わないドラムを譲ってもらう流れになりました。

中学でも高校でもドラムを練習して、友人たちとバンド活動を続けていました。当時は基本的にほぼ独学で、ブラスバンド部などに所属していたわけでもありません。」

「高校2年の時に東京に行く予定ができ、せっかく東京に行くなら日本で有名なドラムの先生に学ぶ機会を作りたいと思い、現在の師匠である菅沼孝三(すがぬまこうぞう)さんに行き着きました。」

「孝三先生に連絡を取った時に、いただいた返事が『来月札幌行くんです、よければお会いしましょうか』というもので、初めてお会いしたのは北海道でした。

孝三先生は全国主要各所にドラム道場を主宰されていて、その時はちょうど札幌校を立ち上げるタイミングでした。」と和田さん。(※札幌校は現在は無くなっているそうです)

紆余曲折あり、孝三先生に初めてのレッスンをしていただいたのは横浜の本校です。」このレッスンが和田さんを動かす大きなきっかけになったという。

「上京した理由が好きなライブの復活コンサートだったこと、孝三先生にもお会いできたこととが重なって、『本格的にやっていきたい』と考えるようになりました。東京ドームでのライブの光景、孝三先生のドラムレッスンや学校に通っている人から話を伺い、夢を現実にしている人が身近にいる環境、これら全てがきっかけになりました。」

「一気に考え方が変わりました。北海道では『プロになんてなれるわけない』という話の方が普通ですが、東京でドラムを叩いている人たちには『プロになる』という勢いがあり、現に孝三先生のもとからプロになっている人も多数います。これが高校3年生になる直前の3月です。」

札幌での大学生活と、東京でのレッスン

「札幌の大学に進学しました。推薦入試で、高校3年生の年の12月には行く大学が決まっていたのですが、卒業直前の2月に『やっぱり、東京でドラムを学びたい』という気持ちが出てきてしまって。

しかし推薦入学は、自分が推薦を取りやめると後輩たちに迷惑がかかります。でも東京で音楽の学校にも行きたい。母に相談して、『1年は大学に行こう』という話になりました。

大学に進学してからは、月曜から木曜まで大学、金曜の朝には東京に行ってレッスンに通い、土曜に札幌に戻るというサイクルの生活を1年続けました。」

上京したのは2011年3月10日

「それから年が明けて、晴れて上京の日取りなどが決まりました。家も決めて、荷物は出発直前に札幌から横浜に送り、私自身は2011年3月10日の遅い時間の便で東京入り。翌日は新生活で必要なものを買い揃えに行きました。接客してくださった方も私と同じ北海道の出身でした。」

買い物の途中で地震が来たのが14時46分、接客を受けている時で、『東京は地震が多いって聞いてたけど、こんなクラスの地震がいつも来るんですね』、なんて話していたらお店の方は『こんな地震は僕も初めてです』と言われて。これが東日本大震災でした。

この後は孝三先生にもとてもお世話になりました。メーザーハウスは入学式が遅れることになって、一度北海道に帰りました。そして改めて東京に戻って、2年間通いました。」と和田さん。

入学までにここまでドラマティックな出来事が重なると、忘れることはできないでしょう。

和田さんのプロデビュー

和田浩一郎 ドラムレッスン koichiro wada ドラム ドラマー Zehitomo

(和田さんにお借りした写真。無断転載厳禁)

メーザーハウス(音楽学校)での日々

「基本ドラムのレッスンは週1回でした。もちろん必修科目もありますが、その他にはゼミと呼ばれる発展的なもの、音楽理論やバンドアンサンブルなどそれぞれ週に一度のコマを自分で選んで授業を組みます。大学みたいな感じですね。普通の音楽の専門学校なら平日は朝から、午後まで時間割のように授業があるはずですが、メーザーハウスは在学中にプロデビューをする人や仕事をする人もいるため、自分自身で活動する時間も大事にする学校でした。」

「メーザーハウスで講師をしている先生方はみなさん一線でプレイしているプロのプレイヤーです。授業がない日はローディーについたりしていました。ローディーは付き人のような仕事です。師匠のドラムをセッティングし、演奏以外の身の回りをことをし、ライブが終わったら片付けます。師匠はプレイするだけです。アリーナクラスの仕事になると、付き人としてのローディーではなく、プロのローディー集団が対応することもあります。」

プロデビュー

「学校を卒業する前に師匠にプロとしてデビューさせてもらいました。デビューは孝三先生が毎年北海道で行なっている『極寒ツアー』です。函館ベイエリアの、赤レンガ倉庫にある金森ホールでした。ツアーの 1 日目で立ち見いて、ありがたいことにソールドアウト。ツインドラムのセッションとして叩かせてもらいました。」

「これまで一緒に仕事をしたことがある方は、ギタリストの道下和彦さんや、北海道出身の日本一のベーシストになった方と共演させていただいたこともあります。

最近はJ SPORTSラグビー中継テーマソングを歌った田中美里(たなかみり)さんのステージで演奏しています。知り合った頃はフリーのソロ活動をしていましたが、バンドに興味があるということでギターとベースを僕の方で探しました。」

和田さんの現在の仕事について

和田浩一郎 ドラムレッスン koichiro wada ドラム ドラマー Zehitomo

「生徒さんへのレッスンを始めたのは、デビュー後3年ほど経ってからです。きっかけは2015年の秋に開催された東京ファッションウィークです。プラスエイトパリスロックというブランドのコレクションの音楽で、ショーの音楽監督兼ドラムを担当し、パフォーマンスさせていただきました。ドリカム(DREAMS COME TRUE) の2014年の全国ツアー、ATTACK25で衣装を担当したスタイリストの方が手がけているファッションブランドです。

そのコレクションを見に来られていた方が僕の演奏を見ていたことをきっかけに、教えるという流れになりました。この方が1人目の生徒で、現在も来てくださっています。その時はドラムを人に教えるということをする予定はなく、縁があってレッスンをするくらいの感覚でしたが、そこからレッスン生が1人2人と増え始めました。」

「プロデビューしてからは演奏の機会が多く、人にドラムを教えていきたいと思うことはありませんでした。

ただ、教え始めてから思った感覚ですが、今まで自分が時間をかけて会得した技、リズム、ドラムのノウハウを、これからドラムを始めようと思っている方、それ以外の方にも伝えたいと思いました。」

先入観で諦める人も多いドラムを楽しんでもらいたいと思うようになったそう。

「生徒さんは長く通ってくださっているが多いです。イベント等を控えた『早く上手くなりたい』など単発レッスンの生徒さんもいらっしゃいますが、長く続けて通ってくださっている方が多いです。

以前は30代の男性が多かったですが現在は高校生から50代の方までいらっしゃり、女性の生徒さんも増えました。」

現在、レッスンの生徒募集はストリートアカデミー、Zehitomoを活用

和田浩一郎 ドラムレッスン koichiro wada ドラム ドラマー Zehitomo

(和田さんにお借りした写真。無断転載厳禁)

「ストリートアカデミー(以下ストアカ)に登録しました。登録後しばらくしてから月に数人の体験レッスンが発生するようになりました。『もっと生徒募集の窓口を用意したほうがいいかな?』と考えていた時にZehitomoに出会いました。

最初はわかりにくいな、これで来るのかなと思っていましたよ(笑)今使っているのはストアカ、Zehitomo, ココナラの3つです。Zehitomoは最初は登録しているだけでしたが、忘れた頃にレッスン希望の連絡が来たり、を繰り返していました。」

Zehitomoとストリートアカデミー

「Zehitomoから来た初めて生徒さんは、中国出身で都内にお住いの大学生でした。最初のレッスンが成立した後は、しばらく使っていなくて、去年(2018年)の夏から頻繁にレッスン希望者からの連絡が来るようになりました。

ストアカは、自分がレッスンをできる日時と場所を設定できるので、設定したらレッスンの宣伝ができます。Zehitomoは逆に、生徒さんと直接日時調整をするので、『いつどこでレッスンをしますよ』と宣伝ができません。ただ、スピードマッチ機能を設定したことでレッスン生からの連絡が増えました。しかし向こうからの返信がないままやりとりが途切れることもあります。

生徒さんによっては生徒さんの電話番号を掲載している方もいるため、直接お電話をしたこともあります。相手の反応は『(和田さんから)電話してもらってよかった』という方も、『今電話されても話せない』という方もいます。」

最後に

これからも色々な挑戦をして、僕の経験を様々なツールを通して活用し、発信をしていきたいと語ってくださった和田さん。

「ドラムも、音楽も、それ以外のことも。『やってみたい』と思っていても踏み出さない方、踏み出せない方も多いです。僕もそうでした。ただ、僕の家族、師匠、友人、周りの方が、後押ししてくれた環境があって今こうしてプロとして活動できています。

ドラムを叩いてみたかった、叩きたいけどきっかけがない、習うのが恥ずかしいなどなど、色々な理由があるでしょう。やってみたいと思っていてやらない後悔よりも、やって後悔する方がいいと思っています。やった時の方が、得るものが大きいです。

興味がある方は、出会った今がタイミングだと思います。『ドラムって楽しいな、こんなに楽しいんだ』と思っていただけるようなレッスンを提供していけるように頑張りたいと思っています。少しでも気になる方は、ぜひ一歩踏み出してみてください。」と語ってくださった和田さん。これからの和田さんのご活躍にも期待しています。

和田 浩一郎さま

メーザーハウス卒業。ドラムを菅沼孝三氏、SATOKO(FUZZY CONTROL)、パーカッションを福長雅夫氏(東方神起、水樹奈々etc..)に師事。2012年にロンドンに音楽留学をし、2013年はメーザーハウス在学中に菅沼孝三氏のツアーに参加しプロデビュー。2015年の東京コレクションではショーブランドの音楽監督やウォーキングショーでのパフォーマンスも行う。

現在は、ソロでの自身のバンド、アーティストサポートやレッスンなどで活動している。道下和彦氏(Gt)、粥川なつ紀(Sax)、菅沼孝三、藤田圭一郎(Ba)、Eigtyeight(ex.相川七瀬)、田中美里など、その他多数共演。

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