オーケストラとは?演奏される楽器、日本の管弦楽団も解説!
オーケストラとは、管弦楽団のことです。漢字の通り、管楽器・弦楽器からなる楽団ですが、漢字には含まれない打楽器や鍵盤楽器も登場します。ここではオーケストラの楽器の解説を中心に、日本のオーケストラも紹介します。
日本のオーケストラ・関連組織4つ
1.公益財団法人 日本オーケストラ連盟
日本のオーケストラ団体が加盟し、加盟団体のコンサート情報などを配信する団体です。この団体自体が演奏を行うわけではありません。
2.NHK交響楽団
N響(えぬきょう)と略して呼ばれます。終戦の年である1945年よりも古い、1926年に結成されたオーケストラです。定期演奏会だけでなく、世界各国での演奏も行っています。
3.日本フィルハーモニー交響楽団
日本フィルと呼ばれる、1956年6月創立のオーケストラです。現在はコンサート・音楽を通じた子供達への働きかけ・地域活動の3本の柱で活動を行なっています。
4.読売日本交響楽団
名前の通り、読売グループが設立したオーケストラです。1962年創立と若い楽団ながら、世界各国での演奏会も行なっています。定期演奏会はサントリーホールで行なっています。
5.新日本フィルハーモニー交響楽団
JR錦糸町駅からすぐの、すみだトリニティホールを拠点にしたオーケストラです。作曲家の久石譲さんを監督に迎えたプロジェクトを推進し、コンサートなども行なっています。
オーケストラの楽器を紹介!17 + 1選
オーケストラで演奏される楽器を紹介します。
管弦楽団と吹奏楽団の大きな違いは、こちらも漢字で見るとわかりやすいです。吹奏楽団には吹くという漢字が含まれているように、管楽器がメインです(当然局により違いますが)。管弦楽団は「管楽器も、弦楽器もメイン」です。
1.ヴァイオリン(violin)
ヴァイオリンといえば、イタリアのクレモーナ。アマティやストラディヴァリという名前を聞いたことがありますか。彼らはイタリアのクレモーナでヴァイオリンを作り続けました。有名なジブリ映画『耳をすませば』の主要登場人物である天沢聖司君がヴァイオリンを作るために修行に行くのもここです。ヴァイオリンの本体はマツやカエデ、弦は羊の腸・スチール・ナイロンなどが使われます。弓は白馬の尾が最上質と言われています。量産品で最大200万円、ストラディヴァリの名器は3億円以上のものもあります。
2.ヴィオラ(viola)
ヴァイオリンよりも約10cm大きく、音が五度程度低い楽器です。楽器が大きいため体が成長しないと演奏できないことも特徴の一つです。ヴァイオリン奏者と同じく、顎で楽器を挟むため演奏を続けるとあごにあざができます。
3.チェロ(cello)
チェロ奏者はチェリストと呼ばれ、世界的に有名な奏者も多数います。中国系アメリカ人のヨーヨー・マや、オペラ座の怪人を作曲した作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーの弟であるジュリアン・ロイド・ウェバーなど、耳にしたことはありますか?オーケストラ 管弦楽団 吹奏楽団 楽器 演奏 ブラスバンド ブラバン 楽器の練習 上達法 ゼヒトモ zehitomo
4.コントラバス(double bass)
オーケストラの低音を支える重要な楽器です。とにかく大きく2m近くありますが、奏者は男性も女性もいます。面白いことに有名なメーカーは、ドイツと日本です。車と同じですね。さらに面白いことに、ヴァイオリンがいくらでも高額な名器があることに対して、コントラバスは始めようと思うとかなり低価格なものもあり、意外と始めやすい楽器です。英語ではコントラバスといった発音をせず、しかし日本・ドイツ・フランス・イタリアは「コントラバス」と似たような発音をします。
5.ハープ(harp)
オーケストラを見渡すと、音はふわりと美しく優雅ですが、大きな楽器を足で支えるように抱えるように座っている楽器や奏者が目につくと思います。自立するため抱えることは大変ではありません。しかし演奏は、硬い弦を弾くため指を酷使し、見た目ほど優雅でもないとても大変な楽器です。絆創膏をとにかく消費すると言われています。
6.フルート(flute)
ひよひよと美しい可憐な音を奏でる金属の横笛です。プラチナや金、ニッケルシルバーなどの素材で作られ、最高級のものは500万円以上するものもあります。
7.オーボエ(oboe)
一般の人には馴染みのない単語ですが、オーボエはダブルリードの木管楽器です。このダブルリードがオーボエの音も演奏も左右します。日本のチャルメラ音のような楽器です。
8.クラリネット(clarinet)
オーボエと同じく黒い見た目の、木製の縦笛です。どのような楽器かは有名ではなくとも、「パパからもらったクラリネット」のフレーズを聞いたことのある方はいるのでは?そのクラリネットです。管弦楽でも吹奏楽でもソロも多く、派生したアルトクラリネットやバスクラリネットなどあります。
9.ファゴット(basson)
オーボエと同じくダブルリード楽器です。大型の木製管楽器で、重さも長さもあるのですが、肩にかけるベルトで支えるので、意外と立って演奏したり歩きながら演奏でき、とぼけたような音を出す愛嬌のある楽器です。
10.サックス(saxophone)
サックスと言われることが多いですが、サクソフォーンが本来の名称です。ジャズなどで演奏されるセクシーな姿にも馴染みのある楽器ですが、オーケストラでも使われます。金管楽器で、木製のリードを使います。アルトサクソフォーン・テノールサクソフォーン・バリトンサクソフォーン、バスやコントラバスもあります。
11.ホルン(horn)
ころんとした見た目ながら、この楽器の全長は約4mです。すなわち、奏者はこの約4mに息を吹き込み、管を通して音を出さなければなりません。ホルンといえば裏打ち、メインではない旋律を奏でることの多い楽器ですが、オーケストラにも吹奏楽にも欠かせない楽器です。奏者は音を外さないよう、非常に慎重を期して演奏します。
12.トランペット(trumpet)
管弦楽・吹奏楽・ジャズでも、全体と奏でてもソロを吹いても決まる楽器、それがトランペットです。マーチングにも欠かせない、音楽のアルバに欠かせない楽器です。ジブリ映画『天空の城ラピュタ』でシータが朝から屋根で吹いている楽器、と言ってもいいでしょう。金管楽器なので海辺でも外でも屋内でも、どこで吹いても楽器の状態を気にしなくともよく、様になるこの姿は、木管楽器奏者にとっては羨ましい姿でした。
13.トロンボーン(trombone)
体格が大きく手足が長い方が演奏者にとっては有利なトロンボーン。唇を押し付けながら、腕を前後に動かし楽器をスライドさせながら演奏します。有名な曲に意外とソロがあったり見せ場があったりと、花形のようなトランペットの横で、オーケストラの下の力持ちとして必須の金管楽器です。
14.ユーフォ(euphonium)
ユーフォニウムは、子供のように抱えて演奏する金管楽器です、音は誰が聞いても好きになるような、まろやかで角が取れた音色です。演奏の中でなくてはならない中音域の金管楽器としてその存在感を放ちます。
15.チューバ(tuba)
大きな見た目通り、全体の演奏に包み込むような柔らかな低音を効かせる金管楽器です。演奏するには肺活量が多い方が当然良く、わかりやすくがっしりした体格の方が、いい音のためにも楽器を支えるためにも適しているでしょう。出番も見た目も大きくどっぷりとして、派手さのない楽器ですが、管弦楽も吹奏楽も、チューバありきで深みのある演奏に仕上がります。
16.打楽器
打楽器とくくっても、様々な打楽器があります。木琴・鉄琴・バスドラム・サイドドラム・チェレスタ・ビブラフォーン・マリンバ・シンバル・カスタネット・トライアングル・タンバリンなど、まだまだ挙げきれないほどの種類があります。
17.鍵盤楽器
ピアノ・パイプオルガン・チェンバロなどがあります。パイプオルガンといえば教会とコーラス。それぞれの鍵盤楽器が主役になる名曲が、多数の名作曲家によって作曲されています。
18.コンダクター
「指揮者は必要なの?」、楽器演奏や、楽器での集団演奏の経験がない人はよくその存在に疑問を唱えます。答えは「必要です」。
曲の仕上がりは、指揮者の意図によって180度変わります。その指揮者の演奏したい音に合わせて演奏しなければならないのがオーケストラの奏者の仕事です。
最後に
オーケストラだけでなく、ブラスバンド・ピアノ演奏・四重奏や三重奏など、楽器の演奏形態は様々です。コンサートホールで聞いたり、CDで聴いたり、映画で見たり。きっかけはなんでもいいので、ぜひとも興味のある方はオーケストラの演奏に耳をすませてみてください。機会があれば、コンサートホールの生演奏に足を運んでみてください。
オーケストラのメンバーは、作曲者・指揮者・観覧者などに敬意を表し、正装をして演奏します。聴きに行く時も、正装をしましょう。とても心地いい時間ですよ。
演奏家たちの配列や配置も興味深いものです。楽器の近くの席で聴けるとさらに楽しくなるでしょう。
オーケストラのためにドレスアップして、ぜひとも聴きに出かけてみてください。興味が深まれば、自分で演奏をしても、楽しい趣味・習い事になりそうですね。オーケストラや楽器と親しむ時間を、ぜひとも持ってみてください。